よりそいホットラインとは?
電話番号・相談内容・使い方を完全解説
24時間・無料・匿名で、どんな悩みにも寄り添う電話相談。0120-279-338の基本情報から、4つの専門回線、繋がりにくい時の対処法、他の窓口との比較、専門機関への橋渡しまで——必要な情報をすべてまとめました。
よりそいホットラインとは
よりそいホットラインは、一般社団法人社会的包摂サポートセンターが厚生労働省の補助を受けて運営する、無料・24時間・365日対応の総合電話相談サービスです。「どんな人のどんな悩みにも寄り添う」ことを理念に、社会の最初の相談窓口として機能しています。
概要と設立の経緯
よりそいホットラインとは、一般社団法人社会的包摂サポートセンターが厚生労働省の補助を受けて運営する、無料・24時間・365日対応の総合電話相談サービスです。2012年に本格運用が開始されました。「どんな人のどんな悩みにも寄り添い、一緒に解決の方法を探す」という理念のもと、社会から排除されがちな人々の「最初の相談窓口」として機能しています。
背景には、2011年の東日本大震災後に生活困窮者や孤立した人々が急増し、既存の相談窓口だけでは対応しきれないという社会的な課題がありました。よりそいホットラインはその課題に応える形で、縦割りでなく「どんな悩みでも受け取る」という包括的な窓口として設立されました。
- 正式名称よりそいホットライン
- 運営団体一般社団法人社会的包摂サポートセンター(通称:ほっとプラス)
- 運営主体厚生労働省の補助事業として運営
- サービス開始2012年(試験運用は2011年)
- 対応時間24時間・365日
- 料金通話料無料(フリーダイヤル)
- 年間相談件数約200万件以上(推計)
「社会的包摂」という理念
よりそいホットラインの根底にある「社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)」とは、あらゆる人が社会の一員として受け入れられ、支え合いながら生きることができる社会を目指す考え方です。
これまでの日本の相談窓口は、「生活保護相談窓口」「DVホットライン」「子ども相談窓口」など縦割りになっており、「自分の悩みがどこに当てはまるかわからない」「複数の問題が絡み合っていて一つの窓口では対応できない」という状況が多くありました。よりそいホットラインは、こうした壁をなくし、「どんな悩みでも、まずここへ」という入口として機能しています。
一般社団法人社会的包摂サポートセンターとは
よりそいホットラインを運営する一般社団法人社会的包摂サポートセンター(以下、サポートセンター)は、社会的に排除されがちな人々の支援を専門とする非営利団体です。よりそいホットライン以外にも、コーディネーター(専門支援員)による個別アウトリーチ支援、自立支援のための情報提供、地域の支援機関との連携など、幅広い活動を行っています。
サポートセンターは、全国各地の相談員ネットワークと連携しており、電話を受けた相談員が必要に応じて地域の支援機関・専門機関につなぐ「橋渡し」の役割も担っています。
電話番号と基本情報
0120-279-338は全国どこからでも通話料無料でかけられるフリーダイヤルです。固定電話・携帯・公衆電話のどこからでも、匿名で24時間相談できます。
電話番号・受付時間・料金
0120-279-338(フリーダイヤル)は全国どこからでもかけることができ、通話料は一切かかりません。東日本大震災の被災地(岩手県・宮城県・福島県)からかける場合は、被災者支援専用ダイヤルの0120-279-226を使用します。
固定電話・携帯電話どちらからでも可能
よりそいホットラインは、固定電話・携帯電話・スマートフォンのどこからでも電話することができます。0120から始まるフリーダイヤルのため、通話料は完全に無料です。公衆電話からも無料でかけることができます。
- 固定電話通話料無料でかけられる
- 携帯電話・スマートフォン通話料無料。ただし、格安SIMや一部のプランでフリーダイヤルの扱いが異なる場合があるため、事前に確認を
