自立支援医療(精神通院医療)とは?
申請方法・対象・費用を完全解説
精神科・心療内科への通院医療費を原則3割から1割に軽減する公費負担医療制度。対象疾患・自己負担上限額・申請手続き・更新・転院対応まで、制度のすべてをわかりやすくまとめました。
自立支援医療(精神通院医療)とは
精神疾患による継続的な通院医療が必要な方の医療費自己負担を、原則3割から1割に軽減する公費負担医療制度です。障害者総合支援法に基づき、外来診療・薬局調剤・訪問看護まで広く対象となります。
制度の基本的な位置づけ
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患(てんかんを含む)によって継続的な通院医療が必要な方を対象に、医療費の自己負担を軽減するための公費負担医療制度です。根拠法令は障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)であり、以前の精神保健福祉法における「精神障害者通院医療費公費負担制度」を引き継ぐ形で2006年に施行されました。
自立支援医療には「精神通院医療」のほかに「育成医療」(身体障害のある18歳未満の方が対象)と「更生医療」(身体障害者手帳を持つ18歳以上の方が対象)の3種類があります。本記事では、精神疾患を持つ方に最も関係が深い精神通院医療に絞って解説します。
なぜ医療費を軽減するのか
精神疾患は、完治するまでの期間が長く、慢性的に通院・服薬を続ける必要がある疾患が多いという特徴があります。統合失調症、うつ病、双極性障害などは、症状が安定した後も再発予防のために薬を飲み続けたり、定期的な診察を受けたりすることが医学的に推奨されています。月に何度も精神科・心療内科に通院し、薬代を払い続けると、年間で数十万円に上る医療費がかかるケースも珍しくありません。
このような経済的負担が原因で、必要な医療を受けることをためらったり、途中で通院をやめてしまったりすると、病状が悪化し、最終的には本人も家族も社会も大きな損失を被ります。自立支援医療制度はこのような状況を防ぐため、継続的な通院治療を経済的に支援することを目的に設けられています。
- 通常は医療費の3割が自己負担となるところ、この制度を利用すると原則1割に軽減される
- さらに世帯収入に応じて1か月当たりの上限額が設定されており、上限を超えた分は自己負担ゼロとなる
- 生活保護受給世帯は自己負担なし(0円)で医療を受けられる
- 経済的な理由で通院を諦めることなく、安心して治療を継続できる環境を整える
どれくらいの人が使っているか
自立支援医療(精神通院医療)は、精神科・心療内科に通院している方にとって非常に重要な制度ですが、まだ知らずに制度を利用していない方も少なくありません。厚生労働省のデータによれば、精神通院医療の受給者数は年々増加しており、全国で400万人以上の方が利用しています。精神科・心療内科に通院中で、まだ申請していない方は、ぜひ申請を検討してください。
対象となる疾患と医療
精神疾患(てんかんを含む)全般が対象です。外来診療・薬局調剤・デイケア・訪問看護など、通院に関連する医療サービスが広くカバーされます。
対象となる疾患の一覧
自立支援医療(精神通院医療)の対象となる疾患は、精神疾患(てんかんを含む)全般が基本となります。具体的には以下の疾患が含まれます。診断名が以下に挙げていないものであっても、精神科・心療内科での通院治療が必要な疾患であれば対象となる可能性があります。主治医に確認してみてください。
「精神障害に起因する病態」も対象
精神疾患そのものだけでなく、当該精神障害に起因して生じた病態に対する治療も対象となります。例えば、統合失調症の薬(抗精神病薬)の副作用として生じた薬剤性パーキンソン症状の治療、うつ病の症状として現れた頭痛・胃腸障害への対処なども、精神科医が行う場合は対象となりえます。
外来・薬局・訪問看護まで
自立支援医療(精神通院医療)の対象となる医療は、指定を受けた医療機関・薬局・訪問看護ステーションが提供する通院医療です。「通院」という言葉が使われていますが、訪問看護(在宅での看護)も対象に含まれています。
