メンタルヘルス用語辞典 · 性的侵入思考

性的侵入思考とは?
症状・原因・治療法をわかりやすく解説

性的侵入思考は、望まない性的な思考やイメージが繰り返し浮かぶOCDの症状です。この思考は実際の欲求や意図を反映するものではなく、脳の誤作動による「ノイズ」です。症状の特徴から治療法・周囲の対応まで、必要な情報をすべてまとめました。

ABOUT SEXUAL INTRUSIVE THOUGHTS

性的侵入思考とは

性的侵入思考は、望まない性的な思考やイメージが繰り返し浮かぶOCDの症状です。この思考は本人の性的嗜好や意図を反映するものではなく、脳の誤作動による「ノイズ」です。適切な治療により改善が期待できます。

定義

性的侵入思考の定義——「考え」は「欲求」ではない

性的侵入思考(Sexual Intrusive Thoughts)とは、望まない性的な思考、イメージ、衝動が繰り返し意識に侵入するOCD(強迫性障害)の症状です。その内容は本人にとって非常に不快で、自分の価値観やセクシュアリティとは相容れないものです。だからこそ強い苦痛を引き起こします。

ここで最も重要な点を強調します。性的侵入思考は、実際の性的欲求・嗜好・意図を反映するものではありません。OCDの研究では、侵入思考の内容は本人が「最も恐れること」「最も価値を置いていること」を標的にする傾向があることが一貫して示されています。子どもを大切に思う人だからこそ子どもに関する不適切な思考が最大の恐怖となり、パートナーを愛している人だからこそ性的指向への疑念が最も苦痛な内容となるのです。

性的侵入思考OCDは「ピュアO(Pure O)」の一種と呼ばれることがありますが、実際には精神的な強迫行為(メンタルチェッキング、精神的中和など)が伴っており、完全に「強迫行為なし」ではありません。

侵入思考は誰にでもあります研究によると、一般人口の90%以上が何らかの侵入思考(望まない思考)を経験しています。性的な内容の侵入思考も非常に一般的です。違いは、OCDの方がその思考に過大な意味を付与し、強迫行為で対処しようとすることで悪循環に陥る点です。
よくある誤解

性的侵入思考にまつわる5つの誤解

性的侵入思考OCDは、社会的な認知が低いため、多くの誤解に苦しめられています。以下に代表的な誤解とその真実を示します。

誤解①:性的な思考が浮かぶのは、心の奥底でその欲求があるからだ
真実:思考は欲求とは無関係です。脳は一日に無数の思考を生み出しており、性的な内容のものも含まれます。OCDの方はその思考に苦痛を感じ、過大な意味を付与してしまいます。
誤解②:性的侵入思考を持つ人は危険だ
真実:性的侵入思考OCDを持つ人が犯罪行為に及ぶ可能性は、一般人口と変わりません。むしろ、その思考内容を最も恐れているのが当事者です。
誤解③:性的侵入思考は意志の力で抑えられるはずだ
真実:思考を「考えないようにする」ことは、抑圧のパラドックス(白熊効果)により、かえって思考を増幅させます。意志力の問題ではなく、脳の機能的な問題です。
誤解④:治療しても意味がない、一生このまま
真実:ERP治療を受けた患者の約60〜70%に有意な症状改善が認められています。適切な治療により、思考への苦痛が大幅に軽減し、日常生活を取り戻せます。
誤解⑤:性的侵入思考を専門家に話したら、通報される
真実:思考は犯罪ではありません。治療者には守秘義務があり、思考内容を話したからといって通報されることはありません。OCD専門の治療者はこの症状をよく理解しています。
💡
正しい知識が回復の第一歩誤解が苦しみを長引かせます。「これはOCDの症状だ」と正しく理解することで、自責の念が軽減し、治療への第一歩を踏み出しやすくなります。
侵入思考と欲求の違い

