メンタルヘルス用語辞典 · 障害者総合支援法

障害者総合支援法とは?
目的・対象・サービス体系・2024年改正・精神障害者への適用を徹底解説

うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害など、精神疾患を抱える方の地域生活を支える障害者総合支援法。法律の目的・歴史・対象者・サービス体系・2024年改正の6ポイント・自立支援医療・申請手続き・利用者負担・相談窓口まで、メンタルヘルスの視点を交えて包括的に解説します。

ABOUT

障害者総合支援法とは何か

障害者総合支援法は、身体・知的・精神(発達障害を含む)・難病など、さまざまな障害を抱える方が地域社会で他の人々と共に生活できるよう、必要なサービスや支援を総合的に提供するための法律です。

正式名称と基本概念

法律の正式名称と基本概念

障害者総合支援法の正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」といい、2013年(平成25年)4月1日に施行されました。この法律は、身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)・難病などを抱える障害者および障害児が、地域社会において他の人々と共に生活できるよう、必要なサービスや支援を総合的に提供することを目的としています。

最大の特徴は、それまで別々の法律で規定されていた身体障害・知的障害・精神障害のサービスを一本化し、障害の種別を超えた共通のサービス提供基準を設けた点にあります。これにより、障害の種類や程度によって大きく異なっていた支援の格差が縮小され、より公平・効率的な支援体制が整備されました。

精神疾患にも適用されますうつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害・依存症など、精神疾患を抱える方も障害者総合支援法の対象です。精神障害者保健福祉手帳がなくても、医師の診断書等があれば多くのサービスを利用できます。まずは市区町村の障害福祉担当窓口や精神保健福祉センターに相談してみましょう。
基本理念

法律の5つの基本理念

障害者総合支援法は、以下の基本理念に基づいて障害者・障害児への支援を行うことを定めています。

  • 共生社会の実現障害の有無にかかわらず、すべての国民が相互に人格と個性を尊重しあいながら共生できる社会を目指す。
  • 社会参加の機会の確保障害者が地域社会において自立した生活を送り、社会参加の機会が確保されること。
  • どこで暮らすかを選べる権利障害者が居住地を選択し、地域社会で生活できるよう支援すること。
  • 意思決定の支援障害者が自らの意思で日常生活・社会生活を営めるよう支援すること。
  • 社会的障壁の除去障害があることで生じる社会的な壁(バリア)を取り除くこと。
サービス概観

提供される主なサービスの概観

この法律に基づくサービスは大きく2つに分けられます。一つは国が定める基準に従って個人ごとに支給決定がなされる自立支援給付、もう一つは各市町村や都道府県が地域の実情に応じて柔軟に実施する地域生活支援事業です。自立支援給付にはさらに介護給付・訓練等給付・自立支援医療・補装具費支給・相談支援が含まれます。

HISTORY

法律制定の歴史と経緯

障害者総合支援法は、前身の障害者自立支援法における応益負担への批判と、史上最大規模の違憲訴訟、そして基本合意文書の締結を経て成立しました。その歴史的な歩みをタイムラインで振り返ります。

