メンタルヘルス用語辞典 · 緊張型頭痛

緊張型頭痛とは?
症状・原因・治療法をわかりやすく解説

緊張型頭痛は、頭を締め付けられる・圧迫される感覚の頭痛で、成人の約70〜80%が経験する最も一般的な頭痛です。筋緊張・ストレス・不良姿勢が主な原因で、慢性化すると生活の質が著しく低下します。片頭痛との違い・原因・治療(薬物療法・非薬物療法)・薬物乱用頭痛の予防・日常生活での対策まで、詳しく解説します。

ABOUT TENSION HEADACHE

緊張型頭痛とは

緊張型頭痛(Tension-Type Headache)は、頭を締め付けられるような圧迫感・頭重感を特徴とする最も一般的な頭痛です。筋緊張・ストレス・不良姿勢などが主な原因で、成人の約70〜80%が経験すると言われています。適切な対処と予防で症状を管理できます。

定義

緊張型頭痛の定義——最も多い「締め付け型」頭痛

緊張型頭痛(Tension-Type Headache)は、頭部・頸部・肩周囲の筋肉の緊張を主な原因とする頭痛で、頭全体が締め付けられる・圧迫される感覚が特徴です。国際頭痛分類第3版(ICHD-3)による機能性頭痛の一種で、頭痛の中で最も有病率が高いとされています(成人の70〜80%が生涯に一度は経験)。

片頭痛のような「ズキズキした拍動性」の激しい痛みとは異なり、「じわじわとした締め付け」「頭が重い」「帽子をかぶって締め付けられている感じ」が特徴です。片頭痛より痛みの強さは軽度〜中等度ですが、慢性化すると(月15日以上)生活の質が著しく低下します。

他の頭痛との比較

緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛の違い

頭痛のタイプを正しく把握することが、適切な治療への第一歩です。代表的な3つの頭痛を比較します。

緊張型頭痛
締め付け・圧迫感
部位:頭全体・両側性
吐き気:なし(稀にあり)
動作の影響:日常動作で悪化しない
持続時間:30分〜7日
ズキズキしない両側性動いても悪化しない
片頭痛
ズキズキ・ドキドキ
部位:片側が多い
吐き気:よくある
動作の影響:動くと悪化
持続時間:4〜72時間
拍動性片側性動くと悪化吐き気
群発頭痛
目の奥が焦げる激痛
部位:片側の目周辺
吐き気:なし
動作の影響:じっとできない
持続時間:15分〜3時間
突然激痛目が赤くなる涙・鼻水
⚠️
頭痛のタイプ判断は医師へ頭痛のタイプは重なり合うことがあり、「緊張型か片頭痛か」の判断は専門医による評価が必要です。また、急激に始まる「雷鳴頭痛」(今まで経験したことがない最大の頭痛)は脳血管疾患の可能性があり、直ちに救急受診が必要です。
タイプ分類

緊張型頭痛の3つのタイプ分類

緊張型頭痛は頭痛の頻度によって、3つのタイプに分類されます。タイプによって治療方針も異なります。

月1日未満
低頻度反復性緊張型頭痛
最も多いタイプ。頭痛が月1日未満で発生。日常生活への支障は少ない。
月1〜14日
高頻度反復性緊張型頭痛
月1日以上14日未満の頭痛。治療と予防が重要になってくる。
月15日以上
慢性緊張型頭痛
月15日以上の頭痛が3ヶ月以上続く最も深刻なタイプ。QOLへの影響が大きく、専門医受診が必要。
有病率

緊張型頭痛の頻度——「最も一般的な頭痛」

70〜80%
成人が生涯に一度は経験する有病率。日本では約4,000万人以上が悩む
2〜3%
慢性緊張型頭痛(月15日以上)の有病率。週3〜4回以上の頭痛が続く状態
30〜40
最も有病率が高い年齢層。デスクワークが増える世代に多い傾向
女性に多い
緊張型頭痛は女性に多く、男女比は約1.2〜1.6:1。ホルモン変動・ストレスの複合が関与とされる
4,000万人
日本国内の緊張型頭痛経験者の推定数。「国民病」とも呼ばれる頻度の高さ
DIAGNOSIS

緊張型頭痛の診断基準と検査

緊張型頭痛の診断は、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)に基づいて行われます。専門医は問診・身体所見・画像検査を組み合わせて診断し、危険な二次性頭痛(脳腫瘍・くも膜下出血など)を除外します。