複数の医療機関・薬局を使う場合
自立支援医療(精神通院医療)の受給者証には、指定した医療機関・薬局・訪問看護ステーションが記載されます。原則として、その受給者証に記載された機関での受診・調剤のみが対象です。
- 受給者証には病院(診療所)1か所、薬局1か所、訪問看護ステーション1か所を記載できる(都道府県によって異なる場合あり)
- 複数の精神科・心療内科に通院している場合は、申請時にどの機関を指定するか選択する必要がある
- 受給者証に記載されていない医療機関では、通常の保険診療(3割負担)が適用され、自立支援医療の減額は受けられない
- 医療機関を変更したい場合(転院など)は、市区町村の窓口で変更の届出手続きが必要(「変更届」の提出)
自己負担が1割になる仕組みと上限額
通常3割の自己負担が原則1割に。さらに世帯収入に応じた月額上限が設定されており、上限を超えた分は公費で賄われます。
通常の医療費と自立支援医療の違い
日本の公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)では、医療費の自己負担割合は原則として以下の通りです。
- 6歳〜70歳未満:3割負担
- 70歳〜74歳:2割負担(現役並み所得者は3割)
- 75歳以上(後期高齢者医療):1割負担(現役並み所得者は3割)
- 6歳未満(義務教育就学前):2割負担
自立支援医療(精神通院医療)を申請・認定されると、精神科・心療内科への通院医療に限り、自己負担が原則1割に軽減されます。例えば、月の精神科受診料と薬代の合計(保険診療の総医療費)が30,000円だった場合、通常は9,000円(3割)を支払うところが、自立支援医療を使うと3,000円(1割)の支払いで済むことになります。
上記はあくまで計算例です。実際の負担額は、世帯収入に応じて設定される1か月の自己負担上限額によってさらに軽減されることがあります。
同じ医療保険に加入している人が対象
自立支援医療における「世帯」は、住民票上の世帯とは異なります。同じ医療保険(健康保険・国民健康保険など)に加入している人を同一世帯とみなすという考え方が採用されています。例えば、同居の家族でも、それぞれが別の医療保険に加入している場合(父は会社員で健康保険、子は国民健康保険など)は別世帯として扱われます。
この「世帯」の収入合計(市区町村民税の額)によって、自己負担上限額の区分(所得区分)が決まります。
所得区分と1か月の自己負担上限額
自立支援医療(精神通院医療)では、1割の自己負担が月ごとの上限額を超えることのないよう、世帯の所得(市区町村民税の課税状況)に応じた月額上限が設定されています。上限額を超えた分は公費で賄われるため、どれだけ医療を受けても上限以上の負担はありません。
※ 上記の金額は厚生労働省が定める基準です。自治体によって追加の補助がある場合もあります。
「重度かつ継続」とは
精神疾患の症状が重く、かつ長期にわたり継続的な医療が必要な状態であることを意味する区分。中間所得世帯でも月額上限が適用され、負担が大幅に軽減されます。
「重度かつ継続」の定義
「重度かつ継続」とは、精神疾患の症状が重く、かつ長期にわたり継続的な医療が必要な状態であることを意味します。この区分に認定されると、中間所得の世帯でも月額上限が設定され、医療費の負担が大幅に軽減されます。「重度かつ継続」に該当するかどうかは、主治医の診断書(意見書)に基づいて都道府県・政令指定都市が判定します。
対象となる疾患・状態
「重度かつ継続」に該当するのは、主に以下の疾患・状態です。
- 疾患による基準(統合失調症・躁うつ病・うつ病・てんかん・認知症等)主治医が「高額な治療を長期間にわたり継続して行う必要がある」と判断した場合。
- 3年以上の通院歴がある方で医療費が継続的に高額過去3か月間の対象となる医療費の平均が一定以上の場合(具体的な基準は都道府県等が定める)。
- 症状が著しく重い精神症状が重度で、就労・日常生活への著しい支障がある状態が継続していると主治医が判断する場合。
- 主要な精神疾患に罹患している場合統合失調症・気分障害(うつ病・双極性障害)・てんかん等の疾患名だけで認められるわけではないが、対象として認められやすい。