侵入思考と実際の欲求の決定的な違い

性的侵入思考OCDで最も苦しいのは、「この思考は自分の本当の欲求なのではないか」という恐怖です。しかし、侵入思考と実際の欲求には決定的な違いがあります。

実際の性的欲求
快感・興奮・一致感を伴う
その思考を楽しめる。ファンタジーとして快く感じる。自分の価値観やアイデンティティと一致している。行動に移す意図がある場合もある。
性的侵入思考(OCD)
嫌悪・恐怖・不一致感を伴う
その思考が浮かぶこと自体に強い嫌悪感、恐怖、罪悪感を感じる。自分の価値観と根本的に矛盾する。行動に移す意図はまったくなく、逆にその可能性を最も恐れている。
💡
恐怖こそがOCDの証拠です「自分がそのような人間かもしれない」という恐怖そのものが、あなたがそのような人間ではないことの最も強い証拠です。実際にその欲求を持つ人は恐怖や嫌悪を感じません。あなたが苦しんでいるという事実が、これが望まない侵入思考(OCD)であることを示しています。
頻度

性的侵入思考の頻度

性的侵入思考は、OCD患者の中で最も恥ずかしいと感じやすいテーマのひとつですが、決して稀な症状ではありません。

25%前後
OCD患者のうち性的な内容の強迫観念を持つ割合
90%以上
一般人口で何らかの侵入思考を経験する人の割合
10年以上
恥のために受診が遅れ、適切な診断・治療までに長期間を要するケースも
性的侵入思考を打ち明けることへの恥や恐怖が、治療の最大の障壁になっています。しかし、OCD治療の経験がある専門家にとって、これは珍しくない症状であり、効果的な治療法が確立されています。
受診の目安

こんなサインがあれば専門家への相談を

以下のサインに心当たりがあれば、OCD治療の経験がある専門家に相談することをお勧めします。

⚠️受診を検討すべきサイン
  • 🔍
    望まない性的な思考やイメージが繰り返し浮かび、強い苦痛を感じる
  • 🔍
    自分の性的指向について繰り返し確認・テストしてしまう
  • 🔍
    不適切な対象(子ども、家族など)への性的思考に恐怖を感じる
  • 🔍
    侵入思考を避けるために、特定の人や場所を避けるようになった
  • 🔍
    身体反応(性的興奮の有無)を繰り返し確認してしまう
  • 🔍
    「自分は危険な人間ではないか」と繰り返し不安になる
  • 🔍
    性的侵入思考のために日常生活に支障が出ている
  • 🔍
    強い恥や罪悪感のために誰にも相談できずにいる
💡
打ち明けることが怖いと感じるのは当然です。しかし、OCD専門の治療者は性的侵入思考について十分な知識を持っており、あなたを批判することはありません。最初の一歩が最も勇気を要しますが、治療の効果は十分に証明されています。
SYMPTOMS

性的侵入思考の症状

性的侵入思考OCDの症状は「強迫観念(侵入思考)」と「強迫行為(精神的・行動的な対処)」に分かれます。

性的指向に関する強迫観念(SO-OCD)
自分の性的指向に対する執拗な疑念。「自分は本当に異性愛者か?」「本当は同性愛者ではないか?」と繰り返し自問する。すでに安定した関係にあっても疑いが消えない。同性愛の方が「実は異性愛者ではないか」と悩むケースもある。
🚫
子どもに関する不適切な思考
子どもに対する性的な思考やイメージが望まないのに浮かぶ。「自分は小児性愛者ではないか」と激しい恐怖と嫌悪感を感じる。これはOCDの症状であり、実際の性的嗜好や意図とは無関係である。
👥
不適切な対象への性的思考
家族、友人、上司、宗教的指導者など、性的対象として不適切な相手に関する性的な思考が浮かぶ。激しい嫌悪感と罪悪感を伴う。
💭
性的な場面のフラッシュイメージ
望まない性的なイメージや場面が突然頭に浮かぶ。祈りの最中、仕事中、子どもと遊んでいる時など、最もふさわしくない場面で生じやすい。
🔍
身体反応への過剰な監視
侵入思考が浮かんだ際に、性的興奮の身体的兆候がないか過剰に確認する。グローインチェッキング(性器領域の感覚の確認)を繰り返し、「反応があった=この思考は本当の欲求だ」と誤って解釈する。
⚖️
道徳的・宗教的罪悪感
性的侵入思考を持つこと自体が「罪」「不道徳」であると感じる。「こんなことを考える自分は変態だ」「罰を受けるべきだ」と強い自責の念に苛まれる。
⚠️
これらの思考は「あなた自身」ではありません性的侵入思考の内容がどれほど不快であっても、それはあなたの性格、欲求、価値観を反映するものではありません。OCDは脳の「エラー検出システム」の過活動であり、あなたが最も恐れるテーマを標的にします。思考=欲求ではありません。
CAUSES & RISK FACTORS