タイムライン

自立支援法から総合支援法、そして2024年改正へ

障害者総合支援法の歴史は、当事者・家族・支援者の声と運動によって動かされてきた歴史でもあります。主要な節目を年表で確認しましょう。

2006年(平成18年)4月
障害者自立支援法の施行
身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・精神保健福祉法でバラバラに提供されていたサービスを一本化。しかし所得に応じた応能負担から、サービス利用量に応じて負担が増える「応益負担」が導入され、重度障害者ほど負担が重くなる仕組みが強い批判を受けた。
2008年(平成20年)10月
違憲訴訟の提起
全国の障害者・家族・支援者が「応益負担は憲法が保障する生存権・平等権を侵害する」として一斉に違憲訴訟を提起。訴訟は全国71か所に及び、障害者運動史上最大規模の法廷闘争となった。
全国71か所
2010年(平成22年)1月
基本合意文書の締結
国(厚生労働省)と原告団・弁護団の間で基本合意文書を締結。「応益負担制度を廃止し、遅くとも2013年8月までに新法を施行する」ことが約束され、障害者総合支援法制定への道が開かれた。
2011年(平成23年)8月
骨格提言の発表
厚生労働省「障害者総合福祉部会」が骨格提言を発表。応益負担の廃止・障害程度区分の見直し・難病の対象化など、抜本的な制度改革を求めた。
2012年(平成24年)6月
障害者総合支援法の成立
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」が成立・公布。法律名から「自立支援」が削除され「総合支援」に改められ、支援の幅を広げる意欲が込められた。ただし応益負担は実質的に継続された。
2013年(平成25年)4月
障害者総合支援法の施行
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律として施行。身体・知的・精神の障害種別を超えた共通サービス提供基準が確立。
2014年(平成26年)4月
重度訪問介護の対象拡大ほか
重度訪問介護の対象拡大・ケアホームのグループホームへの一元化・難病患者等の対象範囲拡大(当初130疾病)。
2016年(平成28年)5月
自立生活援助・就労定着支援の創設
「自立生活援助」「就労定着支援」等の新サービスが創設され、高齢障害者への支援も強化された。
2018年(平成30年)4月
2016年改正法の施行
自立生活援助・就労定着支援が新設施行。就労移行支援の充実・障害児支援の強化なども進められた。
2022年(令和4年)12月
2024年改正法の成立
地域生活支援・就労支援・精神障害者支援の強化等を盛り込んだ改正法が成立。
2024年(令和6年)4月
2022年改正の主要部分施行
共同生活援助の見直し・基幹相談支援センター整備の努力義務化・精神保健相談支援対象の拡大等が施行された。
💡
法律名の変更が示すもの「自立支援法」から「総合支援法」へ——名称の変更には、自立を強要する仕組みから、本人の意思決定と地域生活を総合的に支える方向への転換が込められています。
TARGET

対象となる障害者の範囲

障害者総合支援法は、身体・知的・精神(発達障害を含む)・難病・障害児まで、従来の障害者自立支援法よりも広い範囲を対象としています。精神障害については手帳がなくても診断書で利用できる点が重要です。

5つの対象区分

障害者総合支援法における「障害者」の定義

障害者総合支援法における「障害者」は、従来の障害者自立支援法よりも広い範囲を対象としています。具体的には以下の方々が含まれます。

🦽
身体障害者
身体障害者福祉法に規定される身体障害者(視覚・聴覚・平衡機能・音声言語・そしゃく・肢体不自由・内部障害)。
🧩
知的障害者
知的障害者福祉法にいう知的障害者。
🧠
精神障害者
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)にいう精神障害者(発達障害者支援法に規定する発達障害者を含む)。
🩺
難病患者等
治療方法が確立していない疾病その他の特殊疾病であって政令で定めるもの。2014年4月から対象に追加。2021年11月以降は366疾病が対象。
👶
障害児
児童福祉法に規定する障害児(主に通所支援の対象)。
精神障害者の範囲

精神障害者の範囲(メンタルヘルスとの関係)

障害者総合支援法における精神障害者には、以下のような疾患・状態の方が含まれます。精神障害者保健福祉手帳の有無にかかわらず、医師の診断があれば対象となります。

  • 統合失調症幻覚・妄想・思考障害などを伴う精神疾患。
  • 気分障害(うつ病・双極性障害等)抑うつ状態や躁うつを繰り返す疾患。
  • 不安障害・パニック障害強い不安や恐怖、パニック発作を呈する状態。
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)トラウマ体験後に生じる重篤なストレス反応。
  • 発達障害(ASD・ADHD等)自閉スペクトラム症・注意欠如多動症など、発達障害者支援法に規定される者。
  • 依存症(アルコール・薬物等)物質依存やプロセス依存により日常生活に著しい支障がある場合。
  • てんかん自立支援医療(精神通院医療)の対象となる疾患の一つ。
  • 認知症若年性認知症等、精神保健福祉法上の精神障害に含まれる場合がある。
💡
ただし、精神障害によるサービス利用に際しては、疾患の状態・生活機能の低下の程度・支援の必要性などが総合的に判断されます。「診断名があるだけ」では必ずしもすべてのサービスが利用できるわけではなく、障害支援区分の認定や個々の支給決定が必要です。
難病患者等