「重度かつ継続」かどうかの判定は都道府県・政令指定都市が行い、主治医の意見書が重要な根拠となります。主治医に「重度かつ継続の申請ができるか」と相談してみましょう。
経過的特例措置
制度の変遷の中で、中間所得層に対して「重度かつ継続」を認定する経過的特例措置が設けられてきました。この特例措置により、本来は上限なしの1割負担となる中間所得の方にも、5,000円・10,000円の上限が適用されています。現在もこの措置は継続されていますが、将来的な制度変更についての情報は、定期的に主治医や市区町村窓口で確認することをお勧めします。
指定医療機関とは
自立支援医療が適用されるのは、都道府県等が指定した「指定自立支援医療機関」に限られます。すべての精神科・心療内科で使えるわけではありません。
指定医療機関の仕組み
自立支援医療(精神通院医療)が適用されるのは、都道府県または政令指定都市が指定した「指定自立支援医療機関」に限られます。全ての精神科・心療内科で使えるわけではないため、注意が必要です。
指定医療機関は、病院・診療所(クリニック)・薬局・訪問看護ステーションそれぞれについて都道府県等が指定します。指定を受けた機関には、窓口に「指定自立支援医療機関」の標識(ステッカーや看板など)が掲示されていることが多いですが、不明な場合は直接スタッフに確認してください。
- 指定されている医療機関受給者証に記載された機関であれば、自立支援医療の自己負担割合(1割+上限額)が適用される
- 指定されていない医療機関通常の保険診療(3割負担)が適用され、自立支援医療の減額は受けられない
- 確認方法都道府県・政令指定都市のウェブサイトで指定医療機関の一覧を検索できる場合がある。または、かかりたい病院・クリニック・薬局に直接問い合わせる
指定医療機関の選び方のポイント
申請時に指定する医療機関は慎重に選びましょう。変更する場合は手続きが必要になります。
- 現在通院している精神科・心療内科が指定を受けているか確認する:すでに通院中のクリニックが指定機関であれば、そのまま指定できる。担当医やスタッフに「自立支援医療を申請したい」と伝えると案内してもらえる
- 処方箋を持っていく薬局も指定を受けているか確認する:病院の近くの薬局、または自宅の近くの薬局が指定機関かどうか確認する
- 複数の薬局を利用している場合:基本的には1か所の薬局を指定する形になるため、主にどの薬局を使うかを決めておく(都道府県によって2か所以上の指定が認められる場合もある)
- 訪問看護を利用している場合:訪問看護ステーションも別途指定が必要。利用中のステーションが指定を受けているか確認する
申請方法と必要書類
お住まいの市区町村(市役所・区役所・町村役場)の福祉担当窓口で申請を行います。都道府県が認定主体ですが、窓口業務は市区町村が担っています。
申請の流れ(ステップ別)
自立支援医療(精神通院医療)の申請は、お住まいの市区町村(市役所・区役所・町村役場)の福祉担当窓口で行います。以下のステップで進めましょう。
申請に必要な書類一覧
申請時に必要な書類は、市区町村によって若干異なる場合があります。以下は一般的な必要書類です。事前に市区町村の窓口またはウェブサイトで確認してください。
- 自立支援医療費支給認定申請書市区町村の窓口またはウェブサイトで入手。氏名・住所・指定医療機関等を記入する。
- 診断書(自立支援医療用)主治医に作成してもらう。申請書と同じ書式(精神通院医療用)が必要。作成日から3か月以内のものに限る。
- 健康保険証現在加入している医療保険の保険証(マイナンバーカードの保険証利用登録がある場合は確認が必要)。
- マイナンバー確認書類マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類(運転免許証・パスポート等)。
- 本人確認書類マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等。
- 世帯の収入を確認する書類市区町村民税(非)課税証明書、または前年の課税情報が市区町村で確認できる場合は不要なことも(要確認)。