- 公衆電話10円玉不要で通話可能(フリーダイヤルのため)
- 海外からの利用フリーダイヤルは国内専用のため、海外からはかけることができない
匿名での相談が可能
よりそいホットラインへの相談は完全匿名で行うことができます。名前・住所・連絡先などの個人情報を明かす必要はありません。「名前を言わなくても大丈夫ですか?」と心配している方も、安心して電話してください。
ただし、相談の内容によっては、地域の支援機関につなぐ際に大まかな居住地域を尋ねることがあります。その場合も、市区町村レベルの情報を伝えるだけで十分です。
相談できる内容と対象者
よりそいホットラインの最大の特長は「どんな悩みでも受け付ける」という包括性です。年齢・性別・国籍・障がいの有無を問わず、すべての人が利用できます。
どんな悩みでも受け付けている
よりそいホットラインの最大の特長は、「どんな悩みでも受け付ける」という包括性にあります。特定の種類の悩みに限定しておらず、人生のあらゆる困りごと・つらさに対応します。
- 生活・お金の悩み生活費が足りない、家賃が払えない、多重債務、失業、生活保護の申請方法がわからない
- 仕事の悩み職場のハラスメント、解雇・退職、過労、就職・転職の不安、ブラック企業
- 住まいの悩み家を失った、ホームレス状態、立ち退きを求められている、住む場所がない
- 家族・人間関係の悩み家族との不和、親子関係、孤立、引きこもり、離婚・別居
- 健康・病気の悩み体の病気、精神的なつらさ、治療費が払えない、受診の仕方がわからない
- 法律・制度の悩み法的手続きの方法、行政手続き、権利侵害への対処
- 性・ジェンダーの悩みセクシュアリティへの葛藤、性自認、同性愛、トランスジェンダー
- DV・ハラスメントの悩み配偶者・パートナーからの暴力、性暴力被害、ストーキング
- 死にたい・消えたいという気持ち自殺念慮、希死念慮、生きていることがつらい
- ただ話を聞いてほしい特定の問題がなくても、誰かに話を聞いてもらいたいだけでも大丈夫
対象者は「すべての人」
よりそいホットラインは、年齢・性別・国籍・障がいの有無などを問わず、すべての人が利用できます。「自分が利用していいのかわからない」と思っている方も、遠慮せずに電話してください。
「相談するほどの悩みかどうか」は気にしなくていい
「こんなことで電話してもいいのだろうか」と躊躇している人は少なくありません。しかし、よりそいホットラインには「相談に値しない悩み」などというものはありません。
電話する理由は何でも構いません。「何か話したいけど、何を話せばいいかわからない」「誰かに声を聞かせてほしい」「今すごく苦しい」——それだけで十分な理由です。むしろ「こんなことで」と思うような小さな悩みも、溜め込むことで大きな問題に発展することがあります。早い段階で気軽に相談できる場所として活用してください。
よりそいホットラインの相談員は、相談を受けることが仕事です。「迷惑」という概念は当てはまりません。
相談員が笑ったり、軽視したりすることはありません。どんな悩みも真剣に受け止めてもらえます。
うまく話せなくて構いません。泣いても、黙っていても、相談員はそばにいてくれます。
解決に時間がかかることはありますが、「今夜をやり過ごす力」「次の一歩を踏み出す力」を得ることは可能です。
4つの専門相談回線
よりそいホットラインには、総合相談回線のほかに、特定の悩みに専門的に対応するための専門相談回線が設けられています。電話をかけると最初に一般相談回線で受け付け、必要に応じて専門回線の担当者につないでもらえる仕組みです。
自殺・DV・外国語・産業労働の専門回線
主な専門回線は以下の4種類です。それぞれの回線には、その分野に特化したトレーニングを受けた相談員が配置されています。
「死にたい」「消えたい」「生きているのがつらい」という気持ちを抱えている方のための専門回線。自殺予防に特化した訓練を受けた相談員が、判断せず、責めず、ただそばにいる姿勢で話を聞きます。