性的侵入思考の原因とリスク要因

性的侵入思考OCDは、脳の機能的特徴・遺伝的素因・環境要因・認知的バイアスの複合的な結果として発症します。

🧠脳の機能的特徴

OCDでは前頭前皮質-線条体-視床回路(CSTC回路)の過活動が確認されています。この回路はエラー検出と行動の抑制を担っており、過活動により「何かが間違っている」という信号が過剰に発せられます。性的侵入思考に関しては、扁桃体の脅威検出の過敏性、前帯状皮質のエラー監視機能の亢進が関与しています。また、思考抑制のパラドックス(抑えようとするほど浮かびやすくなる現象)には、前頭前皮質による抑制メカニズムの機能不全が関連しています。セロトニン系の機能異常も重要な要因であり、SSRIの有効性を支持しています。

  • CSTC回路の過活動
  • 扁桃体の脅威検出過敏性
  • 思考抑制の逆説的効果(白熊効果)
  • セロトニン系の機能異常
性的侵入思考は、あなたが「おかしい」から生じるのではありません。脳の情報処理システムの偏りが、たまたま性的なテーマに現れている状態です。これは治療可能な医学的状態です。
THE OCD CYCLE

性的侵入思考の悪循環

性的侵入思考は、思考→意味づけ→苦痛→強迫行為→一時的安堵→再発という悪循環で維持・悪化します。

1
侵入思考の出現
望まない性的な思考・イメージが突然浮かぶ。例:子どもを見て不適切な性的イメージが浮かぶ、同性の友人に対する性的な考えが浮かぶ。
2
意味づけ・解釈
その思考を「自分の本当の欲求の表れ」と解釈する。「こんなことを考えるのは自分が異常だからだ」「自分は危険な人間だ」と確信する。
3
強い苦痛の発生
恐怖、嫌悪感、罪悪感、恥、不安が一気に押し寄せる。「自分は取り返しのつかない人間だ」という絶望感。
4
強迫行為の実行
メンタルチェッキング、回避、テスト行動、情報収集、精神的中和などの強迫行為で苦痛を和らげようとする。
5
一時的な安堵
強迫行為により一時的に不安が低下する。「やっぱり自分は大丈夫だ」と感じる。しかしこの安堵は長続きしない。
6
再発と強化
強迫行為が「この思考は危険だ」という信念を強化する。次に同じ思考が浮かんだ時の苦痛がさらに増大し、サイクルが悪化する。
💡
「確認」が悪循環を駆動しますメンタルチェッキング(「今、興奮したか?」と確認すること)は最も多い強迫行為ですが、注意を身体に向けること自体が感覚を生み出します。これを「性的興奮の証拠だ」と誤解釈し、さらに不安が増すという悪循環に陥ります。身体感覚は注意を向ければ向けるほど増幅される性質があります。
この悪循環を断ち切るのがERPです。侵入思考が浮かんでも確認や中和をせず、不安と共にいる練習をすることで、脳が「この思考は実は危険ではない」と再学習します。
悪循環を断ち切る

悪循環を断ち切るために今日からできること

治療を待つ間にも、悪循環を少しでも緩和するためにできることがあります。以下のステップを参考にしてください。

Step 1
思考に「ラベル」を貼る
「また性的侵入思考が来た」と心の中でラベルを貼りましょう。「自分がこう思っている」ではなく「OCDがこう言っている」と区別することで、思考との距離ができます。これは脱フュージョンと呼ばれる技法です。
Step 2
強迫行為を「5分」遅らせる
メンタルチェッキング(「今、興奮したか?」と確認すること)をしたくなったら、まず5分待ちましょう。不安は一時的に上昇しますが、強迫行為なしでも自然に下がることを体験してください。
Step 3
身体感覚の確認をしない
「グローインチェッキング」(性器領域の感覚を確認する行為)は、注意を向けること自体が感覚を生み出します。確認をやめることで、誤った「証拠」が作られなくなります。
Step 4
回避行動を一つ減らす
侵入思考のために避けている状況(公園、特定の人、メディアなど)をひとつ選び、避けるのをやめてみましょう。回避は不安を長期的に増大させます。
Step 5
専門家への相談を決める
これらのステップは補助的なものです。性的侵入思考OCDの根本的な治療のためには、OCD専門の精神科医・心理士によるERPが不可欠です。一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。
TREATMENT & RECOVERY

