オンラインカウンセリングとは?
効果・料金・選び方・主要サービス比較を完全解説
「カウンセリングに行きたいけど、近くに専門家がいない」「仕事で時間がない」「対面では緊張してうまく話せない」——そんな悩みに、オンラインカウンセリングは新しい選択肢を提供します。仕組み・科学的エビデンス・主要サービス比較・料金と保険・選び方・初回の流れ・プライバシーまで、必要な情報をすべてまとめました。
オンラインカウンセリングとは
インターネットを介してビデオ・電話・チャット・メールで行う心理カウンセリング。新型コロナウイルス感染拡大を機に急速に普及し、2026年現在、国内に20社以上のサービスが存在しています。
オンラインカウンセリングの定義
オンラインカウンセリングとは、インターネットを介してビデオ通話・電話・チャット・メールなどの手段で行う心理カウンセリングのことです。従来は対面が主流だったカウンセリングを、時間や場所の制約なく受けられるよう進化させたサービスです。公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士といった専門資格を持つカウンセラーと、自宅やプライベートな環境から安心して話せることが最大の特徴です。
日本でオンラインカウンセリングが本格的に普及し始めたのは2015年頃からで、2020年の新型コロナウイルス感染拡大によって急激に需要が高まりました。外出自粛・緊急事態宣言の状況下で精神的なケアの必要性が高まる一方、対面での受診が難しくなったことが後押しとなり、2022〜2026年にかけてサービス数・利用者数ともに大幅に増加しています。
オンラインカウンセリングで相談できること
オンラインカウンセリングでは、日常生活のさまざまな悩みを専門家に相談できます。
日本のオンラインカウンセリング市場
2026年現在、日本のオンラインカウンセリング市場は急速な成長を続けています。
精神的な悩みを抱えながらも「精神科や心療内科に行くほどでもない」「敷居が高い」と感じている人にとって、オンラインカウンセリングは心理的ハードルを大きく下げた新しい支援チャンネルとして機能しています。
オンラインカウンセリングの種類
ビデオ・電話・チャット(同期/非同期)・メールの4形式があり、それぞれリアルタイム性・非言語情報量・ハードル・料金が異なります。自分の状況に合った形式を選びましょう。
ビデオ・電話・チャット・メール
ZoomやGoogle Meet、専用アプリなどを使い、映像と音声でカウンセラーと対話する形式。対面に最も近く、表情やジェスチャーなどの非言語情報も共有できます。
音声のみで行うカウンセリング。カメラを使いたくない方、顔を見せることに抵抗がある方に人気の形式です。スマホがあれば手軽に利用できます。
LINEやサービス専用のチャット機能を使い、文字でやりとりする形式。リアルタイムで会話する場合と、非同期(時間差)でやりとりする場合があります。
メールで相談内容を送り、カウンセラーが後日返信するスタイル。時間をかけてじっくり自分の気持ちをまとめたい方に適しています。
- 特徴対面に近い臨場感。表情・しぐさが伝わるため信頼関係を築きやすい顔出し不要。スマホ一台で手軽に利用可能。移動中でも相談しやすい話すことが苦手な方でも利用しやすい。気持ちを整理しながらメッセージを送れる。記録が残るので後から振り返れる自分のペースで深く考えながら相談できる。返信を何度も読み返せる
- 向いている人しっかり話を聞いてほしい人。初回相談にも適している顔を見せることへの抵抗がある人。視覚的なプレッシャーを減らしたい人電話・ビデオが苦手な人。声を出せない環境(職場・家族のいる空間)にいる人深く考えてから伝えたい人。言葉にするのに時間が必要な人
- 注意点安定したインターネット環境と、周囲に聞かれない静かな場所が必要表情が見えないため、感情の細かいニュアンスが伝わりにくい場合がある文字での表現が必要なため、伝えたいことを言語化できない場合は難しいことも即時性がない。緊急の相談には向かない。返信に数日かかることもある