- 印鑑(認め印)市区町村によって不要な場合もある。事前に確認を。
- (更新時)現在の受給者証更新申請時のみ。現在使用中の受給者証を持参する。
代理申請・郵送申請について
精神疾患の症状により、本人が窓口に行くことが難しい場合は、家族や支援者による代理申請が可能です。代理人申請の際は委任状が必要な自治体もありますので、事前に確認してください。また、郵送での申請を受け付けている市区町村もありますが、対応状況は自治体によって異なります。
申請から受給者証交付までの期間と注意点
自立支援医療(精神通院医療)の申請から受給者証の交付まで、通常1〜2か月程度かかります。申請が受理されてから都道府県等が審査し、市区町村を通じて受給者証が郵送されるまでの期間です。
この間、受給者証がまだ手元になくても、「申請中」であることを証明する書類(申請受理証明書や「自立支援医療申請中」の記載がある書類)を医療機関に提示することで、1割負担が認められる場合があります(仮払い制度・事前受領制度)。詳細は申請先の市区町村または受診先の医療機関に確認してください。
自立支援医療の適用開始日は、原則として申請日(市区町村窓口に申請書類を提出した日)からとなります。認定が下りた後に遡って適用されるため、申請が通れば「申請日以降に支払った医療費の差額(3割と1割の差)」が返金される場合があります。
更新手続きと変更
受給者証の有効期間は1年。毎年更新が必要です。転居・転院・薬局変更にもそれぞれ手続きがあります。
有効期間は1年間
自立支援医療(精神通院医療)の受給者証の有効期間は1年間です。毎年更新手続きを行わないと、有効期限が切れた後は通常の3割負担に戻ってしまいます。有効期限は受給者証に記載されていますので、必ず確認してください。
更新手続きは有効期限の3か月前から受け付けている市区町村が多いです。また、更新の受給者証が届くまでには1〜2か月程度かかるため、有効期限の2〜3か月前には申請することをお勧めします。期限切れが心配な場合は、受給者証が届いた直後から更新の準備を始めると安心です。
更新時に必要なもの
更新時の必要書類は基本的に新規申請時と同様です。ただし、診断書(意見書)は2年に1回の提出で済むケースが多く(病態や治療方針に変化がない場合)、隔年の更新では診断書の提出が免除されることがあります。
- 更新申請書(市区町村の窓口またはウェブサイトで入手)
- 現在の受給者証(現在使用中の受給者証を持参または添付)
- 健康保険証・マイナンバー確認書類・本人確認書類(新規申請と同様)
- 診断書(自立支援医療用):2年に1回の提出でよい(病態変化がない場合)。更新の奇数年・偶数年どちらに必要かは、最初の申請日によって異なる
- 収入証明書類:所得区分の確認のため必要な場合あり
更新し忘れてしまったら
万が一、有効期限が切れてしまった場合でも、その後すぐに更新申請をすれば、申請日以降から再び1割負担が適用されます。有効期限が切れていた期間中の医療費は通常の負担割合(3割)に戻ってしまいますが、気づいた時点で速やかに申請することが大切です。期限切れを防ぐため、スマートフォンのカレンダーやリマインダーに有効期限の2〜3か月前の日付をセットしておくことをお勧めします。
転居・転院・医療機関変更の手続き
医療機関を変更したいとき(転院):自立支援医療の受給者証に記載されている医療機関を変更したい場合は、市区町村の窓口に「変更届」を提出する必要があります。変更の効力は届出日からとなるため、転院前に必ず手続きを行ってください。転院後に手続きをした場合、転院日から手続き日までの医療費は3割負担になることがあります。
- 変更できる内容:病院・診療所、薬局、訪問看護ステーションの変更
- 必要書類:変更届(申請書)、現在の受給者証、マイナンバー確認書類等
- 変更届のタイミング:転院前(新しい医療機関に初めて受診する前)に提出するのが理想
- 緊急時の対応:緊急で指定外の医療機関を受診した場合は、事後に相談することも可能(市区町村の窓口に確認)