ICHD-3診断基準

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)による診断基準

緊張型頭痛の診断は、国際頭痛学会が策定した「国際頭痛分類第3版(ICHD-3)」に準拠して行われます。頻発反復性緊張型頭痛(月1〜14日)の診断基準は以下の通りです。

ICHD-3 頻発反復性緊張型頭痛の診断基準
A
3ヶ月以上、月1〜14日(年12〜179日)の頻度で10回以上の頭痛発作
B
頭痛の持続時間が30分〜7日
C
以下の特徴を少なくとも2つ満たす:①両側性 ②締め付け・圧迫感(非拍動性) ③軽度〜中等度 ④日常動作(歩行など)で悪化しない
D
以下をいずれも満たす:悪心・嘔吐がない、光過敏と音過敏は同時にはない(一方のみ)
E
他の頭痛疾患でよく説明されない

慢性緊張型頭痛(Chronic Tension-Type Headache)は、月15日以上・年180日以上の頭痛が3ヶ月超続く状態です。診断確定のため問診(頭痛日記)・神経学的診察・頭部MRIが行われます。MRI検査は緊張型頭痛で異常を示すことはほとんどありませんが、脳腫瘍・くも膜下出血・硬膜下血腫などの二次性頭痛を除外するために重要です。

受診のタイミング

いつ、どの科に受診すべきか

緊張型頭痛は「よくある頭痛」だからと我慢しがちですが、以下の状況では専門医への受診が推奨されます。

📅
頻度が増えてきた
以前より頭痛が起きる日が増えた、または月8日以上になってきた場合は予防治療の検討が必要です。
💊
鎮痛薬の使用が増えた
週2〜3日以上の市販鎮痛薬使用が続いている場合、薬物乱用頭痛(MOH)のリスクがあります。
😰
日常生活への影響が大きい
頭痛のせいで仕事・学業・家事が満足にできない、休む必要が生じている場合は専門的治療が必要です。
🌀
いつもと違う頭痛
突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)・発熱・視力変化・手足のしびれを伴う場合は直ちに救急受診が必要です。
受診する診療科の目安頭痛外来(神経内科・脳神経外科・脳神経内科)が第一選択です。かかりつけ医・内科でも相談できます。うつ・不安など精神的な症状が強い場合は、心療内科や精神科への相談も有効です。精神保健福祉センターでは、こころの健康に関する相談・医療機関情報の提供を行っています。
危険なサイン

緊急受診が必要な「危険な頭痛」のサイン

🚨
以下の症状があれば直ちに救急受診緊張型頭痛とは別に、以下のような「危険なサイン」を伴う頭痛は脳血管疾患などの重篤な状態の可能性があります。ためらわず救急受診してください。
  • !今まで経験したことがない最大の頭痛(雷鳴頭痛)——くも膜下出血の可能性
  • !発熱・項部硬直(首の硬さ)を伴う頭痛——髄膜炎の可能性
  • !手足のしびれ・麻痺・言語障害・視力低下を伴う頭痛——脳卒中の可能性
  • !50歳以降に初めて現れた強い頭痛——側頭動脈炎など二次性頭痛
  • !意識障害・けいれんを伴う頭痛——直ちに119番
  • !頭部外傷後の頭痛——硬膜下血腫の可能性
SYMPTOMS