- 料金目安50分あたり5,000〜10,000円50分あたり4,000〜8,000円月額プラン(週1〜5回)で5,000〜20,000円程度1往復あたり3,000〜8,000円
各形式の比較一覧
5つの形式を、リアルタイム性・非言語情報・ハードル・主な向き先で比較します。
対面カウンセリングとの違い・比較
オンラインは場所と時間の柔軟性に優れる一方、対面は非言語コミュニケーション・緊急対応・特殊技法に強みがあります。両者の特徴を理解し、目的に合った選択をしましょう。
オンラインカウンセリングの主なメリット
対面カウンセリングの強み(オンラインの限界)
対面 vs オンライン 総合比較表
効果とエビデンス
適切な対象者・適切な問題に対しては、オンラインカウンセリングは対面に匹敵する効果があることが複数の研究で示されています。条件と限界を踏まえて活用しましょう。
オンラインカウンセリングの効果は科学的に証明されているか
「オンラインで本当に効果があるのか」という疑問は、多くの方が抱きます。結論から言えば、適切な対象者・適切な問題に対しては、オンラインカウンセリングは対面に匹敵する効果があることが複数の研究で示されています。
心理学者Barakら(2008年)のシステマティックレビューでは、インターネットを通じた心理療法はパニック障害・不安障害に大きな効果量を示し、全体的に対面式と大きな差はないと結論づけました。また同研究では、「クライエントは電話やインターネットによるセラピー形態に満足しており、対面式と比較して治療的関係(治療同盟)を豊かに形成できないことを示す明確なエビデンスはない」とも指摘しています。
電話・テキストカウンセリングの効果
電話を活用したカウンセリングについては、メタ分析でうつ・不安障害・摂食障害・薬物依存の治療において対照群より有意に効果的であったことが示されています(Mohrら 2008年)。
テキスト(チャット)形式については、Mallen(2003年)の研究で「コンピュータを介したコミュニケーションによって、個人的な情報を実際に開示しやすくなる」という結果が得られており、むしろ対面より自己開示が促進される場合があることが示唆されています。文字によるやりとりが、却って感情や思考の整理を助ける可能性があるのです。
効果が出やすい条件・注意すべき条件
- •軽度〜中程度のうつ・不安・ストレス
- •認知行動療法・問題解決療法などの構造化された技法
- •動機づけが高く、自ら相談しようとしている状態
- •人間関係・ライフイベント・ストレスの相談
- •対面受診が困難な地域・身体状況の方
- •重症のうつ病・統合失調症急性期
- •強い自殺念慮・自傷衝動がある状態
- •解離症状が強く、現実検討力が低下している状態
- •身体的な緊急状態を伴うケース
- •インターネット環境が不安定な方
カウンセリング効果を高めるポイント
- 継続することが重要1〜2回で効果を感じることは難しい場合があります。最低でも4〜6セッションを目安に継続することで変化が現れやすくなります。
- カウンセラーとの信頼関係(治療同盟)研究では、カウンセラーの技法の種類よりも「カウンセラーとの関係の質」が効果に大きく影響することが示されています。
- セッション間の実践セッション中に気づいたことを日常生活で実践することで、効果が加速します。
- 正直に話す「カウンセラーをがっかりさせたくない」という気持ちから本音を隠すのは逆効果です。うまくいかないこと・感じにくいことも率直に伝えることが大切です。
料金相場・保険適用・費用を抑える方法
民間サービスは原則保険適用外。形式とプランで料金は大きく異なります。公的窓口やEAP、自立支援医療制度を活用すれば費用を抑えることが可能です。
オンラインカウンセリングの料金相場
日本のオンラインカウンセリングサービスの料金は、提供形式・カウンセラーの資格・セッション時間によって大きく異なります。以下は主要な相場の目安です。
