メンタルヘルス用語辞典 · 夢遊病

夢遊病とは?
原因・症状・安全対策・治療法をわかりやすく解説

深い眠りの最中に無意識のまま歩いたり行動したりする睡眠障害(パラソムニア)の一種——夢遊病(睡眠時遊行症)。定義・睡眠のしくみ・年齢別有病率・原因・診断と治療・日常の対策・家族のサポートまで、必要な情報をすべてここにまとめました。

ABOUT SLEEPWALKING

夢遊病(睡眠時遊行症)とは

夢遊病(正式名:睡眠時遊行症)は、深い眠りの最中に無意識のまま歩いたり行動したりする睡眠障害(パラソムニア)の一種です。「怖い病気」ではありませんが、安全管理と正しい理解が大切です。

定義

夢遊病の定義——眠りながら歩く「パラソムニア」

夢遊病(睡眠時遊行症、英: Sleepwalking / Somnambulism)は、睡眠中、特に深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の最中に突然起き上がり、意識のない状態で歩き回ったり様々な行動をとったりする睡眠障害です。国際睡眠障害分類(ICSD-3)では「ノンレムパラソムニア」に分類されています。

「パラソムニア(Parasomnia)」とは、睡眠中や入眠・覚醒の移行期に起こる異常な行動・動作・感情・知覚の総称です。夢遊病、夜驚(睡眠時驚愕症)、錯乱性覚醒などが同じノンレムパラソムニアの仲間です。いずれも深い睡眠からの不完全な覚醒によって引き起こされます。

夢遊病(典型)
ノンレム睡眠中の不完全な覚醒
深い眠り(ステージ3)中に起き上がり歩行・行動。目は開いているが意識はない。翌朝の記憶は全くない。子どもでは10〜30%が経験する比較的よくある現象。
REM睡眠行動障害(RBD)
レム睡眠中に行動する別の疾患
夢の内容を実際に行動に移す(叫ぶ、暴れるなど)。60歳以上の男性に多く、パーキンソン病などの前駆症状であることがある。夢遊病とは全く異なる疾患のため注意が必要。
夢遊病は「精神疾患」ではありません夢遊病は睡眠の神経学的なメカニズムの問題であり、精神疾患や「心の弱さ」とは無関係です。子どもでは非常に一般的な現象で、多くが成長とともに自然に消えていきます。過度に心配する必要はありませんが、安全対策と適切な知識は必要です。
睡眠のしくみ

夢遊病が起こる睡眠のしくみ

夢遊病を理解するには、睡眠のサイクルを知ることが重要です。私たちの睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の繰り返しで構成されており、一夜に4〜6回のサイクル(約90分ずつ)があります。

😴睡眠ステージと夢遊病の関係
ステージ1(入眠期)
ノンレム・1〜7分
ステージ2(浅い睡眠)
ノンレム・10〜25分
ステージ3(深い睡眠・徐波睡眠)夢遊病が起こる
深いノンレム・20〜40分
レム睡眠(REM)
レム睡眠・10〜60分

夢遊病は、特に就寝後の最初の1〜3時間に多い深いノンレム睡眠(ステージ3:徐波睡眠)から完全に覚醒できない「不完全覚醒(partial arousal)」の状態で起こります。脳の一部(運動・行動に関わる領域)は目覚めているが、別の部分(意識・認知に関わる前頭前野など)はまだ眠っている——この「脳の分割した覚醒状態」が夢遊病の本質です。