性的侵入思考の治療法と回復

性的侵入思考OCDには、エビデンスに基づいた効果的な治療法があります。ERPを中心に、認知療法・薬物療法を組み合わせたアプローチが推奨されます。

ERP

曝露反応妨害法(ERP)——第一選択の治療

ERPは性的侵入思考OCDに対して最も効果が実証されている心理療法です。

曝露反応妨害法(ERP)第一選択療法

性的侵入思考OCDに対する第一選択の心理療法です。恐れている思考や状況に段階的に曝露しながら、強迫行為(メンタルチェッキング、回避、テスト行動など)を行わない練習をします。例えば、侵入思考をあえて紙に書き出す、回避していた状況(子どもの近くにいるなど)にあえて身を置く、侵入思考が浮かんでも身体反応を確認しないなどの課題を段階的に行います。不安は一時的に上昇しますが、強迫行為なしでも自然に低下すること(馴化)を体験的に学びます。約60〜70%の患者に有効とされています。

認知療法思考と欲求の区別

性的侵入思考OCDに特有の認知バイアスを修正します。最も重要なのは思考行動融合(TAF)の修正で、「思考はただの思考であり、欲求や意図とは異なる」ことを学びます。「侵入思考が浮かぶ=それを望んでいる」という等式の誤りを理解し、侵入思考は脳のノイズであって自分の本質を表すものではないという認識を育てます。身体反応(グローインレスポンス)が必ずしも性的興奮を意味しないことも学びます(注意を向けること自体が身体感覚を生む)。

薬物療法

薬物療法

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)薬物療法の柱

フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、エスシタロプラムなどのSSRIがOCDの薬物療法の第一選択です。うつ病治療よりも高用量が必要な場合が多く、効果発現まで8〜12週間を要することがあります。ERPとの併用が最も効果的とされています。副作用として消化器症状、性機能障害、不眠などがありますが、多くは一時的です。薬物療法単独よりもERPとの併用が推奨されます。

その他の治療

その他の治療アプローチ

アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)思考との新しい関係

侵入思考と「戦う」のではなく、思考をあるがままに観察し、思考と距離を取る(脱フュージョン)スキルを学びます。「不快な思考があっても、自分の価値観に沿った行動を選択できる」という体験を重視します。性的侵入思考OCDでは、「この思考は脳のノイズであり、自分の価値観や人格を定義するものではない」という姿勢を育てます。ERPが困難な場合の補完療法として有効です。

推論ベースCBT(I-CBT)推論プロセスの修正

カナダのモントリオール大学で開発された比較的新しいアプローチで、OCDの推論プロセスの誤りに焦点を当てます。性的侵入思考OCDでは「もしかしたら自分は…かもしれない」という推論の出発点自体が妥当かを検討し、感覚的な証拠(目の前の現実)と想像的な推論(OCDが作り出すストーリー)を区別するスキルを育てます。ERPに抵抗がある患者への代替療法として注目されています。

性的侵入思考OCDは適切な治療により大幅な改善が期待できます。恥ずかしさから受診を躊躇する方が多いですが、OCD専門の治療者はこの症状をよく理解しています。治療の第一歩を踏み出す勇気が、回復の始まりです。
治療を受けるには