保険適用はできるのか
結論から言えば、民間のオンラインカウンセリングサービスの料金は、原則として健康保険が適用されません。これは対面・オンライン共通の問題で、公認心理師・臨床心理士によるカウンセリングは現在のところ保険診療の対象外です。
ただし、以下の条件を満たす場合は保険適用となる場合があります。
- 精神科・心療内科の「通院・在宅精神療法」医師が行う精神療法は保険適用。ただしこれは「医師が行う」ものであり、カウンセラーが独自に行うカウンセリングとは異なります。
- 認知行動療法(医師・医師の指示下での実施)うつ病や強迫性障害などで医師と看護師が行う認知行動療法は保険適用(1,000点)。
- 精神科デイケア・ナイトケア入院に準ずるデイケア施設でのグループ療法等は保険適用。
費用を抑えてカウンセリングを受ける方法
- 大学・大学院附属の相談室臨床心理学を学ぶ大学院生が指導教員のスーパービジョン下でカウンセリングを提供。料金は無料〜1,000円程度と非常に安価。
- 精神保健福祉センター(無料)各都道府県・政令指定都市に設置。精神科医・精神保健福祉士・心理士による無料相談が受けられる。匿名利用も可。
- 市区町村の相談窓口自治体によっては、心理士によるカウンセリングを無料または低額で提供している場合がある。
- EAP(従業員支援プログラム)大企業を中心に、企業が契約しているカウンセリングサービスを従業員が無料で利用できる制度。
- 複数回パック・定額プランの活用単発で受けるよりもパックプランや月額サブスクを選ぶ方が1回あたりの料金が安くなる場合が多い。
- 初回無料・お試しセッションの活用多くのサービスが初回を無料または低額で提供。相性を確認してから継続するか判断できる。
主要サービス比較(with・Unlace・cotree等)
2026年現在、国内には多数のオンラインカウンセリングサービスが存在します。各サービスの特徴・料金・対応形式を比較して選びましょう。
日本の主要オンラインカウンセリングサービス
サービス選びのカテゴリ別おすすめ
- カウンセラーの資格を重視したいcotree・うららか相談室・mezzanine(全員が公認心理師または臨床心理士)
- テキスト・チャット形式を希望Unlace・cotreeのテキストプラン
- 料金をなるべく抑えたいうららか相談室(低価格プランあり)・自治体の無料相談も検討
- 医療との連携を重視マイシェルパ・精神科医が監修するサービス
- カウンセラーとのマッチングを丁寧にしたいwith・cotree(プロフィール詳細あり)
選び方と初回利用の流れ
信頼できるカウンセラーを選ぶための資格確認・専門分野・初回体験の活用法と、登録から初回セッション後の継続判断まで、利用の流れを6ステップで解説します。
カウンセラーの資格を確認する
日本では「心理カウンセラー」は資格がなくても名乗れる状態にあります(2015年以前)。2015年以降、「公認心理師」が国家資格として創設されましたが、資格なしのカウンセラーも現在も存在しています。信頼できるカウンセリングを受けるために、以下の資格を持つカウンセラーを選ぶことが推奨されます。
- 公認心理師2017年に施行された国家資格。医療・福祉・教育・産業・司法の5分野での心理支援を担う。大学・大学院での心理学教育と実習が必要。
- 臨床心理士公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格。大学院(2年間)修了が要件で、5年ごとの更新制。医療・教育・福祉機関で広く活用されている。
- 精神保健福祉士精神保健福祉分野の国家資格。相談援助業務を行うソーシャルワーカーとして機能。カウンセリングも行う場合がある。
相談したい内容・悩みの種類を絞る
カウンセラーにはそれぞれ得意分野・専門領域があります。自分の相談内容に近い専門経験を持つカウンセラーを選ぶことで、より効果的なサポートが期待できます。
- ✓うつ・不安が強い場合 → 認知行動療法(CBT)の資格・研修を受けたカウンセラー