配偶者・パートナーからのDVや、性暴力・性被害を受けた方のための専門回線。女性の相談員が対応することが多く、安心して話せる環境が整えられています。男性からの相談も受け付け。
日本語でのコミュニケーションが難しい外国籍の方や在日外国人の方のために、複数の言語で相談を受け付けています。
働く人の悩みや、特定の属性・状況に関わる専門的な相談にも対応しています。
- 24時間365日、専門相談員が待機
- 「死にたい」という言葉を直接伝えても大丈夫
- 自殺念慮の強さを一緒に確認し、必要な場合は救急・警察への連絡も行う
- 希死念慮の背景にある「本当の困りごと」を一緒に整理する
- 通話後のフォローアップ支援(コーディネーターによるアウトリーチ)も可能
- DV・性暴力被害の経験がある女性を主な対象とする(男性からの相談も受け付け)
- 加害者から逃げるための緊急シェルター情報の提供
- 被害届の出し方、配偶者暴力相談支援センターへのつなぎ
- 性暴力被害者支援センター(ワンストップセンター)への案内
- 法的手続き(接近禁止命令等)の情報提供
- 子どもを連れて逃げる場合の支援情報
- 対応言語(主な例):英語、中国語(普通話・広東語)、韓国語・朝鮮語、タイ語、タガログ語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語・マレー語、ヒンディー語など
- 在留資格・ビザの問題、労働問題、生活困窮、差別・ハラスメントなどに対応
- 外国語回線専用のダイヤル番号が設定されている場合もある(公式サイトで要確認)
- 日本の制度・サービスにアクセスするための情報提供や機関へのつなぎも行う
- 産業・労働相談:職場のハラスメント、未払い賃金、解雇、過労、労働条件の問題
- セクシュアルマイノリティ相談:性的指向・性自認に関する悩み、カミングアウト、差別体験
- 障がい者相談:障がい福祉サービスの利用、就労支援、日常生活の困難
- 被災者相談(東北3県専用):震災関連の生活再建、PTSD、孤立支援
- ひきこもり・不登校:自室から出られない、学校に行けない、家族の悩み
電話のかけ方と相談の流れ
事前準備は必要ありません。「何を話せばいいかわからない」状態でも大丈夫。相談員が話を引き出してくれます。一般的な相談の流れを把握しておくと安心です。
電話をかける前の準備
よりそいホットラインへの電話に、事前に準備することは必要ありません。「何を話せばいいかわからない」という状態でも大丈夫です。相談員が話を引き出してくれます。ただし、以下を意識しておくとよりスムーズに相談できます。
- できるだけ静かで落ち着いて話せる場所を選ぶ(周囲に聞かれたくない場合は特に)
- 今自分が一番困っていること・つらいことをざっくりと頭に置いておく
- 「話を聞いてほしいだけ」「具体的な情報が知りたい」など、相談のゴールをなんとなく考えておくと伝えやすい
- 急いでいるわけではないが、混雑する時間帯を避けると繋がりやすい
電話してからの流れ(7ステップ)
実際に電話をかけると、どのような流れになるのでしょうか。一般的な相談の流れを説明します。
「話せなかった」場合でも大丈夫
電話はしたものの、緊張して声が出なかった、泣いてしまって話せなかった、という経験をする人もいます。そのような場合も、相談員はあわてず、静かに待ってくれます。
「無言でかけてしまった」「泣いてしまってうまく話せなかった」場合でも、相談員は電話を切らずに「そこにいますよ、ゆっくりでいいですよ」と待ってくれます。沈黙の時間があっても問題ありません。
チャット・SNS相談など電話以外の方法
「電話で話すのが苦手」「声が出せない状況にある」「聞かれたくない人が近くにいる」という方のために、サポートセンターは電話以外の相談手段も用意しています。
チャット・SNS・SMS相談の選択肢
電話が苦手な人、声を出せない環境にある人、聴覚障がいのある方も含め、テキストでつながれる相談チャネルがあります。よりそいホットラインのチャット相談以外にも、並行して活用できる窓口が用意されています。
繋がりにくい場合の対処法