他の市区町村に引っ越したとき(転居):転居した場合は、転居先の市区町村で新たに申請(転入申請)が必要です。旧住所で取得した受給者証は転居後の市区町村では使用できません。転居先の市区町村の窓口で「転入による自立支援医療の申請」を行ってください。
- 転居先での新規申請となるため、診断書(意見書)が必要になる場合がある
- 審査・交付まで1〜2か月かかるため、転居が決まったら早めに手続きを進める
- 転居前の受給者証の有効期限内であれば、認定の引き継ぎがスムーズになる場合がある(市区町村によって異なる)
- 転居元の受給者証は有効期限まで有効という制度の解釈もあるが、実際の運用は自治体によって異なるため必ず確認を
薬局だけを変えたいとき:引っ越しや薬局の都合などで、処方箋を持っていく薬局を変えたい場合も変更届が必要です。「病院は変えないが薬局だけ変えたい」という場合でも、受給者証に記載されている薬局が変わるため、市区町村の窓口で変更手続きを行ってください。手続き前に新しい薬局が指定医療機関かどうかも確認しましょう。
収入変化があったときの対応
アルバイトの開始・就職・失業・生活保護開始など、世帯の収入状況の変化に応じて自己負担上限額が変わる可能性があります。
収入が変わると自己負担上限額も変わる
自立支援医療の自己負担上限額(所得区分)は、世帯の市区町村民税課税状況に基づいて決まります。そのため、アルバイトを始めた・収入が増えた・就職したなど、世帯の収入状況が変化すると、次回の更新時に所得区分が変わり、自己負担上限額が変わる可能性があります。
- 収入が増えた場合:所得区分が上の区分(例:低所得2から中間所得1)になると、上限額が上がる(または上限なしになる)可能性がある
- 収入が減った場合・失業した場合:所得区分が下の区分になると、上限額が下がり(例:中間所得1から低所得2)、自己負担が軽くなる可能性がある
- 基準は前年の収入:所得区分の判定には、前年の収入に基づく市区町村民税の課税状況が使われることが一般的。バイトを始めた直後は翌年の更新時に区分が変わる
収入変化時の手続き
有効期間中に世帯の収入状況が大きく変化した場合(失業、生活保護の受給開始・終了など)、更新を待たずに変更届を提出することで所得区分の変更ができる場合があります。特に、収入が大きく減った場合は早めに市区町村の窓口に相談してみましょう。
就職・復職したときの注意点
就職・復職により健康保険が変わった場合(国民健康保険から会社の健康保険に加入するなど)、保険証の変更届を市区町村の窓口に提出する必要があります。受給者証の記載情報(保険の種類・番号)が変わるためです。新しい保険証を受け取ったら、速やかに市区町村の窓口で変更手続きを行ってください。
精神保健福祉センター・相談先・よくある質問
申請に悩んだら一人で抱え込まず相談を。精神保健福祉センターは都道府県・政令指定都市に設置されており、全国に約70か所あります。
精神保健福祉センターとは
精神保健福祉センターは、都道府県および政令指定都市が設置する、精神保健・精神障害者福祉に関する専門機関です。精神科医、精神保健福祉士、臨床心理士、保健師などの専門家が在籍し、以下のような業務を行っています。
- 精神保健・医療・福祉に関する相談:本人や家族からの電話・来所相談を無料で受け付けている
- 自立支援医療(精神通院医療)の判定:都道府県等では、市区町村から送られてきた申請書類に基づき、精神保健福祉センターで「重度かつ継続」の判定を行うことがある
- 精神障害者保健福祉手帳の申請に関する業務:自立支援医療とは別の制度だが、同じ窓口・機関が関わることが多い
- デイケアや社会復帰支援:一部のセンターでは、自立訓練やデイケアなどのリハビリプログラムを提供している
制度について相談できる窓口
自立支援医療制度の申請方法がわからない、自分が対象になるかどうか不安、手続きが難しくて一人では無理、といった場合は、以下の窓口に相談してみましょう。
まだ精神科・心療内科に通院していないが、「自立支援医療について知りたい」「自分が対象になるか知りたい」という方は、まず精神保健福祉センターや相談支援事業所に電話で相談することができます。精神科・心療内科への受診に不安がある方も、受診前の相談に応じています。
よくある質問