緊張型頭痛の症状

緊張型頭痛は「締め付け」「圧迫」「頭重感」が中心で、拍動性(ズキズキ)の痛みは通常ありません。症状の特徴を正しく把握することが、片頭痛などとの鑑別に役立ちます。

主な症状

緊張型頭痛の5つの主な症状

🤲
両側性の締め付け感・圧迫感
頭の両側(こめかみから後頭部にかけて)をタオルや帽子できつく締め付けられているような、あるいはヘルメットをかぶっているような圧迫感が典型的な症状です。片側性のズキズキした拍動性頭痛(片頭痛)とは異なり、「ドキドキ」ではなく「ギュッ」という持続的な締め付けが特徴です。
🐘
頭重感・鉛が乗っているような重さ
「頭が重い」「頭に鉛が乗っているよう」「頭がぼーっとする」という表現が多く聞かれます。痛みというより重苦しさ・鈍さが前景に出ることもあります。集中力の低下や思考の鈍さを伴うことがあります。
💆
後頭部・首の張り・こり
頭だけでなく、後頭部から首・肩・背中にかけてのこわばり・張りを伴うことが多いです。後頭部の圧迫感が首・肩のこりと一体化して感じられることがあります。肩・首を揉むと一時的に緩和することがあります。
👀
目の疲れ・重い感じ
目の奥が重い、目の周りが圧迫される感じを訴える方も多いです。長時間のパソコン・スマートフォン作業後に増悪することが多く、眼精疲労と重なることがあります。
📵
光・音への過敏性(軽度)
緊張型頭痛でも、光や音への軽度の過敏性が現れることがあります。ただし片頭痛ほど著明ではなく、日常光や日常音が耐えられないほど辛いという状態にはなりにくいです。
発症パターン

緊張型頭痛の典型的な発症パターン

緊張型頭痛は、生活の中で特定のパターンで発症することが多いです。以下のような場面・時間帯で起きやすい傾向があります。

🌅
午後から夕方に悪化
デスクワークが続く午後から夕方にかけて頭痛が始まり・強くなることが多い。一日の終わりに最もひどい傾向。
📅
仕事の多い日・ストレスの多い時期
仕事が忙しい・締め切り直前・人間関係のトラブルが続くときに頻度が増える。
😴
睡眠不足・週末(反跳性)
睡眠不足が続いた翌日、または逆に「週末に寝すぎた」とき(週末頭痛)に発症することもある。
🌡
温めると緩和(片頭痛とは逆)
首・肩を温める・入浴することで緩和されることが多い。片頭痛では冷やす方が効果的なことが多い点で異なる。
CAUSES

緊張型頭痛の原因とメカニズム

緊張型頭痛の原因は筋緊張・ストレス・姿勢・中枢性感作の複合です。特に慢性化した緊張型頭痛では心理的要因と脳の過敏化が重要な役割を果たしています。

原因の詳細

緊張型頭痛の4つの主なメカニズム

💪頭部・頸部・肩の筋緊張

緊張型頭痛の最も重要な原因は、頭部・頸部・肩周囲の筋肉の持続的な過緊張です。長時間同じ姿勢(デスクワーク・スマートフォン・読書)、前傾姿勢、前屈み姿勢、顎関節への負荷などが筋緊張を引き起こします。筋緊張が持続すると、筋肉内の血管が収縮して血流が低下し、乳酸などの痛み物質が蓄積します。また筋肉中の痛み受容体(侵害受容器)が感作され、触れるだけで痛みを感じやすい「筋圧痛点(トリガーポイント)」が形成されます。特に後頭下筋群・僧帽筋・胸鎖乳突筋・側頭筋のトリガーポイントが頭痛の発生に深く関与しています。

  • 後頭下筋群のトリガーポイント
  • 僧帽筋・肩甲挙筋の慢性緊張
  • 側頭筋・咬筋の緊張(食いしばりなど)
  • 長時間の前傾姿勢・猫背
トリガー管理

緊張型頭痛のよくあるトリガーと対策

日常のどのような状況で頭痛が起きやすいかを把握し、対策を立てることが慢性化予防の鍵です。

🖥
長時間のPC・スマートフォン
20-20-20ルール(20分ごとに20秒、20フィート先を見る)を実践。画面の高さと距離を適切に調整。
😴
睡眠不足・不規則
毎日同じ時間に就寝・起床。7〜8時間の睡眠を確保。就寝前のスマートフォン使用を避ける。
💧
脱水・食事抜き
1日1.5〜2Lの水分補給。食事を抜かない。朝食はエネルギー補給と頭痛予防に重要。
😰
ストレス・精神的緊張
深呼吸・瞑想・休憩を積極的に取る。「完璧にやらなくていい」と自分に許可を出す。
🦷
食いしばり・歯ぎしり
昼間の食いしばりに気づいたら「上下の歯を離す」意識をする。夜間の歯ぎしりはマウスピース(歯科)が有効。
カフェイン過剰・急な中断
カフェインの急な中断(週末など)が反跳性頭痛を引き起こすことがある。コーヒーは1日2杯以下を目安に一定量を保つ。
TREATMENT