深い睡眠が多い就寝後の前半(最初の3時間)に夢遊が集中するのが典型です。朝方のレム睡眠優位の時間帯には夢遊は起きにくいのが特徴です。
年齢別有病率

年齢別の有病率——子どもに多く、大半は自然に消える

夢遊病は子どもに多く見られる現象で、成長とともに自然に消えることがほとんどです。ただし成人でも一定の割合で見られます。

幼児期(2〜5歳)
10〜30%
この年齢では最も頻度が高い。深い睡眠が長く、脳の成熟が未完のため発生しやすい。多くは成長とともに自然に解消する。
学童期(6〜12歳)
5〜15%
学校生活のストレスや睡眠不足が誘因となることがある。思春期に向けて徐々に頻度が減少する傾向がある。
青年期(13〜18歳)
3〜5%
ホルモン変化や社会的ストレスが関係する場合がある。大半は成人前に自然消失するが、継続するケースも。
成人期
1〜4%
成人の場合は背景にある睡眠障害、ストレス、薬物影響が関与することが多い。初発の場合は詳細な評価が重要。
高齢期
1〜2%
認知症の初期症状として夢遊病様の行動が現れることがあるため、新規発症の場合は特に注意が必要。
「多くは自然に解消する」という安心感を子どもの夢遊病は非常によくある現象です。10人のクラスに2〜3人は経験する程度の頻度です。大半は12〜15歳頃までに自然に消えます。お子さんの夢遊病で悩んでいる親御さんも、焦らず安全対策を行いながら見守ることが大切です。
受診の目安

こんな時は受診を検討してください

夢遊病のすべてのケースで受診が必要なわけではありませんが、以下に当てはまる場合は睡眠専門医や小児科・精神科への相談をおすすめします。

  • ⚠️夢遊行動が頻繁(週1回以上)で生活に支障をきたしている
  • ⚠️夢遊中に自傷・他傷の危険な行動が見られる
  • 🔍外出や階段からの転落など、重大な事故リスクがある
  • 🔍成人になってから初めて夢遊病が始まった
  • 🔍安全対策を講じているにも関わらず夢遊が続く
  • 🔍いびき・無呼吸など睡眠時無呼吸症候群の疑いがある
  • 🔍夢遊後に記憶が残っている(異なる睡眠障害の可能性)
  • 🔍本人や家族に強い不安・恐怖感が生じている
💡
最初の1〜2項目に当てはまる場合は早急に受診してください。安全の確保が最優先です。睡眠外来・睡眠専門外来がある病院への受診が最も適切ですが、まずはかかりつけ医に相談することも有効です。
SYMPTOMS & FEATURES

夢遊病の症状・行動パターン

夢遊病の症状は単純な歩行から複雑な行動まで多岐にわたります。共通するのは「無意識に行動し、翌朝には記憶がない」という点です。

行動の種類

夢遊病中の行動——どんなことが起きるのか

夢遊病エピソードは、通常就寝後60〜120分後に始まり、数分から30分程度続きます。以下のような行動が見られます。起きている間は目が開いていることが多く、歩いたり会話したりしますが、覚醒時の意識はありません。

🚶
歩行(最も一般的)
ベッドから起き上がり、部屋の中を歩き回ります。単純な歩行から、廊下や他の部屋への移動まで様々です。目は開いていることが多いですが、焦点が合っておらず「ガラス玉のような目」と表現されることがあります。
🗣
寝言・発話
意味不明な言葉や断片的な会話をすることがあります。質問に単純な言葉で答えることもありますが、内容は支離滅裂であることが多いです。翌朝には何も覚えていないのが特徴です。
🍽
睡眠関連摂食障害
夢遊病の一種として、眠ったまま冷蔵庫を開けて食事をすることがあります(睡眠関連摂食障害)。本人は全く気づかず、翌朝食べた記憶がないことで発覚します。調理を試みて火の不始末につながる危険もあります。
🚗
危険な行動(稀)
稀に、車の運転や外出、階段からの転落など危険な行動に及ぶことがあります。これは「sleep driving」とも呼ばれ、重大な事故につながる可能性があるため、適切な安全対策と治療が必要です。
💻
複雑な行動
着替え、家具の移動、メール送信(実際に記録が残る)など、複雑な目的行動を示すことがあります。「睡眠時複合行動」とも呼ばれ、本人には全く記憶がありません。
😰
夜驚と混合
夢遊病に夜驚(sleep terror)が加わり、突然叫び声や激しい恐怖反応を示しながら歩き回ることがあります。子どもで多く見られ、多くは思春期に自然に消失します。
典型的な夢遊エピソードの経過
就寝後60〜120分深い睡眠(ステージ3)中に突然起き上がる
数分〜30分継続無意識のまま歩行・行動(ガラス玉のような目)
自然に終了ベッドに戻るか、別の場所で眠り込む
翌朝夢遊行動の記憶が全くない(健忘)
⚠️
危険な行動が見られる場合は早急な対策を調理・運転・外出などの危険な行動が夢遊中に見られる場合は、迷わず専門医を受診してください。これらは日常的な安全リスクを伴う重症例であり、薬物療法などの積極的な治療が必要です。
よくある誤解