難病患者等の対象拡大について

2014年(平成26年)4月から、難病患者等も障害者総合支援法の対象に加わりました。当初は130疾病が対象でしたが、その後段階的に拡大され、2021年(令和3年)11月からは366疾病が対象となっています。指定難病以外にも、「治療方法が確立していない疾病等」として政令で定められた疾病も含まれます。

難病患者の方は身体障害者手帳がなくても、診断書等によって障害福祉サービスを利用できる可能性があります。関節リウマチ・多発性硬化症・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・パーキンソン病関連疾患など、さまざまな疾患の方が対象に含まれています。

SERVICES

サービス体系の全体像

障害者総合支援法のサービスは「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つの柱からなり、その下に介護給付・訓練等給付・相談支援・自立支援医療・補装具・地域生活支援事業の6カテゴリが配置されます。

サービス構造

6カテゴリで見るサービス全体像

障害者総合支援法に基づくサービスは、大きく2つの柱から成り立っています。一つは国の制度として共通ルールのもとに提供される自立支援給付、もう一つは各市町村・都道府県が地域の実情に応じて実施する地域生活支援事業です。

  • 自立支援給付(介護給付)居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・短期入所・療養介護・生活介護・施設入所支援・重度障害者等包括支援障害支援区分に基づく個別給付。全国共通ルール
  • 自立支援給付(訓練等給付)自立訓練(機能訓練・生活訓練)・就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)・就労定着支援・共同生活援助・自立生活援助障害支援区分不要のサービスが多い。就労・自立に向けた支援
  • 自立支援給付(相談支援)計画相談支援・地域移行支援・地域定着支援・障害児相談支援サービス利用計画の作成・地域移行を支援
  • 自立支援給付(自立支援医療)更生医療・育成医療・精神通院医療医療費の自己負担を軽減(原則1割)
  • 自立支援給付(補装具)義肢・装具・車いす・補聴器等障害を補うための補助器具費用の給付
  • 地域生活支援事業相談支援事業・意思疎通支援・日常生活用具給付・移動支援・地域活動支援センター等市町村・都道府県が地域の実情に応じて実施
2つの柱の違い

自立支援給付と地域生活支援事業の違い

自立支援給付
国基準・全国共通
国が定める共通の基準に従って個々の障害者に個別支給決定が行われる。費用は国・都道府県・市町村が分担して負担(個人の自己負担は原則1割、所得に応じた月額上限あり)。サービスの種類・内容・利用条件は全国共通で、居住地が変わっても同様のサービスを受けられる。
地域生活支援事業
市町村・都道府県の裁量
各市町村・都道府県が地域の特性や利用者ニーズに応じて柔軟に実施。必須事業と任意事業があり、提供されるサービス内容は地域によって異なる。引っ越しの際には新しい市町村でどのサービスが受けられるか確認が必要。
介護給付サービス

介護給付サービスの詳細

介護給付は、日常生活における介護・介助が必要な障害者を対象としたサービスです。利用するためには原則として障害支援区分の認定が必要です(サービスにより必要な区分が異なります)。

居宅系サービス(5種類)