緊張型頭痛の治療

緊張型頭痛の治療は「急性期治療(頭痛発作時)」と「予防治療(慢性化防止)」の2段階あります。薬物療法と非薬物療法の組み合わせが最も効果的です。

急性期治療

頭痛が起きているときの対処(急性期治療)

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
イブプロフェン、ロキソプロフェンなどが第一選択。鎮痛・抗炎症作用によって頭痛を緩和します。「月10〜15回以上の使用は避ける」ことが薬物乱用頭痛の予防に重要。空腹時の服用は避け、食後に飲みましょう。
アセトアミノフェン(カロナール等)
比較的副作用が少ない鎮痛薬。胃への負担が少なく、NSAIDsが使いにくい方(妊娠中・腎機能低下者など)にも使用できます。頭痛の強度が軽度〜中等度の場合に有効です。
鎮痛薬の過剰使用を避ける
週2〜3日以上の鎮痛薬使用が3ヶ月以上続くと「薬物乱用頭痛(MOH)」が生じ、頭痛が慢性化します。鎮痛薬は「最後の手段」ではなく「早めに使う」が基本ですが、使用頻度のコントロールが必要です。
⚠️
薬物乱用頭痛(MOH)に注意鎮痛薬を月10〜15日以上使用することが3ヶ月以上続くと、薬が頭痛を悪化・慢性化させる「薬物乱用頭痛(Medication Overuse Headache, MOH)」が生じます。「薬を飲めば治まる」というサイクルが慢性頭痛を作り出すことがあります。使用頻度が増えてきたら必ず専門医に相談してください。
予防治療

慢性化を防ぐ予防的薬物療法

高頻度反復性・慢性緊張型頭痛(月8日以上)に対しては、日常的に服用して頭痛の頻度を減らす「予防薬」の使用が推奨されます。

アミトリプチリン(三環系抗うつ薬)
緊張型頭痛予防薬として最もエビデンスが高い薬剤。少量(10〜75mg/日)で使用します。中枢性感作を抑制し、筋肉の過緊張を緩和する効果があります。眠気・口渇などの副作用があります。
筋弛緩薬
慢性緊張型頭痛に対してチザニジン、エペリゾンなどの筋弛緩薬が使用されることがあります。筋緊張の直接的な緩和を目的とします。
SNRI・SSRIなど
不安・うつを合併している緊張型頭痛患者に有効です。セロトニン・ノルアドレナリン系の調整を通じて中枢性感作と頭痛の慢性化を改善します。
非薬物療法

薬に頼らない治療アプローチ

薬物療法と並んで、非薬物療法の組み合わせが慢性緊張型頭痛の長期管理に非常に重要です。

🤲
筋膜リリース・マッサージ・指圧
後頭部・頸部・肩の筋肉のトリガーポイントを解放するマッサージ・指圧・筋膜リリースは、緊張型頭痛に対して短期的な効果が示されています。ただし一時的な効果にとどまることが多く、姿勢改善やストレス管理との組み合わせが重要です。
🧘
リラクゼーション療法(筋弛緩法・自律訓練法)
プログレッシブ筋弛緩法、自律訓練法、バイオフィードバックなどは、頭部・頸部・肩の筋緊張を系統的に緩和し、慢性緊張型頭痛の予防に有効です。特に慢性化した緊張型頭痛に対して長期的な効果が示されています。
🧠
認知行動療法(CBT)
ストレス・不安・うつが関与する慢性緊張型頭痛に対して効果的です。頭痛に関連する思考パターン(「頭痛があると何もできない」「頭痛は止められない」)の修正と、ストレス対処スキルの向上が目標です。
🏃
有酸素運動
定期的な有酸素運動は筋肉の柔軟性向上、血流改善、エンドルフィン分泌促進を通じて緊張型頭痛の予防に有効です。ウォーキング・水泳・軽いジョギングなどを週3〜5回、20〜30分行うことが推奨されます。
🪡
鍼治療
緊張型頭痛に対する鍼治療のエビデンスが蓄積されています。特に筋肉のトリガーポイントへの鍼(トリガーポイント鍼)が有効とされています。通院型の治療として取り入れる方もいます。
🏥
理学療法・姿勢改善訓練
理学療法士による姿勢評価と改善訓練、頸部・肩のストレッチ・強化運動が慢性緊張型頭痛の長期予防に有効です。特にデスクワークが主な原因の場合、職場環境の改善(エルゴノミクス評価)と組み合わせることが重要です。
DAILY LIFE