夢遊病についての誤解を正す

夢遊病には多くの誤解がつきまといます。正しい知識を持つことで、本人・家族の不必要な不安を取り除き、適切な対応ができるようになります。

⚠️
誤解夢遊中の人を起こすと危険
誤解夢遊病は精神疾患の一種
誤解夢遊中は夢を見ている
誤解夢遊病は子どもにしかならない
誤解夢遊病は記憶に残る
誤解夢遊病は治らない
CAUSES & RISK FACTORS

夢遊病の原因とリスク要因

夢遊病は単一の原因ではなく、遺伝・睡眠環境・ストレス・薬物など複数の要因が絡み合って発症します。「自分のせい」ではありません。

夢遊病の根本的なメカニズムは「深いノンレム睡眠からの不完全な覚醒(アルーザル)」です。脳の覚醒系と睡眠系が同時に活性化されたような状態で、運動機能は目覚めているが意識・認知機能はまだ眠っている状態です。この不完全な覚醒が生じやすいかどうかには、以下のような要因が関与しています。

🧬遺伝的要因

夢遊病には強い遺伝的背景があります。親が夢遊病の場合、子どもが夢遊病になるリスクは約45%、両親ともに夢遊病の場合は60%以上に上ります。双子研究でも一卵性双生児の一致率が高く、特定の遺伝子(HLA-DQB1*0501など)との関連が報告されています。体質的に深い睡眠(徐波睡眠)から覚醒しやすい傾向が遺伝することが多いと考えられています。

  • 家族歴(親に夢遊病がある場合リスク45%超)
  • 両親ともに夢遊病の場合は60%以上
  • HLA-DQB1*0501遺伝子との関連
  • 深い睡眠からの覚醒閾値の遺伝
  • 体質的な睡眠構造の差異
誘発因子

特定の状況が夢遊病を誘発する

遺伝的な素因を持つ人でも、以下のような特定の状況・状態が重なることで夢遊病が起きやすくなります。誘発因子を知り、できるだけ避けることが夢遊の頻度を下げる重要な対策です。

😴睡眠不足・過度の疲労

最も強力な誘発因子。睡眠不足が続くと「睡眠圧」が高まり、深い睡眠が増えて夢遊が起きやすくなります。

🍺アルコール・薬物

アルコールは深い睡眠を増やし分断します。一部の薬物も睡眠構造を変化させます。

🤒発熱・疾患

体温上昇や疾患による睡眠の質の変化が夢遊を誘発します。子どもでは風邪の時に起きやすい。

😰強いストレス・不安

心理的緊張が睡眠の構造を乱し、深い睡眠からの覚醒を促進します。

時差ぼけ・シフト勤務

概日リズムの乱れが深い睡眠の分布を変化させ、夢遊が起きやすくなります。

🔊騒音・外部刺激

睡眠中の騒音や光などの刺激が不完全な覚醒を促進します。

誘発因子を複数持っている場合、その組み合わせで夢遊のリスクが大幅に上昇します。たとえば「睡眠不足+アルコール+強いストレス」が重なるとエピソードが頻発することがあります。
DIAGNOSIS & TREATMENT