- ✓トラウマ・PTSDがある場合 → EMDR・トラウマインフォームドケアの経験があるカウンセラー
- ✓夫婦・家族の問題 → カップルカウンセリング・家族療法の経験があるカウンセラー
- ✓子どもの問題 → 子ども・青年期の支援経験があるカウンセラー
- ✓職場のストレス・産業 → EAP・産業カウンセリングの経験があるカウンセラー
初回体験・無料相談を活用する
多くのサービスが初回無料・低価格のお試し相談を提供しています。カウンセラーとの相性は非常に重要な要素です。最初のセッションで「話しやすいか」「自分のことを理解してもらえているか」を感じ取り、合わないと感じたら遠慮なく別のカウンセラーに変更することが大切です。
カウンセラーを変更することは、カウンセリングの「失敗」ではなく、より良いマッチングのための当然のプロセスです。合わないカウンセラーと続けることの方が効果を損ないます。
キャンセルポリシー・料金体系を確認する
- キャンセル料何時間前までに連絡すればキャンセル料がかからないのかを確認する。直前キャンセルに100%の料金がかかるサービスもある。
- 料金の支払い方法クレジットカード・PayPay・銀行振込などに対応しているか。
- 返金ポリシー複数回パックを購入した際、途中で利用をやめた場合の返金規定を確認する。
- 定期課金の解約月額サブスクの場合、解約手続きのしやすさを事前に確認する。
緊急時の対応方針を確認する
万が一セッション中に強い自殺念慮・パニックが生じた場合の対応方針をサービスが明示しているか確認しましょう。緊急時に医療機関への紹介・連携が可能なサービスかどうかも、選ぶ際の重要な基準です。
初回利用の6ステップ
プライバシーとセキュリティ
センシティブな情報を扱うオンラインカウンセリングでは、秘密保持義務・通信暗号化・物理的環境の3つを押さえることで安心して利用できます。
オンラインカウンセリングの秘密保持
カウンセリングには「秘密保持義務」があります。カウンセラーはクライエントから聞いた内容を、本人の同意なく第三者に伝えることはできません。これはオンライン形式であっても対面形式であっても変わりません。ただし、以下の場合は例外的に情報を開示する場合があります。
- 生命の危機本人または他者の生命が危険にさらされていると判断される場合。
- 法的義務裁判所からの命令など、法律に基づく情報開示の要請がある場合。
- スーパービジョンカウンセラーが指導者(スーパーバイザー)に個人が特定されない形で事例検討する場合。
サービス利用前に「秘密保持に関する方針」がサービス規約またはプライバシーポリシーに明記されているか確認してください。
通信のセキュリティ
オンラインカウンセリングでは、センシティブな個人情報をインターネット上でやりとりするため、通信セキュリティは非常に重要です。
- SSL/TLS暗号化の確認ウェブサイトのURLが「https://」で始まっているかを確認。「http://」のサービスは暗号化されておらず危険。
- フリーWi-Fiを避けるカフェ・公共施設のフリーWi-Fiは傍受リスクがある。カウンセリング中は自宅のWi-Fiまたはモバイル通信を使用する。
- 専用アプリの使用サービス専用のアプリや、ZoomのE2E(エンドツーエンド)暗号化機能を使う方が一般的なビデオ通話より安全。
- 端末のセキュリティ利用する端末のOSとアプリを最新版にアップデートしておく。ウイルス対策ソフトを導入する。
- 記録の保管チャット・メールの内容が第三者に見られないよう、スマートフォンにパスワードロックをかける。
プライバシーポリシーの確認ポイント
- ✓相談内容・音声・テキストが録音・記録・保存されるか。保存される場合の保管期間と管理方法は何か
- ✓データが第三者(広告会社・研究機関など)に提供されることがあるか
- ✓サービスを解約した際、個人データはどのように処理されるか
- ✓不正アクセスやデータ漏洩が発生した場合の通知方針は何か