日常生活での予防と対策

緊張型頭痛は「生活習慣の病」とも言えます。姿勢・ストレス・睡眠・運動の改善が慢性化予防の核心です。毎日の小さな習慣が、頭痛の頻度と強さを大幅に変えます。

日常のヒント

緊張型頭痛を予防・軽減するための日常ケア

🪑
姿勢を整える
デスクワーク中は椅子の高さを調整し、モニターは目線のやや下に。背筋を伸ばし、首が前に出すぎないよう注意。1時間ごとに立って軽くストレッチを行いましょう。
🤸
首・肩のストレッチを習慣にする
朝・仕事中・就寝前に首・肩のゆっくりとしたストレッチを行います。特に後頭部・後頚部・僧帽筋のストレッチが効果的です。痛みを感じない範囲でゆっくり行うことが重要です。
🌡
温熱療法を活用する
頭痛が始まったとき、首・肩を温めることが緊張型頭痛の緩和に効果的です。温タオル、温湿布、入浴(特に肩まで浸かる入浴)が有効です。ただし片頭痛では温めると悪化することがあるため、頭痛のタイプを把握することが重要です。
📓
頭痛日記をつける
頭痛の発生日時、強さ(0〜10)、持続時間、服用した薬と量、考えられるトリガーを記録します。月15回以上の頭痛がある場合は「慢性頭痛」の可能性があり、記録を持って専門医に相談することをおすすめします。
💊
鎮痛薬の使用頻度を把握する
鎮痛薬の使用頻度が月10〜15日を超えると「薬物乱用頭痛(MOH)」のリスクがあります。使用回数を記録し、過剰になっていないか確認しましょう。過剰な場合は必ず医師に相談してください。
🧘
リラクゼーション習慣を作る
毎日10〜15分のリラクゼーション時間(深呼吸、瞑想、軽いヨガなど)を設けます。慢性化した緊張型頭痛には、薬だけでなくリラクゼーションの習慣化が予防の鍵です。
「慢性頭痛」は専門医へ月15日以上の頭痛が3ヶ月以上続く「慢性緊張型頭痛」は、神経内科・頭痛専門医への受診が推奨されます。特に鎮痛薬の使用が増えてきた場合は、薬物乱用頭痛の評価も含めた専門的な治療が必要です。
職場での対策

デスクワーカー・テレワーク時代の緊張型頭痛対策

デスクワークやテレワークの普及により、長時間の同一姿勢・PC作業・ビデオ会議が緊張型頭痛のリスクを高めています。職場環境の改善が予防に直結します。

🖥
モニター・デスクの高さ調整
モニターは目線のやや下(画面上端が目の高さ)に配置。デスクと椅子の高さを調整し、肘が90度に曲がる位置に。モニターまでの距離は50〜70cm。
20-20-20ルールの実践
20分に1回、20秒間、20フィート(約6m)先を見る。PC作業中の眼精疲労・首の緊張リセットに有効な方法です。
🪑
椅子・姿勢のポイント
腰椎のS字カーブを保つ椅子に座り、足裏を床にしっかりつける。ランバーサポートの活用、背もたれを使って骨盤を立てることが重要。
🚶
こまめな立ち上がり
1時間に1回は立ち上がり、首・肩を回す・肩甲骨を引き寄せるなど2〜3分の軽いストレッチを行う。タイマーや通知ツールを活用しましょう。
🎧
ヘッドセット・音環境
長時間の電話は片手持ちではなくヘッドセットを使用。騒音が多い環境では遮音イヤーマフの活用も頭痛予防に有効です。
💡
照明・画面輝度の調整
画面の輝度は環境光に合わせて調整。ブルーライトカットフィルター・画面の反射防止コーティングも眼精疲労軽減に有効です。
ストレス過多のサインに気づいたら職場のストレスが頭痛の主な原因になっている場合、産業医・保健師への相談が有効です。精神保健福祉センターでは、働く人のメンタルヘルスや自立支援医療制度(精神通院医療)に関する相談・情報提供を無料で行っています。まずは気軽に問い合わせてみましょう。
子どもの緊張型頭痛