よりそいホットラインは人気が高く、特定の時間帯には電話が集中して繋がりにくくなることがあります。繋がりやすい時間帯と、繋がらないときの5つの対処法を知っておきましょう。
よりそいホットラインが繋がらない理由
よりそいホットラインは人気が高く、特定の時間帯には電話が集中して繋がりにくくなることがあります。「何度かけても話し中」「保留音が続いてそのまま切れてしまった」という経験をする利用者も少なくありません。
- 相談員の数に限界があるどれだけ需要が高くても、対応できる相談員の絶対数に上限がある
- 一件あたりの通話時間が長い深刻な悩みの相談は長時間になりやすく、回線が塞がれる時間が長くなる
- ピークタイムに集中する夜間・深夜・週末など、精神的につらくなりやすい時間帯に電話が集中する
- 報道・SNSで話題になると急増社会問題が大きく報道された後などは一時的に相談件数が急増する
時間帯別の繋がりやすさ(目安)
利用者の経験や口コミから、比較的繋がりやすいとされる時間帯があります。ただし、日によって変動があるため、目安としてお考えください。
利用者が少なく、比較的繋がりやすい時間帯。
夜間や週末に比べて空いている傾向。
夜間の混雑が落ち着いた後の時間帯。
精神的につらくなりやすい時間帯で混雑。
特に混雑しやすく繋がりにくい。
繋がらない場合の対処法5つ
「繋がらなくてもあなたのせいではない」
よりそいホットラインに電話が繋がらないことは、あなたの相談内容が重要でないわけでも、あなたが歓迎されていないわけでもありません。単純に回線が混雑しているだけです。
繋がらなかったからといって「自分には助けてもらえない」と思わないでください。時間を変えて再度かけるか、別の窓口を試してください。あなたの悩みを受け取る場所は必ずあります。
相談員の対応と支援の特徴
よりそいホットラインの相談員は、傾聴・非審判的態度・秘密保持・自己決定の尊重を基本に、約1,000名以上が在籍。電話で完結せず、必要に応じてコーディネーターによるアウトリーチ支援も行います。
「話を聞く」ことが最優先
よりそいホットラインの相談員は、一般公募や推薦を経て採用された後、専門的な研修を受けた人たちです。全国に約1,000名以上の相談員が在籍しており、それぞれが担当領域に関するトレーニングを継続的に受けています。相談員の姿勢の核心は、「まず話を聞く」こと。アドバイスや解決策を押し付けるのではなく、相談者が自分の言葉で悩みを語れるよう、安全な場をつくることを最優先にします。
コーディネーターによるアウトリーチ支援
電話相談だけでなく、必要に応じてコーディネーター(専門支援員)が継続的な支援に入ることがあります。
- 定期的な電話でのフォローアップ
- 地域の支援機関(社会福祉協議会、行政、NPOなど)への橋渡し
- 複合的な課題を抱えた方への多機関連携支援
- 緊急の場合には警察・救急への連絡も行う
電話一本で終わりではなく、必要に応じて「その後もどうなったか」まで寄り添ってくれる仕組みになっています。よりそいホットラインは単独で機能するのではなく、日本各地の地域支援体制と連携して機能しており、精神保健福祉センター・社会福祉協議会・NPO・行政機関・緊急時の警察/救急と協力しながら継続的なサポートを行う体制を整えています。
よりそいホットラインでできないこと
よりそいホットラインは多くの悩みに対応できますが、できないこと・苦手なこともあります。あらかじめ理解した上で活用することで、期待とのギャップを防ぐことができます。
他の相談窓口・専門機関への橋渡し
よりそいホットラインはあくまで「最初の相談窓口」です。他のホットラインとの違いを知り、精神保健福祉センター・自立支援医療制度など専門機関への次の一歩を踏み出しましょう。
主要な相談窓口の比較
あらゆる悩みに対応。専門回線あり(DV・外国語・自殺・産業)
主に自殺予防・孤独感に特化。ボランティア相談員
精神保健に関する悩み専門。精神保健福祉士等が対応
子どものいじめ・虐待・差別専門