夢遊病の診断と治療

夢遊病の診断は主に病歴と睡眠日誌に基づきます。必要に応じてポリソムノグラフィー(PSG)を実施します。治療は重症度に応じて段階的に行います。

診断方法

夢遊病の診断——どのように診断されるか

夢遊病の診断は、国際睡眠障害分類(ICSD-3)の基準に基づいて行われます。診断においては、本人だけでなく同居家族・パートナーからの情報が非常に重要です。

診断の流れと評価項目
1
詳細な病歴聴取
  • 夢遊行動の頻度・継続時間・時刻
  • 行動の内容(歩行・発話・複雑行動)
  • 家族歴(親・兄弟の夢遊病)
  • 服用薬・アルコール摂取状況
  • ストレス・精神状態
  • 他の睡眠問題(いびき・無呼吸等)
2
睡眠日誌の評価
  • 2週間程度の睡眠時刻・覚醒時刻
  • 夢遊発生の日時・内容の記録
  • 日中の眠気・パフォーマンス
  • カフェイン・アルコール摂取記録
3
ポリソムノグラフィー(PSG)
  • 睡眠ポリグラフ検査(一泊入院検査)
  • 脳波・筋電図・眼球運動・呼吸を同時計測
  • 夢遊エピソードを直接記録・分析
  • 睡眠時無呼吸症候群の除外診断
  • REM睡眠行動障害との鑑別に不可欠
PSGは全ての夢遊病患者に必要なわけではありません。病歴が明確で、安全対策も十分な軽症例では、詳細な問診と睡眠日誌だけで診断・管理できることも多いです。主治医の判断に従いましょう。
治療の選択肢

夢遊病の治療法——重症度に応じた段階的アプローチ

夢遊病の治療は、症状の重症度と本人・家族への影響に応じて段階的に行います。まず安全対策と生活習慣の改善を行い、それでも不十分な場合に行動療法や薬物療法を検討します。

睡眠衛生の改善と安全対策第一選択

軽症の夢遊病では、まず睡眠衛生(睡眠習慣の改善)と安全対策が第一選択となります。規則正しい睡眠スケジュールを守り、睡眠不足を解消することが重要です。就寝前のアルコールやカフェインを避け、リラクゼーションルーティンを確立します。また、夢遊中の安全を確保するための住環境の整備が不可欠です。多くの場合、これらの対策だけで症状が大幅に改善します。

予期的覚醒法(Scheduled Awakening)子どもに有効

夢遊病が発生する時刻が予測できる場合(就寝後60〜90分が最多)に有効な行動療法です。通常の夢遊発生時刻の15〜30分前に介護者が本人を軽く覚醒させ、5分程度覚醒させた後再び眠らせます。これにより深い睡眠のサイクルが崩れ、夢遊が起きにくくなります。子どもの夢遊病に特に有効で、数週間で効果が現れることが多いです。

認知行動療法(CBT)ストレス関連に有効

背景にあるストレスや不安が夢遊病を悪化させている場合に有効です。リラクゼーション法(漸進的筋弛緩法、腹式呼吸など)の習得、認知再構成によるストレス対処スキルの向上、睡眠に対する不安の軽減などを目指します。催眠療法(hypnotherapy)も夢遊病に対して有効性が報告されています。

薬物療法重症例に検討

重症例や安全対策だけでは対処困難な場合に検討します。クロナゼパム(ベンゾジアゼピン系)が最も多く使用され、深い睡眠(徐波睡眠)の割合を減少させることで夢遊を抑制します。低用量での効果が期待できます。また、三環系抗うつ薬のイミプラミンや、SSRIも使用されることがあります。薬物療法は依存性や副作用のリスクがあるため、非薬物療法と組み合わせて使用するのが一般的です。

基礎疾患の治療基礎疾患から治療

睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害など、夢遊病を誘発・悪化させている基礎疾患がある場合は、その治療が最優先となります。睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法により夢遊病が劇的に改善するケースも多く報告されています。精神疾患(不安障害、PTSDなど)の治療も夢遊病の改善に寄与します。

安全対策

夢遊中の安全を守るための住環境整備

夢遊病の管理において最も重要なのは「夢遊中の安全確保」です。以下の対策を就寝前に必ず実施してください。特に転落・外出・火の不始末のリスクは確実に排除する必要があります。