子どもの緊張型頭痛——学校・家庭でのサポート

緊張型頭痛は大人だけの問題ではありません。小学校高学年〜中高生でも「慢性頭痛」として現れることがあり、学校生活・不登校・睡眠問題との関係が指摘されています。

📚
学校ストレスとの関係
テスト・成績・いじめ・部活・友人関係などの心理社会的ストレスが子どもの慢性頭痛(緊張型が主体)の主な原因となることがあります。「頭痛」という身体症状を通じてストレスが表現されていることが多いです。
📱
スマートフォン・ゲームの長時間使用
子どもの長時間のスマートフォン・ゲーム使用による首の前傾姿勢(ストレートネック)・眼精疲労・睡眠不足が緊張型頭痛を引き起こします。1日の画面時間のルール設定が予防になります。
😴
睡眠リズムの乱れ
夜更かし・朝寝坊・睡眠不足は子どもの緊張型頭痛の重要な誘発因子です。毎日同じ時間に起床・就寝する「睡眠リズムの安定化」が最も効果的な予防の一つです。
🏫
学校・親のサポート
「また頭痛?」と流さずに、子どもの頭痛の訴えを丁寧に聞くことが重要です。頭痛日記をつけて小児神経科・小児科への受診を検討しましょう。不登校につながる前に早めの相談が大切です。
合併症・関連疾患

緊張型頭痛と合併しやすい疾患

慢性緊張型頭痛は単独で存在するだけでなく、以下の疾患と合併しやすいことが分かっています。合併症を見逃さず、総合的に治療することが回復への近道です。

😔
うつ病・抑うつ状態
慢性頭痛患者の約30〜50%にうつ症状が認められます。痛みが続くことによる意欲低下・睡眠障害がうつを悪化させる悪循環が生じやすいです。
😨
不安障害・パニック障害
慢性緊張型頭痛は不安障害との合併率が高く、「頭痛がまた来るかもしれない」という予期不安が頭痛の慢性化を促進することがあります。
😴
睡眠障害
頭痛による入眠困難・中途覚醒が睡眠の質を低下させ、睡眠不足がさらに頭痛を悪化させます。睡眠衛生の改善が頭痛治療と並行して必要です。
💪
線維筋痛症・慢性疲労
全身の広範な痛み・疲労感を特徴とする線維筋痛症との合併例もあります。全身の痛みと疲労が重なる場合は、専門医による鑑別が必要です。
🦷
顎関節症
食いしばり・歯ぎしり・顎関節の炎症が緊張型頭痛の誘発・悪化要因となります。歯科・口腔外科でのマウスピース治療が頭痛軽減に有効なことがあります。
📱
頸椎症・ストレートネック
頸椎の変性(頸椎症)やストレートネックが神経・筋肉に影響し、慢性的な頸部痛・頭痛を引き起こします。整形外科・リハビリとの連携が有効です。
うつ・不安を抱えている方へ慢性頭痛とうつ・不安が重なっている場合、自立支援医療制度(精神通院医療)を利用することで、精神科・心療内科の通院医療費の自己負担を軽減できます。制度の利用については、かかりつけ医や精神保健福祉センターにご相談ください。
FOR FAMILY

周囲の人へ——サポートガイド

緊張型頭痛は頻度が高く、周囲には「大げさ」に見えることもあります。しかし慢性頭痛は生活の質に大きな影響を与える深刻な状態です。正しい理解とサポートが回復を助けます。

理解のために

緊張型頭痛について知っておきたいこと

緊張型頭痛は「よくある頭痛」ですが、慢性化すると毎日のように頭痛がある状態になり、仕事・家事・育児・社会活動すべてに影響します。「頭痛くらいで」という認識は、慢性頭痛を抱える方を深く傷つけることがあります。

✓ してよいこと
「頭が痛いときは無理しなくていいよ」と理解を示す——緊張型頭痛は怠けではありません
静かで暗い環境を作るなど、頭痛時に集中できる環境をサポートする
肩・首のマッサージや温湿布のサポートを申し出る
頭痛日記のつけ方や専門医受診を一緒に考える
仕事・家庭でのストレスが過剰になっていないか、一緒に考える機会を持つ
✗ してはいけないこと
「頭痛くらいで」「気合いで乗り越えて」と軽く見る——慢性頭痛は生活の質に大きく影響します
「また頭痛?」と繰り返し言うことで、本人がさらにプレッシャーを感じる状況を作る
「薬を飲まなくていい」「市販薬で十分」と医療機関受診を否定する
頭痛中に大きな音・明るい光の環境を無理強いする
本人のペースを尊重する頭痛があるときは静かに過ごしたい、誰とも話したくないという気持ちも自然なものです。「治してあげる」ではなく「一緒にいる」というスタンスが、本人にとって最も助けになります。
FAQ