- ✓海外のサーバーにデータが保存される場合、どの国の法律が適用されるか
カウンセリング中の物理的プライバシー確保
デジタルセキュリティだけでなく、物理的な環境でのプライバシーも重要です。
- 個室の確保家族・同居人に話し声が聞こえない部屋でセッションを受ける。難しい場合はイヤホンを使用し、ノイズキャンセリング機能のあるマイクを使う。
- バックグラウンドへの配慮ビデオカウンセリングでは、バーチャル背景機能を使うことで部屋の様子を見せずに済む。
- 通知の管理セッション中に他のアプリの通知が画面に表示されないよう「おやすみモード」などを設定する。
オンラインカウンセリングが特に向いている人
対面カウンセリングの方が適している場合
子ども・学生・職場向けの利用
子どもや青少年、大学生、職場でのメンタルヘルス対応など、状況別に活用できる支援と相談先を紹介します。
子ども・青少年のオンラインカウンセリング
いじめ、不登校、学校でのプレッシャー、家庭内の問題、自己肯定感の低さ、SNSトラブルなど、子どもや青少年が直面する悩みにも、オンラインカウンセリングは有効な選択肢となっています。
- スクールカウンセラー(無料)学校に配置されている公認心理師・臨床心理士。保護者・教職員も相談可能。まず最初の相談窓口として活用する。
- 子どもの人権110番(法務省)電話0120-007-110。子どもがいじめや虐待などの人権問題について相談できる無料電話。平日8:30〜17:15。
- 民間のオンラインカウンセリング子ども・10代対応を明示しているサービスを選ぶ。保護者同伴・保護者のみの相談に対応しているかも確認する。
- 思春期・青年期専門一部のカウンセラーは思春期の問題(アイデンティティ、進路、親子関係)を専門としている。プロフィールで確認する。
大学生・専門学校生向けの無料・低価格相談
- 大学の学生相談室・カウンセリングルーム多くの大学が在学生に対して無料または低価格で心理相談を提供。公認心理師・臨床心理士が対応することが多い。
- 大学病院の精神科・心療内科学生料金での受診が可能な場合がある。
- 若者向け支援機関ゆうちょ若者サポートステーションなど、就労・生活面の悩みに対応する公的支援機関も活用できる。
- 一人暮らし・孤立感の相談大学生は一人暮らしで孤立しやすい時期。学内のピアサポートや電話相談も活用してみましょう。
子どもがオンラインカウンセリングを受けるときの注意点
- ✓未成年の場合、多くのサービスで保護者の同意が必要。利用規約を確認する
- ✓子どもが「話したくない」と感じているなら無理に続けない。まずは信頼できる大人との会話から始める
- ✓保護者がカウンセラーと子ども間のやりとりを知りたがる場合、秘密保持の範囲について事前にカウンセラーと確認しておく
- ✓緊急の場合(自傷・自殺念慮)は「よりそいホットライン」0120-279-338や救急医療機関に連絡する
EAP(従業員支援プログラム)とオンライン産業カウンセリング
企業・組織が従業員のメンタルヘルス支援のために導入するEAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)は、オンラインカウンセリングの主要な活用場面の一つです。企業がEAP提供会社と契約することで、従業員は無料または低価格でカウンセリングを受けられます。
- 利用率が低い課題EAPが導入されていても「上司に知られる」「弱いと思われる」という懸念から利用率が低い企業が多い。オンラインの匿名性・気軽さが利用率向上に貢献している。
- 秘密保持の範囲EAPカウンセリングの内容は企業側に報告されない(個人を特定する情報は秘密保持される)。ただし重大な安全リスクがある場合を除く。
- 職場ストレスの初期対応に有効上司・同僚とのハラスメント、業務量の過多、人間関係の摩擦などを早期に専門家に相談することで、メンタルヘルスの悪化を防ぐ。
職場でのメンタルヘルス問題とオンライン相談