🔒
ドア・窓に鍵をかける
夜間に外出してしまう危険を防ぐため、就寝前に玄関・窓にしっかり鍵をかけましょう。チャイルドロック機能のある補助錠の設置も効果的です。2重ロックを検討することで、開錠に時間がかかり目が覚める効果もあります。ドアアラームの設置も有効です。
🛏
一階で寝る・階段に柵を設置
夢遊中の転落事故を防ぐため、可能であれば一階で就寝しましょう。二階以上に寝室がある場合は、階段の上に安全柵(ベビーゲート)を設置することを強くお勧めします。階段の滑り止めマットも重要です。
🪟
ガラスや危険物を片付ける
就寝前に、室内の尖った物、ガラス製品、刃物類を安全な場所に収納しましょう。テーブルの角にはコーナーガードをつけ、床に散らかったものを片付けて障害物をなくしましょう。コードや紐類も整理します。
📱
見守りシステムの活用
センサーカメラやスマートベッドマット(モーションセンサー内蔵)を活用することで、夢遊の開始を早期に検知し家族に通知することができます。専用のスマートフォンアプリと連携させれば、記録も残せます。
🚪
寝室ドアに通知装置を設置
ドアが開いた際に音を鳴らすシンプルなアラームを設置することで、本人が目覚めるか、家族が気づくことができます。防犯用の窓・ドアセンサーが安価で入手しやすく、簡単に設置できます。
👟
床に敷物・クッションを敷く
万が一転倒した場合のケガを最小限にするため、ベッド周辺や頻繁に歩く通路にクッション性の高いマットや絨毯を敷きましょう。特にベッドから降りた直後の床への衝撃を和らげることが重要です。
⚠️
一人での就寝が心配な場合夢遊病が重症で一人では安全が確保できないと感じる場合は、短期間だけでも家族と同室で就寝することを検討してください。センサーアラームの使用や、かかりつけ医・睡眠専門医への相談も積極的に行ってください。
DAILY LIFE

日常生活でできること

夢遊病の頻度と重症度を減らすために、日常生活で取り組める対策があります。睡眠の質の向上と誘発因子の回避が最も重要です。

🕙
規則正しい睡眠スケジュールを守る
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが最も重要な対策です。週末も同じリズムを維持しましょう。睡眠不足は夢遊病の最大の誘発因子のひとつです。目標睡眠時間(成人7〜9時間、子ども9〜12時間)を確保することを最優先にしてください。睡眠日誌をつけて自分の睡眠パターンを把握することも助けになります。
🍺
就寝前のアルコールを避ける
アルコールは深い睡眠を分断させる強力な誘発因子です。たとえ「眠れるから」と感じても、就寝3〜4時間以内の飲酒は厳禁です。アルコール摂取量を全体的に減らすことも重要です。アルコール依存の傾向がある場合は、専門家への相談も検討してください。
😌
就寝前のリラクゼーションルーティンを確立する
就寝1時間前から、リラクゼーション活動(温かいお風呂、軽いストレッチ、読書、瞑想など)を取り入れましょう。スマートフォンやパソコンのブルーライトは脳を興奮させるため、就寝30分〜1時間前には画面から離れることが理想的です。腹式呼吸や漸進的筋弛緩法を習慣化することで、深い睡眠への移行がスムーズになります。
🌡
寝室環境を整える
寝室を快適な温度(18〜22℃が目安)、暗さ、静けさに保ちましょう。遮光カーテン、耳栓、ホワイトノイズマシンなどを活用して外部からの刺激を減らします。マットレスや枕も、体に合ったものを選ぶことで睡眠の質が向上します。枕元に水を置く習慣も、深夜に目が覚めた際の再入眠を助けます。
📊
睡眠日誌・アプリを活用する
夢遊の発生日時、前日の行動(飲酒、ストレスレベル、睡眠時間など)を記録することで、誘発パターンが見えてきます。スマートウォッチや睡眠トラッキングアプリ(Sleep Cycle、Sleepwatch等)を活用すると客観的なデータが得られます。このデータは医師への受診時にも非常に役立ちます。
🧘
日中のストレス管理
夢遊病の頻度に心理的ストレスが影響している場合、日中のストレス管理が重要です。運動(特に有酸素運動)はストレス解消と睡眠の質向上の両方に効果的です。ただし就寝3時間前以降の激しい運動は避けましょう。瞑想・マインドフルネスの実践、趣味や対人交流による気分転換も有効です。
💊
服用中の薬を確認する
服用している薬が夢遊病に関連している可能性があれば、自己判断で中断せず、主治医や薬剤師に相談しましょう。特に睡眠薬(Zドラッグと呼ばれる非ベンゾジアゼピン系睡眠薬:ゾルピデム、エスゾピクロン等)は夢遊病の誘発が報告されており、医師に伝えることが重要です。
🏥
定期的な医療フォローアップ
重症例や安全への懸念がある場合は、睡眠専門医への定期的なフォローアップが大切です。PSG(ポリソムノグラフィー:睡眠ポリグラフ検査)で睡眠構造を客観的に評価してもらうことで、治療方針が明確になります。治療の効果を記録し、次回受診時に報告しましょう。
子どもの夢遊病——親御さんへのアドバイス
😌夢遊中に無理に起こそうとしないでください。穏やかに手を引いてベッドに誘導するのが最善です。
📖学校の先生や保育士に状況を伝えておくと、遠足・宿泊学習時の対応がスムーズになります。
📝日時・行動内容を記録しておきましょう。受診時の重要な情報となります。
💬子ども本人に「眠りながら歩くことがあるよ。怖くないよ」と平静に伝えることで、不必要な不安を取り除けます。
🔒宿泊学習・修学旅行前には担任に相談し、ベッドの位置・部屋の安全に配慮してもらいましょう。
焦らず、無理せず、長く続けられることから夢遊病対策は一夜にして結果が出るものではありません。睡眠習慣の改善には数週間〜数ヶ月かかります。焦らず、できることから始め、継続することが最も大切です。
関連する用語
睡眠障害パラソムニア睡眠時無呼吸症候群REM睡眠行動障害睡眠負債夜驚症睡眠衛生
FOR FAMILY & FRIENDS