🏠
居宅介護(ホームヘルプ)
自宅で生活する障害者にホームヘルパー(訪問介護員)が、食事・入浴・排せつ等の身体介護、掃除・洗濯・調理等の家事援助、通院時の移動介護等を提供する。障害支援区分1以上が対象。精神障害者でも生活機能の低下があれば利用可能。
🏠
重度訪問介護
重度の肢体不自由者または重度の行動障害がある知的・精神障害者で常時介護が必要な方に、居宅での介護(入浴・排せつ・食事等)、外出時の移動介護、コミュニケーション支援などを長時間提供。障害支援区分4以上が基本要件。
🏠
同行援護
視覚障害により自力での移動が著しく困難な方に、外出時の情報提供(代読・代筆)や移動の援護、排せつ・食事の介護などを提供。
🏠
行動援護
知的障害や精神障害により行動が著しく困難で常時介護が必要な方に、行動の際の危険を回避するための援護や外出支援を提供。障害支援区分3以上が基本要件。
🏠
重度障害者等包括支援
介護の必要性が非常に高い障害者に対し、居宅介護・行動援護・重度訪問介護・短期入所などを包括的に提供。障害支援区分6(最重度)が対象。

日中活動系・施設系サービス(4種類)

🏥
短期入所(ショートステイ)
家族の病気・冠婚葬祭・仕事・介護者の休息(レスパイト)等のため、一時的に施設で介護が必要な場合に短期間(数日〜数週間)入所サービスを提供。障害支援区分1以上が基本対象。精神障害の急性増悪時のケアにも活用される。
🏥
療養介護
医療と常時介護を必要とする障害者に、主に医療機関で機能訓練・療養上の管理・看護・介護・日常生活の世話を提供。ALSや重症心身障害者などが主な対象。障害支援区分5または6が基本要件。
🏥
生活介護
常時介護を必要とする障害者に、日中の施設で入浴・排せつ・食事等の介護・創作的活動・生産活動の機会を提供。障害支援区分3以上(50歳以上は区分2以上)が基本対象。
🏥
施設入所支援
施設に入所している障害者に夜間・休日の入浴・排せつ・食事等の介護を提供。生活介護等の日中活動サービスと組み合わせて利用。
訓練等給付サービス

訓練等給付サービスの詳細

訓練等給付は、自立した生活や社会参加・就労を支援するためのサービスです。介護給付と異なり、多くのサービスで障害支援区分の認定が不要であり、精神障害者・発達障害者にとって活用しやすいサービス群です。

自立訓練(2種類)

🌱
自立訓練(機能訓練)
身体障害者や難病患者等に、理学療法・作業療法などのリハビリテーション、その他必要な支援を提供。原則として利用期間は18か月以内。
🌱
自立訓練(生活訓練)
知的障害者や精神障害者に、入浴・食事・金銭管理・買い物・公共交通機関の利用など日常生活に必要なスキルの訓練を提供。利用期間は原則24か月以内(必要に応じて延長可)。うつ病や統合失調症の回復期にある方が社会復帰に向けて活用するケースが多い。

就労支援サービス(5種類)

💼
就労移行支援
一般企業への就職を希望する65歳未満の障害者に、就労に必要な知識・能力を習得する訓練、就職活動の支援(履歴書作成・面接練習)、就職後のフォローアップを行う。利用期間は原則24か月以内。精神疾患の回復途上にある方が段階的に就労準備をするために多く活用されている。
💼
就労継続支援A型(雇用型)
一般企業での就労が困難な障害者と雇用契約を結んだ上で、就労の機会・生産活動の機会を提供し、能力向上の訓練を行う。最低賃金が保障され賃金(工賃)が支払われる。利用期間に制限なし。
💼
就労継続支援B型(非雇用型)
就労が困難な障害者に雇用契約を結ばずに就労の機会・生産活動の機会を提供。工賃は支払われるが最低賃金保障はなく、比較的少額にとどまるケースも多い。体調の波が大きい精神障害者や、まだ就労準備段階の方が活用しやすい。
💼
就労定着支援
就労移行支援等を利用して一般企業に就職した障害者に、就職後6か月以上の期間にわたり、企業・自宅等への訪問、相談・助言などで職場定着を支援。2018年(平成30年)4月から新設。精神障害者の就職後の不安定さを支える重要なサービス。
💼
就労選択支援(2025年10月予定)
2024年改正で新設。障害者本人の希望・就労能力・適性等に応じた就労先の選択を支援するサービス。支援機関のスタッフと一緒に就労体験等を行いながら自分に合った働き方を探る。2025年(令和7年)10月から段階的実施予定。