DV専門窓口に自動転送。最寄りの相談機関につながる
性暴力被害専門。証拠保全・医療・法律支援まで一元対応
精神保健福祉センターとは
精神保健福祉センターは、各都道府県・政令指定都市に設置された、心の健康に関する相談・支援・情報提供を行う公的機関です。精神科医・精神保健福祉士・臨床心理士などの専門家が対応しており、無料で相談することができます。
- 電話・来所・一部はオンラインでの相談が可能
- うつ、不安、統合失調症、依存症、ひきこもりなど幅広いテーマに対応
- 精神科受診につながるための「受診の勧め方」も相談できる
- 自立支援医療制度の申請に関する情報も提供してくれる
- 家族が本人の代わりに相談することも可能
- 匿名での相談も受け付けている
よりそいホットラインに電話した後、「もっと詳しく専門家に相談したい」と感じた場合の次のステップとして、精神保健福祉センターへの相談を活用することを強くお勧めします。
自立支援医療制度(精神通院医療)とは
自立支援医療制度(精神通院医療)は、精神疾患(うつ病・適応障害・不安障害・統合失調症・双極性障害など)で継続的に精神科・心療内科に通院している方が、医療費の自己負担を軽減できる公的制度です。
よりそいホットラインで「精神的につらい」「病院に通いたいけれど費用が心配」という相談をした場合、相談員からこの制度を案内されることがあります。精神保健福祉センターでも詳しい申請方法を教えてもらえます。
電話相談は「話を聞いてもらう」場所であり、医療の代替にはなりません。以下のような症状が2週間以上続いている場合は、精神科・心療内科への受診を検討してください。
- ✓強い落ち込み・悲しみ・虚しさが続いている
- ✓何もやる気が出ない、興味・喜びが感じられない
- ✓眠れない、または眠り過ぎてしまう
- ✓「死にたい」「消えたい」という気持ちが頭から離れない
- ✓日常生活(仕事・家事・学業)に著しい支障が出ている
- ✓原因不明の身体症状(頭痛・腹痛・動悸)が続いている
悩み別の専門機関一覧
よりそいホットラインは「最初の相談窓口」。問題の解決や適切な治療・支援には、専門機関へつながることが重要です。
自殺対策大綱とよりそいホットラインの位置づけ
日本では毎年約2万人前後が自殺で亡くなっており、先進国の中でも自殺率が高い水準にあります。厚生労働省の統計によると、2023年の自殺者数は21,837人(警察庁調べ)となっており、コロナ禍以降の経済的困窮・孤立の増大が続いています。自殺の背景には、うつ病などの精神疾患、生活困窮、孤立、DV被害、職場問題など、複合的な要因が絡み合っています。
- 自殺者の約9割が、自殺前に何らかのサインを発していたとされる
- 早期に適切な相談窓口につながることで、自殺を防げるケースが多いことが研究で示されている
- よりそいホットラインは、そうした「最初の一歩」を支える重要な安全網として機能している
- 「死にたい」という気持ちは、多くの場合「死ぬしかない状況から逃れたい」という叫びであり、適切なサポートがあれば乗り越えられることがほとんど
日本政府は「自殺総合対策大綱」(2022年改定)に基づき、自殺対策を国家的な施策として推進しています。よりそいホットラインは、この大綱に示された「相談支援体制の充実」の中核的な取り組みとして位置づけられており、厚生労働省の補助金によって運営されています。大綱では「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を目指し、相談しやすい環境の整備・早期発見・支援機関へのつなぎの強化が掲げられています。
「ただ話を聞いてもらうだけ」のように思えても、電話相談には重要な心理的効果があることが研究で示されています。
よりそいホットラインの存在を、もっと多くの人に知ってもらうことが大切です。特に以下のような方々に、ぜひこの番号を伝えてください。
- 孤立している高齢者の近くにいる方配偶者を亡くし、子どもとも疎遠になった高齢者は孤独死・孤立死のリスクが高い。「困ったことがあればここに電話できるよ」と伝えるだけで大きな安心につながる。