治療機関・支援窓口へのアクセス方法

「どこに相談すればいいかわからない」という方のために、具体的なアクセス方法をまとめました。

🏥
精神科・心療内科を受診する
まずはお近くの精神科・心療内科への受診をお勧めします。OCD(強迫性障害)の治療経験がある医師を選ぶことが重要です。初診時に「侵入思考(強迫観念)について相談したい」と伝えるだけで構いません。性的な内容を詳細に話す必要はありません。
🏛️
精神保健福祉センターに相談する
各都道府県・政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターでは、無料の相談を受け付けています。OCD・強迫性障害に関する相談や、地域の適切な医療機関の紹介を受けることができます。来所相談・電話相談いずれも利用可能です。
💰
自立支援医療制度を活用する
精神通院医療に関する自立支援医療制度を利用すると、精神科・心療内科への通院医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。OCDも対象疾患です。申請は市区町村の担当窓口で行い、主治医の診断書が必要です。継続的な治療を行う上で、経済的な負担を大幅に軽減できます。
💻
オンライン診療・カウンセリングを活用する
通院が困難な方には、オンライン診療やオンラインカウンセリングという選択肢もあります。自宅から安全に相談できるため、性的侵入思考のテーマで対面での相談に抵抗がある方にも利用しやすい形式です。
👥
OCD当事者グループに参加する
OCD当事者・回復者のサポートグループでは、同じ経験を持つ人と情報を共有できます。「自分だけがこんな思考を持っているのではない」という安堵と、治療に関する具体的な情報を得られます。
💡
一人で抱え込まないで性的侵入思考OCDを持つ方の多くが、恥や恐怖から長期間誰にも相談できずにいます。しかし、治療を受ければ改善できます。まずは一歩、相談窓口に連絡してみてください。
DAILY LIFE

日常生活でできること

治療と並行して、日々の生活の中でも回復を促進するためにできることがあります。

📝
侵入思考の記録をつける
どんな思考がいつ浮かんだか、苦痛の程度(0〜10)、行った強迫行為を記録しましょう。パターンが見え、治療者との情報共有にも役立ちます。
🧘
マインドフルネスの練習
思考を「ただの脳のノイズ」として観察する練習は非常に効果的です。思考に意味や重要性を付与せず、雲が流れるように眺める姿勢を養いましょう。
強迫行為の遅延・中止
メンタルチェッキングやテスト行動をしたくなったら、まず5分待ちましょう。強迫行為なしでも不安は自然に下がることを体験してください。
🎯
「不確実性」を受け入れる練習
「100%確信が持てなくても大丈夫」という姿勢を育てましょう。OCDは常に「100%の確実性」を要求しますが、人生のどの領域にも完全な確実性はありません。
💊
処方された薬を継続する
SSRIの効果が安定するまでには時間がかかります。副作用が気になる場合も自己判断で中断せず、必ず主治医に相談してください。
🤝
信頼できる人に話す
性的侵入思考は「恥ずかしすぎて誰にも言えない」と感じやすいテーマです。しかし、信頼できる治療者やサポートグループに話すことで大きな安堵を感じる方が多いです。
📚
OCDについて正しく学ぶ
性的侵入思考がOCDの一般的な症状であることを知ることは、回復への重要な第一歩です。「自分だけがこんなことを考えている」のではありません。
🛡
トリガーを知り、対処計画を持つ
ストレス、睡眠不足、疲労は症状を悪化させます。自分のトリガーを知り、早めに対処する計画を立てておきましょう。
回復の過程で侵入思考が完全になくなるわけではありません。目標は「思考が浮かんでも苦痛を感じず、日常生活に影響しない状態」です。思考への反応を変えることが回復の核心です。
回復のマインドセット

回復に向けた心がまえ

性的侵入思考OCDからの回復は、一直線ではありません。良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ前に進むプロセスです。以下に、回復の過程で大切にしたい考え方をまとめました。