周囲の人にできること

夢遊病の人と暮らす家族・パートナーは、正しい知識と適切な対応を身につけることで、本人を安全に守りながらサポートできます。

対応のポイント

夢遊エピソード発生時の対応——すべき・避けるべきこと

夢遊病のエピソードが発生した際に、周囲の人が取るべき対応と避けるべき行動を把握しておきましょう。正しい対応が本人の安全を守り、不必要なトラブルを防ぎます。

✅ すべきこと
穏やかな声でゆっくり名前を呼ぶ
安全な場所(ベッド)へ誘導する
危険なものから遠ざける(ガラス・刃物)
必要なら軽く触れて方向を変える
エピソードの内容・時刻を記録する
翌朝、穏やかに状況を伝える(強制はしない)
本人が不安がっていたら「大丈夫」と安心させる
❌ 避けるべきこと
大声で怒鳴ったり揺さぶって起こす(パニックになる)
無理やり止めようとして組み合う(暴力的になることがある)
翌朝に責めたり馬鹿にする(自尊心を傷つける)
「また夢遊病が出た」と強調して本人を不安にさせる
記録もせずに放置し続ける
家族だけで抱え込んで医療相談を先延ばしにする
家族の「平常心」が本人を守る夢遊中の本人は意識がなく、周囲の反応を覚えていません。しかし翌朝に「夢遊病が出た」と聞いた時の本人の心理的ショックは大きいです。家族が落ち着いて「安全に誘導できた」と伝えることが、本人の安心感につながります。
支える側のケア

支える側の心身のケア——消耗しないために

夢遊病の人と同居する家族は、毎晩気が張っていて睡眠が分断されることも多く、慢性的な睡眠不足に陥りやすいです。支える側が疲弊しては長続きしません。

😴
自分の睡眠も守る
毎晩夢遊を監視することで支える側が睡眠不足になることがあります。安全対策(ドアアラーム、センサーマット等)を設置することで、監視の負担を減らしましょう。週に1〜2回は別室で眠るなど、休息の日を作ることも重要です。
🗣
医療機関と情報を共有する
記録した夢遊行動の日時・内容・状況を主治医に詳しく伝えましょう。家族からの情報は診断と治療方針の決定に極めて重要です。受診に同行できる場合は、できるだけ一緒に受診することをおすすめします。
📚
夢遊病について正しく学ぶ
「なぜこうなるのか」を理解することで、イライラや恐怖が大幅に軽減されます。夢遊病は意図的な行動ではなく、脳の睡眠メカニズムの問題です。知識があることで、冷静な対応ができるようになります。
💬
専門家・当事者グループに相談する
夢遊病の家族会や睡眠障害のサポートグループへの参加も有益です。同じ状況を経験している人の話を聞くことで、孤立感が和らぎます。かかりつけ医への相談も遠慮なく行いましょう。

一人で抱え込まないで。
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つらい気持ちを抱えていませんか。どうかあなたの大切な悩みをココトモに聞かせていただきたいです。

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このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。通院医療費の自己負担を1割に軽減できる自立支援医療制度も活用できます。

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