居住支援・地域生活支援サービス(2種類)

🏘
共同生活援助(グループホーム)
地域の共同生活を営む住居(グループホーム)で、夜間や休日に相談・日常生活上の援助・入浴・排せつ・食事等の介護を提供。2024年改正で一人暮らし希望者への支援が強化され、退居後も相談等で継続的にバックアップする機能が加わった。精神障害者が地域で生活するための重要な受け皿として機能。
🏘
自立生活援助
施設・病院・グループホームから独立して一人暮らしを希望する障害者に、定期的な巡回訪問や随時の相談対応を通じて、日常生活上の困りごとの確認・助言・関係機関との連絡調整を行う。2018年(平成30年)4月から新設。精神科病院から地域移行した精神障害者の一人暮らしを支える重要なサービス。利用期間は原則1年以内(延長可)。
地域生活支援事業

地域生活支援事業の内容

地域生活支援事業は、市区町村・都道府県が主体となって地域の実情に応じて柔軟に実施するサービスです。国が大枠を示し、各地域が独自にサービス内容・実施方法・利用条件を設定します。そのため、同じサービス名でも市区町村によって提供内容や利用条件が異なることがあります。

市区町村が実施する必須事業(5種類)

🏛
相談支援事業
障害者・家族・介護者等からの相談に応じ、必要な情報提供や助言を行う。基幹相談支援センターが中核的な役割を担う。2024年改正で基幹相談支援センターの整備が市町村の努力義務となった。
🏛
意思疎通支援事業
聴覚・言語・音声機能・視覚障害等により意思疎通に支障がある障害者に、手話通訳者・要約筆記者・点訳者などを派遣する。
🏛
日常生活用具給付等事業
重度障害者に、日常生活の便宜を図るための用具(特殊マット・特殊便器・ネブライザー等)の給付や貸与を行う。
🏛
移動支援事業
屋外での移動が困難な障害者に、外出のための支援を提供。ガイドヘルパーが同行し、社会参加や余暇活動を支援。同行援護・行動援護との違いは、身体・知的・精神を問わず幅広く対象としている点。
🏛
地域活動支援センター事業
障害者が地域で自立した日常生活・社会生活を営めるよう、創作的活動・生産活動の機会の提供、社会との交流促進等を行う施設を運営。精神障害者の居場所として機能することが多い。

市区町村は必須事業のほか、地域の実情に応じて任意事業を実施できます。任意事業の例としては、訪問入浴サービス・日中一時支援・社会参加促進事業・点字・声の広報等発行事業などがあります。

また都道府県は、市区町村に対する専門的な支援、広域支援、人材育成・確保を担います。都道府県の必須事業として、専門性の高い相談支援事業(高次脳機能障害・発達障害・難病患者等)、広域的な支援事業、研修事業などがあります。

2024 REFORM

2024年改正の6つのポイント

2022年12月に成立した改正障害者総合支援法は、主要部分が2024年4月1日から施行されました。「障害者が希望する生活を実現するために地域生活と就労に向けた支援を強化する」ことが柱です。