緊張型頭痛についてよくある質問

緊張型頭痛に関してよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。受診のタイミング・薬の使い方・片頭痛との違いなど、気になる点を確認してください。

よくある質問

緊張型頭痛 Q&A

Q. 緊張型頭痛は何科に受診すればいいですか?

A. 頭痛外来(神経内科・脳神経内科・脳神経外科)が最も専門的です。かかりつけ医・内科でも相談できます。うつ・不安・ストレスが強く関与している場合は心療内科や精神科も有効です。精神保健福祉センターでも医療機関の情報提供を行っています。

Q. 緊張型頭痛と片頭痛の見分け方は?

A. 最大の違いは「痛みの質」です。緊張型頭痛は「締め付け・圧迫感」(非拍動性)で両側性、動いても悪化しない傾向があります。片頭痛は「ズキズキ・ドキドキ」(拍動性)、片側性で、動くと悪化し、吐き気・光過敏・音過敏を伴うことが多いです。ただし混合型もあるため、正確な診断は専門医に委ねましょう。

Q. 市販の鎮痛薬をよく飲んでいますが大丈夫ですか?

A. 月10〜15日以上、週2〜3日以上の鎮痛薬使用が3ヶ月以上続くと「薬物乱用頭痛(MOH)」になるリスクがあります。使用頻度が増えてきたと感じたら、必ず頭痛専門医・神経内科を受診してください。市販薬で我慢せず、予防治療を検討することが慢性化防止に重要です。

Q. 妊娠中に緊張型頭痛が起きたらどうすればいいですか?

A. 妊娠中はNSAIDs(ロキソプロフェン・イブプロフェン)は原則禁忌です。アセトアミノフェン(カロナール・タイレノール)が比較的安全とされていますが、長期連用は避け、必要最低限の使用にとどめてください。薬を使う前に、首・肩を温める・休息・ストレス軽減などの非薬物的対処を試みてください。必ず産婦人科・かかりつけ医に相談してから服用しましょう。

Q. 子どもが緊張型頭痛を繰り返しています。どうすればいいですか?

A. 小学校高学年〜中高生に緊張型頭痛は多く見られます。頭痛日記で頻度・強さ・生活パターンを記録し、小児科・小児神経科に相談することをお勧めします。学校ストレス・睡眠リズムの乱れ・スマートフォンの使いすぎが主な原因のことが多く、生活改善が有効です。頭痛のせいで学校を休むことが増えた場合は早めに受診してください。

Q. 緊張型頭痛は完全に治りますか?

A. 多くの反復性緊張型頭痛は、トリガーの把握・生活習慣の改善・適切な治療で大幅に頻度と強さを減らせます。慢性緊張型頭痛は完全治癒より「コントロール・管理」が現実的な目標となることが多いですが、適切な予防治療(薬物療法+非薬物療法)により日常生活への影響を最小化することが可能です。

Q. ストレスを減らせないと緊張型頭痛は治りませんか?

A. ストレスは重要な要因ですが、ストレスを「ゼロにする」ことが目標ではありません。ストレスへの対処法(リラクゼーション・認知行動療法)、身体的な要因(筋緊張・姿勢)の改善、適切な薬物療法の組み合わせが効果的です。完璧なストレス解消でなくとも、頭痛を大幅に改善できるケースが多くあります。

Q. 自立支援医療制度は頭痛にも使えますか?

A. 自立支援医療制度(精神通院医療)は、うつ病・不安障害・統合失調症などの精神疾患の通院治療費を軽減する制度です。緊張型頭痛単独では対象外ですが、慢性頭痛にうつ病・不安障害が合併している場合は、精神科・心療内科での治療に対して適用できる場合があります。詳しくは精神保健福祉センターまたはかかりつけの精神科医にご相談ください。

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このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。うつ病・不安障害などの精神疾患を合併している方は、自立支援医療制度(精神通院医療)により通院医療費の自己負担を軽減できる場合があります。制度の詳細は精神保健福祉センターまたはかかりつけ医にご相談ください。

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