A. いいえ、精神障害者保健福祉手帳がなくても申請できます。自立支援医療(精神通院医療)と精神障害者保健福祉手帳は別々の制度です。手帳は取得に抵抗がある方、取得できる状態でない方も、自立支援医療だけを申請することができます。また逆に、手帳を持っていれば自動的に自立支援医療も使えるわけでもなく、別途申請が必要です。ただし、同じ診断書や書類を使いまわせる部分もあるため、同時申請すると手間が省ける場合があります。主治医や市区町村の窓口に相談してください。
A. 入院医療は対象外です。自立支援医療(精神通院医療)は「通院(外来)による医療」のみが対象です。精神科病院に入院している間は適用されません。退院して外来に切り替わった後から適用となります。なお、入院医療費については、高額療養費制度を利用することで負担を軽減できる場合があります。退院後に自立支援医療を申請したい場合は、退院前に主治医に相談しておくとスムーズです。
A. 原則として、受給者証に記載できる医療機関は1か所です(都道府県等によって複数指定が認められる場合もあります)。複数の精神科・心療内科に通院している場合は、どの医療機関を指定するかを決める必要があります。指定していない医療機関での受診は通常の3割負担になります。どの医療機関を指定するかは申請時に選択しますが、変更届を提出すれば途中で変更することも可能です。
A. アルバイト収入がある方でも申請できます。所得区分は世帯全体の市区町村民税の課税状況に基づいて決まります。市区町村民税の所得割額が年23万5千円未満であれば対象となります。ただし、所得割額が23万5千円以上の高所得世帯は制度の対象外となります。アルバイト収入がどの程度の税額になるかは自治体窓口や税務署に確認するか、前年分の住民税決定通知書で確認できます。
A. はい、転居先の市区町村で新たに申請が必要です。旧住所で取得した受給者証は、転居後に別の市区町村に住んでいる状態では原則として使用できません(都道府県をまたがない場合でも、市区町村が変われば新しい申請が必要です)。転居が決まったら、転居先の市区町村の担当窓口に早めに問い合わせて、必要な手続きを確認しましょう。審査・交付に1〜2か月かかるため、転居後すぐに申請することをお勧めします。
A. 医療機関によっては、後から受給者証を提示することで差額分(3割と1割の差)を返金してもらえる場合があります。受給者証を持参し忘れた場合は、できるだけ早く(同月中が望ましい)受給者証を持って医療機関に申し出てください。対応可能かどうかは医療機関によって異なります。また、市区町村によっては、一定期間内に申請することで差額分を「療養費(自立支援医療費の還付)」として払い戻してもらえる制度がある場合もあります。
A. 自立支援医療(精神通院医療)の申請情報が、本人の同意なく会社・学校・第三者に通知されることはありません。申請・受給者証の情報は、市区町村・都道府県等の行政機関および指定医療機関のみが把握する情報であり、個人情報保護法の対象です。なお、会社の健康保険に加入している場合、医療機関での受診記録が健康保険組合に送られることがありますが、自立支援医療の適用があるかどうかが会社の人事担当者に直接伝わるわけではありません。
A. 通院頻度が減っても、精神科・心療内科への通院が続いている限りは制度を利用し続けることができます。制度を「やめる」(返納する)義務はなく、受給者証の有効期間中は使用できます。精神疾患は再発リスクがあるため、主治医と相談しながら通院を継続するかどうかを決めてください。もし主治医から「通院終了」の判断が出た場合、次回の更新時に申請しなければ自然に終了します。途中で返納したい場合は市区町村の窓口に相談してください。
医療費の不安で、
通院をためらっているあなたへ
自立支援医療制度(精神通院医療)をはじめ、精神科・心療内科への通院に関する悩みや不安、ぜひ聞かせてください。ここでは、制度のことも、気持ちのことも、どちらも話せます。
このページの情報は一般的な解説です。実際の申請内容や審査基準は市区町村・都道府県によって異なる場合があります。必ずお住まいの市区町村窓口または主治医にご確認ください。