6つの改正ポイント

精神障害者支援・就労支援を中心とした6本柱

今回の改正は、精神障害者支援の強化や就労支援の充実など、メンタルヘルス分野にとって重要な変更を多く含んでいます。

POINT 1
障害者等の地域生活の支援体制の充実
グループホームに、地域での一人暮らし等を希望する入居者の支援(家事支援・外出支援・金銭管理支援など)と、退居後の相談支援(バックアップ機能)が明確に位置づけられた。さらに基幹相談支援センター・地域生活支援拠点等の整備が市町村の努力義務となり、相談支援体制の整備が全国的に推進されている。
地域生活
POINT 2
障害者の就労支援の強化
就労系サービスに新たに「就労選択支援」が創設(2025年10月から段階的実施)。就労アセスメントと支援機関のマッチングにより、本人の希望に合った就労先が選べるようになる。ハローワーク等との連携も強化され、就労選択支援の結果をハローワークが活用できる仕組みが整備される。精神障害者の就労支援において、本人の希望と就労能力のミスマッチを防ぐことはリカバリーに重要。
就労支援
POINT 3
精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備
都道府県・市町村が実施する精神保健に関する相談支援の対象が拡大。これまでの精神障害者(精神保健福祉法上の定義に合致する者)に加え、改正後は「精神保健に課題を抱える人」(診断の有無にかかわらずメンタルヘルスに困難を抱える人)も対象に。うつ状態にあるが受診に至っていない人、アルコール問題を抱えるが支援につながっていない人、ひきこもり状態の人など、制度の「はざま」に落ちていた人々への支援につながる重要な改正。精神保健福祉センターの機能強化も図られた。
精神保健
POINT 4
難病患者等に対する適切な医療の充実
難病患者の療養生活の向上を図るため、難病患者への医療提供体制の整備・充実を強化。指定難病の研究・医療体制の整備とともに、難病患者が利用できる療養生活支援(相談支援・訪問看護・訪問リハビリ等)の充実が図られた。
難病医療
POINT 5
障害者・難病等についてのデータベースの整備
障害者の支援状況・就労状況・生活実態などのデータ収集・分析・活用を行う仕組みが整備。障害福祉サービス等に関する情報を一元的に管理するデータベースを構築し、施策立案に活用することが法律に明記された。エビデンスに基づく障害福祉施策の改善が進むことが期待される。
データ
POINT 6
その他(障害児支援の強化等)
障害児支援については、医療的ケア児や重症心身障害児への支援強化、障害児入所施設からの移行支援(入所している障害児が18歳後に地域移行する際の支援)の充実などが図られた。居住地主義の例外規定の見直し、意思疎通支援の充実なども盛り込まれた。
障害児等
MENTAL HEALTH

精神障害者への適用とメンタルヘルスとの関連

精神疾患(うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害等)を抱える方も、障害者総合支援法に基づく幅広いサービスを活用できます。手帳がなくても、医師の診断書・意見書があれば多くのサービスが利用可能です。

活用しやすいサービス

精神障害者が利用できるサービスの全体像

精神障害の方が特に活用しやすいサービスとして、以下のものが挙げられます。精神障害者保健福祉手帳がなくても、医師の診断書・意見書等があれば多くのサービスを利用できます。

  • 自立支援医療(精神通院医療)精神科・心療内科への通院医療費が原則1割負担に。薬代・診察料・デイケア費用等に適用。
  • 自立訓練(生活訓練)日常生活スキル(食事・掃除・金銭管理等)の習得を支援。回復期に活用されることが多い。
  • 就労移行支援就職を目指すための職業訓練・就活支援。精神障害者の利用者が増加中。
  • 就労継続支援B型体調の波がある場合でも、無理なく就労体験ができる。
  • 共同生活援助(グループホーム)地域での共同生活による日常生活支援。
  • 自立生活援助一人暮らし移行後の定期訪問・相談支援。
  • 相談支援(計画相談)サービス利用計画の作成・ケアマネジメント。
  • 地域移行支援精神科病院からの退院・地域移行を支援。
  • 地域定着支援地域移行後の継続的な相談・支援体制の維持。
福祉との接点

メンタルヘルス問題と障害福祉サービスの接点

精神疾患は日本の障害者の中でも最も多い障害区分であり、年々増加傾向にあります。厚生労働省の患者調査によると、精神疾患を持つ患者数は約600万人以上とされており(うつ病・不安障害・統合失調症・認知症等を含む)、入院治療から地域生活への移行が国の重要課題となっています。

障害者総合支援法のサービスを活用することで、メンタルヘルスの問題を抱える方が地域で生活を続けながら回復を目指すための基盤が整います。医療(精神科通院・自立支援医療)・福祉(障害福祉サービス)・就労支援・生活支援が連携した「包括的な支援」が、精神疾患からの回復(リカバリー)に不可欠です。