- 若者・10代の子どもと関わる大人学校の先生、スクールカウンセラー、部活の指導者など。子どもが「死にたい」と打ち明けてきたとき、まず話を聞いた上でよりそいホットラインや精神科受診につなぐ。
- 外国人コミュニティのリーダー・支援者日本語が不自由な外国人は日本の支援制度にアクセスしにくい。外国語対応があることを周知することで支援につながるケースが増える。
- SNSで孤独・希死念慮を発信している人を見たとき「よりそいホットライン(0120-279-338)に電話してみて」と一言伝えることが、命を救う一歩になることがある。
利用者の声・特別な配慮・よくある質問
実際に使った人の声、子ども・若者・外国人・聴覚障がいのある方への配慮、相談のためらいへの答え。よりそいホットラインに踏み出す前に知っておきたい情報をまとめました。
よりそいホットラインを使った人の声
よりそいホットラインを実際に使った人の声からは、おおむね次のような評価が見られます。「否定されずに話を聞いてもらえた」「何も言わなくても泣いているとわかってくれた」などの共感的対応への満足、「深夜に電話できる場所があることで安心できた」という24時間対応への安堵感、「具体的な解決策は教えてもらえなかったが、話すだけで楽になった」という声も多く挙がっています。
- 「深夜2時に我慢できなくなって電話した。声を聞いてもらえただけで泣きながら朝を迎えられた」(20代女性)
- 「DV被害でどこに相談すればいいかわからなかった。電話したらシェルターの情報を教えてくれて、その夜のうちに逃げることができた」(30代女性)
- 「外国語で相談できると知らなかった。片言の日本語でも聞いてくれると思っていたが、ポルトガル語対応の相談員がいて驚いた」(40代男性)
- 「死にたいという言葉を初めて声に出せた場所だった。否定されずに話を聞いてもらえて、少し楽になった」(10代女性)
- 「いきなり精神科に行くのが怖くて電話した。相談員が精神保健福祉センターを紹介してくれて、次の一歩が踏み出せた」(50代男性)
課題として挙げられる声
- 「何度かけても繋がらなかった。もっと相談員を増やしてほしい」という混雑問題
- 「相談員によって対応が全然違う。丁寧な人とそうでない人の差が大きい」というばらつきの問題
- 「話を聞いてもらえたが、具体的なアドバイスや解決策はもらえなかった」という期待値のギャップ
- 「チャット相談の対応時間が限られていて、夜中は使えなかった」という時間的な制約
これらの課題を踏まえ、「電話がつながらない場合は他の窓口も活用する」「具体的な解決策が必要な場合は専門機関への相談を続ける」という使い方が現実的です。
子ども・若者・外国人が使う場合の注意点
子ども・10代の利用者へ よりそいホットラインは子どもや10代の方も利用できます。「大人向けの窓口では?」と思う必要はありません。いじめ・不登校・家庭内の問題・性被害・死にたいという気持ちなど、10代特有の悩みにも対応しています。
- 名前を言わなくても電話できる(匿名可)
- 保護者に内容を伝えることはない(原則秘密保持)
- 「子どもだから相談してはいけない」ということはない
- ただし、虐待など緊急性の高い問題の場合、児童相談所などへの連絡が入ることがある
- 子ども専門の相談窓口として「子どもの人権110番(0120-007-110)」もある
外国人・在日外国人の利用者へ 外国語対応回線を利用することで、母語での相談が可能です。
- 対応言語:英語・中国語・韓国語・タイ語・タガログ語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・ネパール語・インドネシア語など
- 在留資格・ビザ問題・労働問題・差別相談も受け付け
- 日本の制度や支援機関につないでもらえる
- 外国語回線の利用方法は公式サイト(since2011.net/yorisoi/n2/)で確認できる