職場でのメンタルヘルスに関する代表的な相談内容と、適切な相談先を紹介します。
- パワハラ・モラハラ厚生労働省の「総合労働相談コーナー」(都道府県労働局)、社内のハラスメント相談窓口、弁護士・社労士への法的相談。
- 適応障害・燃え尽き症候群産業医への相談(職場で30名以上の事業所は産業医選任義務)。オンラインカウンセリングで継続的なサポートを受ける。
- 復職支援うつ病や適応障害で休職した後の職場復帰については、医療機関・産業医・EAP・リワークプログラムを組み合わせた支援が効果的。
- テレワークによる孤立感在宅勤務が増えたことで孤独感・コミュニケーション不足を感じる場合、チャット形式のオンラインカウンセリングは生活リズムに組み込みやすい。
専門家に相談すべきタイミング
オンラインカウンセリングが適した状態と、精神科・心療内科の受診が優先される状態を見極めましょう。両者を組み合わせることも有効です。
こんな状態ならオンラインカウンセリングを試してみましょう
- ✓2週間以上、気分の落ち込み・憂うつ感が続いている
- ✓以前は楽しめていたことに興味や喜びを感じなくなった
- ✓誰かに話を聞いてほしいが、身近な人には言いにくいことがある
- ✓仕事・学業・家事に支障が出てきたが、精神科に行くほどではないと感じている
- ✓「なんとなくつらい」「モヤモヤが取れない」という状態が続いている
- ✓対人関係でいつも同じパターンの問題が起きる、変えたいと思っている
- ✓自己理解を深めたい、自分の行動パターンを変えたい
精神科・心療内科への受診が優先される状態
- ✓死にたいという考えが浮かぶ。消えてしまいたいと感じる
- ✓自分を傷つけている、または傷つけたいという衝動がある
- ✓眠れない日が続いている。または過眠が続いている
- ✓食事が全くとれない、または過食がコントロールできない
- ✓声が聞こえる・実態のないものが見える(幻覚)
- ✓自分が自分でない感じ、現実感がない(強い解離症状)
- ✓アルコールや薬物への依存が疑われる
複数の支援を組み合わせる
精神科・心療内科への通院とオンラインカウンセリングは、それぞれ役割が異なるため、組み合わせて使うことができます。医師が薬物療法で症状を安定させながら、カウンセリングで思考パターンや行動の変化を促す、という組み合わせは多くの精神疾患で有効とされています。利用するオンラインカウンセリングについて、主治医(精神科・心療内科)に報告することをおすすめします。
よくある質問
保険・効果・回数・守秘義務・併用・相性・チャット効果・未成年利用について、よく寄せられる8つの疑問にお答えします。
よくある質問
A. 民間のオンラインカウンセリングサービスは、原則として健康保険の適用外です。公認心理師・臨床心理士によるカウンセリングは現在のところ保険診療の対象外となっています。ただし、精神科・心療内科の医師が行う通院・在宅精神療法や、医師の指示のもとで行われる認知行動療法は保険適用になります。費用を抑えたい場合は、精神保健福祉センターの無料相談、大学附属の相談室、EAP(企業の従業員支援プログラム)の活用を検討してください。また、精神科への通院が必要な方は自立支援医療制度(精神通院医療)を申請することで自己負担が原則1割に軽減されます。
A. カウンセリングの効果が現れるまでの回数は、相談内容・症状の程度・カウンセラーとの相性・本人の取り組み度によって大きく異なります。目安として、初回から4〜6回程度で「少し話しやすくなった」「見方が変わってきた」などの変化を感じる方が多いです。認知行動療法を用いた短期カウンセリングの場合、12〜16セッションをひとまとまりとして進めることが多いです。ただし「○回で絶対に効果が出る」という保証はなく、1〜2回では効果を判断しにくい場合がほとんどです。焦らず、カウンセラーと相談しながらペースを決めていきましょう。