🌊
不安の波を「乗り越える」のではなく「乗る」
不安は必ず波のように上がり、そして下がります。波と戦わず、波に乗るイメージを持ちましょう。強迫行為なしで不安の波を体験し切ることが、脳の再学習を促します。
🎯
「思考のなさ」ではなく「生活の豊かさ」を目標に
「侵入思考を完全になくす」ことを目標にすると挫折しやすいです。「思考があっても、やりたいことができている」「大切な人との時間を楽しめている」という状態を目指しましょう。
📈
進歩を「症状の有無」ではなく「対応の変化」で測る
「今日も侵入思考が来た」ではなく「今日は確認を3回減らせた」「5分待てた」という対応の変化で進歩を測りましょう。小さな変化の積み重ねが回復です。
🤲
自己批判ではなく自己思いやりを
侵入思考が浮かんでも、「またやってしまった」と自分を責めないでください。OCDは意志の問題ではなく脳の機能的な特性です。自分に対して、友人に接するような思いやりをもって接しましょう(自己思いやり/セルフコンパッション)。
🔄
再発は「失敗」ではなく「学びのチャンス」
ストレスや疲労により症状が一時的に悪化することがあります。これは再発ではなく、一時的なフレアアップです。「どのような状況でフレアアップが起きたか」を記録し、治療者と対策を立てましょう。
回復の声「思考が完全に消えたわけではないけれど、もう怖くない。思考が来ても『ああ、またOCDだな』と流せるようになった。」——これが多くの回復者が語る回復の実感です。あなたにも必ず訪れます。
関連する用語
強迫性障害(OCD)侵入思考ピュアO曝露反応妨害法(ERP)認知行動療法SSRIハーム強迫思考行動融合グローインチェッキング精神的中和自立支援医療
FOR FAMILY & FRIENDS

周囲の人にできること

性的侵入思考を打ち明けてもらうことは、信頼の証です。正しい理解をもって、その勇気に応えましょう。

対応のポイント

してほしいこと・避けてほしいこと

✅ してほしいこと
性的侵入思考がOCD(脳の疾患)の症状であることを理解する
「あなたは危険な人間ではない」と伝えることは大切だが、繰り返しの保証は避ける
本人の勇気ある打ち明けを受け止め、拒絶しない
治療への通院を支持し、ERPの練習を温かく見守る
進歩を認め、小さな変化も肯定的にフィードバックする
OCD治療の知識を持つ専門家を一緒に探す
自分自身のストレスケアも大切にする
❌ 避けてほしいこと
「そんな変態的なことを考えるなんて」と非難する
「考えなければいい」「気にしすぎ」と片づける
繰り返しの確認要求に何度も応じる(「あなたは正常だよ」と毎回答える)
性的侵入思考の内容を過度に深刻に受け取る(実際の欲求や意図ではない)
本人の回避行動に合わせすぎる(子どもから遠ざけるなど)
他の人に無断で症状を話す(本人は極度の羞恥心を感じている)
💡
打ち明けてくれた勇気を受け止めて性的侵入思考を誰かに話すことは、本人にとって想像を絶する勇気を要します。打ち明けてくれたということは、あなたを深く信頼している証拠です。驚いたり引いたりする反応は避け、「話してくれてありがとう」「一緒に治療法を探そう」と伝えてください。
支える側のケア

支える側のセルフケア

性的侵入思考OCDを支える側にも独特の困難があります。内容を聞いて動揺するのは自然な反応です。

📚
OCDについて学ぶ
性的侵入思考がOCDの一般的な症状であることを理解しましょう。内容がどうであれ、これは脳の誤作動による症状です。
🛁
自分の感情もケアする
内容を聞いて不安や不快感を感じるのは自然です。あなた自身もカウンセラーに相談することで、適切な対処法を学べます。
🤝
治療者と連携する
家族セッションに参加し、適切な対応方法を学びましょう。巻き込みの減らし方を専門家と一緒に計画できます。
👥
同じ立場の人とつながる
OCD家族のサポートグループで、同じ経験を持つ人と情報を共有しましょう。一人で抱え込まないことが大切です。
あなたの理解が回復を支えます性的侵入思考OCDは、正しい治療で改善します。あなたの理解と受容は、本人が治療に取り組む大きな力になります。
FAQ

よくある質問

性的侵入思考OCDについて、多くの方が抱く疑問にお答えします。

これらの疑問はOCDを抱える多くの人が感じています。一人で抱え込まず、OCD治療の経験がある専門家に相談してみてください。

一人で抱え込まないで。
相談してみませんか。

つらい気持ちを抱えていませんか。どうかあなたの大切な悩みをココトモに聞かせていただきたいです。

今すぐ話したい方へ——相談窓口
ココトモ相談するチャット相談・無料
精神保健福祉センター各都道府県OCD専門相談・無料
いのちの電話0120-783-55624時間・無料
よりそいホットライン0120-279-33824時間・無料

このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。継続的な通院には自立支援医療制度(精神通院医療)が利用でき、医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。各都道府県の精神保健福祉センターでは無料相談を行っています。

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