もし今、誰かに話を聞いてほしいと思っているなら、その気持ちを大切にしてください。「電話しようかな」という気持ちが湧いたとき、それはあなたが助けを必要としているサインです。迷わず0120-279-338にかけてみてください。
よくある質問
A. 年齢制限はなく、子どもから高齢者まで、すべての年代の方が利用できます。日本語が話せない外国人も、外国語対応回線(英語・中国語・韓国語・タイ語・ポルトガル語など10カ国語以上)で相談可能です。「自分が使っていいのか?」と迷っている方も、どうか遠慮せずにかけてみてください。「こんな悩みでは電話してはいけない」という悩みは存在しません。
A. はい、通話料は完全に無料です。固定電話・携帯電話・スマートフォン・公衆電話のいずれからかけても料金はかかりません。0120で始まるフリーダイヤルのため、かけた側には一切の費用が発生しません。ただし、一部の格安SIMや特殊なプランでフリーダイヤルへの接続が制限される場合があるため、不安な場合はご利用の通信キャリアにご確認ください。
A. 「死にたい」「消えたい」という言葉を伝えることを恐れる必要はありません。よりそいホットラインの相談員は、そうした言葉を否定したり責めたりしません。「死にたい」という気持ちは、「今のつらさから解放されたい」「誰かに気づいてほしい」という切実なSOSのサインです。相談員はその気持ちをしっかりと受け止め、一緒に考えてくれます。ただし、今まさに自殺を実行しようとしている緊急の状態の場合は、あなたの命を守るために警察・救急への連絡が入る場合があります。これは規則ではなく、あなたのいのちを大切に思うからこそです。
A. よりそいホットラインは常に混雑しており、繋がらないことがあります。繋がらない場合は、①時間を変えて再度電話する(早朝6〜8時や深夜0〜3時は比較的空いている傾向)、②よりそいホットラインのウェブチャット(困りごと情報提供)に切り替える、③「いのちの電話(0120-783-556)」など他の相談窓口に電話する、④「あなたのいばしょ」(24時間チャット)を使う——という方法を試してください。今すぐ命の危険がある場合は、迷わず119番(救急)または110番(警察)に電話してください。
A. 原則として、相談内容は秘密が守られます。相談員が家族や職場に連絡することはありません。ただし、例外として①今すぐ自分または他者の命が危険な緊急事態の場合、②相談者自身が同意した場合——には、警察・救急などへの連絡が行われることがあります。また、名前・住所・勤め先などを伝える必要はなく、完全匿名で相談可能です。電話の履歴が気になる場合は、スマートフォンの「発信履歴削除」の機能を使うことも一つの方法です。
A. 電話相談だけで強制入院になることはありません。よりそいホットラインは医療機関ではなく、あくまで電話相談窓口です。相談員が「入院を命じる」「精神科に連れて行く」などの行為を行う権限はありません。ただし、今まさに命の危険がある緊急事態の場合は、警察・救急への連絡が行われることがあります(前述のとおり)。「電話したら入院させられるのでは?」という不安から相談をためらう必要はありません。
A. よりそいホットラインは「24時間・即座に話を聞いてもらいたい」場合に最適です。一方、精神保健福祉センターは「もう少し時間をかけて専門家にじっくり相談したい」「精神科への受診や地域の支援につないでほしい」という場合に向いています。両者は役割が異なりますが、どちらも無料で利用できます。まず夜中に急につらくなったらよりそいホットライン、翌日落ち着いて「次の一歩」を考えたいときに精神保健福祉センターに相談する——という使い分けが実践的です。
一人で抱え込まないで。
あなたの声を聞かせてください。
「こんなことで電話していいのか」と迷っている今こそ、相談のタイミングです。よりそいホットライン・いのちの電話・ココトモのチャット相談——あなたが話しやすい場所を選んで、最初の一歩を踏み出してみませんか。
このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。