地域移行支援

精神科病院からの地域移行支援

日本では長期にわたる精神科入院の問題(社会的入院)が長年指摘されてきました。障害者総合支援法では地域移行支援(精神科病院や障害者支援施設から地域生活に移行するための支援)と地域定着支援(移行後の継続的な相談・緊急時支援)が位置づけられています。

地域移行支援では、相談支援専門員(社会福祉士・精神保健福祉士等の有資格者)が入院中の患者と面談し、住居の確保・福祉サービスの体験利用・外出支援・退院後の生活設計などをサポートします。精神科病院に1年以上入院していた方が地域移行した場合、支援を担った相談支援専門員には加算が支給される仕組みも設けられています。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターとの連携

各都道府県・政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターは、精神障害者と家族・支援者への相談支援を行う専門機関です。2024年改正により、精神障害者だけでなく「精神保健に課題を抱えるすべての人」への相談対応機能が強化されました。

精神保健福祉センターでは、障害者総合支援法に基づくサービスの利用に関する相談、精神保健福祉手帳の申請・審査、自立支援医療の審査、依存症・ひきこもり・発達障害等の相談支援など、幅広いサービスを無料で提供しています。

制度の「はざま」を埋める改正2024年改正で対象が「精神保健に課題を抱える人」へ広がったことで、診断はないがメンタルヘルスに困難を抱える人、受診に至っていないがアルコール問題を抱える人、ひきこもり状態の人なども相談しやすくなりました。
MEDICAL SUPPORT

自立支援医療制度(精神通院医療)

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患(てんかんを含む)のために通院による治療を継続する必要がある方に対して、その医療費の自己負担を軽減する制度です。

制度の概要

自立支援医療(精神通院医療)とは

自立支援医療(精神通院医療)は、障害者総合支援法に基づく医療費助成制度の一つで、精神疾患(てんかんを含む)のために通院による治療を継続する必要がある方に対して、その医療費の自己負担を軽減する制度です。

もともとは精神保健福祉法に基づく「精神通院医療費公費負担制度(32条)」として存在していましたが、2006年の障害者自立支援法施行に伴い現在の制度に移行しました。

対象疾患と医療範囲

対象となる方・疾患・医療の範囲

精神疾患(てんかんを含む)により通院による治療を継続する必要がある方が対象です。入院治療は対象となりません。主な対象疾患は以下の通りです。

🧠
統合失調症
🧠
気分(感情)障害(うつ病・双極性障害など)
🧠
不安障害(パニック障害・社交不安障害・強迫性障害など)
🧠
てんかん
🧠
認知症
🧠
薬物・アルコール依存症
🧠
発達障害(自閉スペクトラム症・注意欠如多動症など)
🧠
その他の精神疾患(PTSDなどを含む)

自立支援医療(精神通院医療)が適用される医療の範囲は以下の通りです。

🏥
精神科・心療内科への外来診察
診察料・処方せん料など。
💊
薬剤費
精神疾患の治療のための処方薬の費用。
🧘
精神科デイケア
通所によるリハビリテーションプログラムの費用。
🏠
精神科訪問看護
看護師等が自宅を訪問して行う精神科看護の費用。
🩺
外来での検査・処置
血液検査・心電図等の費用(精神疾患の治療に必要なもの)。
自己負担

自己負担のしくみ

自立支援医療(精神通院医療)を利用すると、対象となる医療費の自己負担が原則1割になります(通常の医療保険では3割)。さらに、世帯の所得状況に応じて月額の上限額が設定されているため、高額になりすぎることはありません。