A. カウンセラーには守秘義務(秘密保持義務)があります。クライエントの同意なく、相談内容を会社・家族・第三者に伝えることは、倫理的に禁止されています。ただし例外があります。本人または他者の生命に差し迫った危険がある場合や、法的な情報開示命令がある場合です。EAP(企業の従業員支援プログラム)経由でカウンセリングを受ける場合も、個人を特定する情報は会社側に報告されません(利用者数の統計などは報告されることがある)。心配な場合は、初回に「秘密保持の範囲」についてカウンセラーに直接確認してください。
A. 精神科・心療内科への通院とオンラインカウンセリングの併用は、多くの場合有効です。医師が薬物療法で症状を管理しながら、カウンセラーと認知・行動・対人関係のパターンに取り組むという組み合わせは、うつ病・不安障害・PTSDなどで特に効果的とされています。ただし、必ず主治医にカウンセリングを受けていることを伝えてください。主治医とカウンセラーが連携して支援の方向性を共有することが、安全で効果的なサポートにつながります。薬の量が安定していない急性期や、治療方針を確立中の段階では、主治医の意見を優先してください。
A. 初めてのカウンセリングで「何を話せばいいのか」と不安になるのはごく自然なことです。カウンセラーが質問しながら進めてくれるので、準備しすぎる必要はありません。「何を話せばいいかわからない」という気持ちそのものを最初に伝えるのも一つの始め方です。もし事前に準備したい場合は、「最近特に気になっていること・つらいこと」と「カウンセリングに期待すること(話を聞いてほしい、具体的なアドバイスが欲しい、自分を変えたいなど)」をメモしておくと役立ちます。完璧に話せなくても大丈夫です。カウンセリングは試験ではなく、一緒に考えていく場です。
A. カウンセラーとの「相性」は非常に重要で、効果を左右する大きな要素です。もし初回・数回のセッションを経て「なんとなく話しにくい」「理解されていない感じがする」「価値観が合わない」と感じたら、別のカウンセラーに変更することをためらわないでください。変更を申し出ることは失礼ではなく、自分に合ったサポートを主体的に求める正当な行動です。多くのサービスがカウンセラー変更に対応しています。「なぜ合わなかったか」を次のカウンセラー選びの参考にすることで、より良いマッチングができるようになります。
A. チャット・テキスト形式のカウンセリングも、適切な対象・適切な問題に対しては有効性が認められています。心理学の研究では、テキストコミュニケーションによって「対面では言いにくいことが言いやすくなる」「自己開示が促進される」という効果が示されています。特に、声で話すことへの抵抗が強い方、自分の気持ちを言語化して整理することが得意な方には非常に適しています。ただし、会話の流れのような即時性がないため、感情の強い動きや危機的状況には対応しにくい面もあります。チャット形式を選ぶ際は、非同期型(時間差返信)と同期型(リアルタイム)の違いも確認してから選んでください。
A. 多くのオンラインカウンセリングサービスは利用対象年齢を定めており、未成年(18歳未満)の場合は保護者の同意が必要であったり、保護者経由での申し込みが必要であったりします。利用前にサービスの規約で年齢制限と保護者同意の要件を確認してください。学齢期の子ども(小学生・中学生・高校生)については、まず学校のスクールカウンセラー(無料)や、各都道府県の教育相談センターへの相談が一般的な入口です。また、子どもの人権110番(0120-007-110)では子ども自身が電話で相談することができます。
一人で抱え込まないで。
相談してみませんか。
オンラインカウンセリングや専門家への相談を検討している方、まずはここから話してみてください。どんな小さな悩みでも、ここに持ってきてください。
継続通院が必要な方は自立支援医療制度(精神通院医療)を申請することで医療費が原則1割負担に。詳細は精神保健福祉センターまたは市区町村の福祉担当窓口へ。このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。