所得区分月額自己負担上限額
生活保護受給世帯0円
低所得1(住民税非課税・本人収入80万円以下)2,500円
低所得2(住民税非課税・それ以外)5,000円
中間所得1(住民税課税・所得割3万3千円未満)5,000円(重度かつ継続の場合)
中間所得2(住民税課税・所得割3万3千円以上〜23万5千円未満)10,000円(重度かつ継続の場合)
一定所得以上(所得割23万5千円以上)20,000円(重度かつ継続の場合・令和9年3月まで経過措置)
💡
重度かつ継続とは統合失調症・躁うつ病・うつ病・てんかん・認知症・薬物依存症等の疾患から対象となる場合、または医療保険の高額療養費の多数該当など高額な医療が継続する場合が該当します。
申請方法

自立支援医療の申請方法

自立支援医療(精神通院医療)の申請は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で行います。

  • 必要書類:申請書・医師の診断書(指定様式)・健康保険証(コピー)・世帯の所得を確認できる書類(課税証明書等)・マイナンバーが確認できる書類
  • 更新:有効期間は1年間。毎年更新申請が必要(診断書は2年に1回)
  • 指定医療機関:自立支援医療(精神通院医療)の対象となる医療機関は都道府県が指定する「指定医療機関」に限られる。受診前に医療機関が指定を受けているか確認
  • 受給者証:審査後に「自立支援医療受給者証」が交付される。受診の際に保険証と受給者証を提示することで助成を受けられる
APPLICATION

障害支援区分と申請手続きの流れ

障害福祉サービスを利用するためには、原則として障害支援区分の認定とサービス等利用計画の作成が必要です。申請から利用開始まで通常2か月程度かかります。

障害支援区分

障害支援区分とは

障害支援区分は、障害者総合支援法に基づく介護給付サービスを利用するために必要な認定区分です。障害者の介護の必要度(心身の状態・行動の困難さ・医療的ケアの必要性等)を総合的に評価したもので、区分1(最も軽い)〜区分6(最も重い)の6段階に分かれています。

精神障害者については、身体的な介護量だけでなく行動面・コミュニケーション面・精神面の支援の必要性が重視されます。精神症状の重さや日常生活能力の低下の程度が評価に反映されますが、精神障害は状態の変動が大きいため、一時的に症状が落ち着いていると区分が低く認定されることもあります

訓練等給付は障害支援区分不要のものが多い就労移行支援・就労継続支援・自立訓練(生活訓練)・自立生活援助・共同生活援助(グループホーム)・就労定着支援などの訓練等給付サービスは、障害支援区分の認定が不要です。精神障害者や発達障害の方がこれらのサービスを利用する場合、障害支援区分の認定手続きを経ずに利用申請ができます。
申請の流れ

サービス利用の申請から利用開始までの流れ

障害福祉サービスを利用するまでの基本的な流れは以下の通りです。

STEP 1
相談・情報収集
市区町村の障害福祉窓口・基幹相談支援センター・精神保健福祉センターなどで、どんなサービスが利用できるか相談。きっかけは何でもよい(退院後の生活・就労への不安・一人暮らしへの移行・家族の介護負担軽減等)。
準備
STEP 2
市区町村への利用申請
利用したいサービスが決まったら、市区町村の障害福祉窓口に申請書を提出。申請時には身分証明書・障害者手帳(持っている場合)・医師の診断書等が必要な場合がある。
申請
STEP 3
障害支援区分の認定調査(介護給付の場合)
市区町村の認定調査員(市職員や委託調査員)が自宅等を訪問し、80項目(日常生活動作・行動関連・医療関連等)について聞き取り調査を実施。
調査
STEP 4
医師の意見書
市区町村から主治医に対して意見書の作成が依頼される。主治医がいる場合は速やかに対応してもらえるよう連絡しておく。
医師意見
STEP 5
一次判定(コンピューター判定)
認定調査の結果を基に、コンピューターで一次判定が行われる。
一次判定
STEP 6
二次判定(市町村審査会)
一次判定の結果と医師意見書を基に、市町村の「障害支援区分審査会」(医師・保健師・社会福祉士等の専門家で構成)が最終的な障害支援区分を決定。
二次判定
STEP 7
障害支援区分の認定・通知
認定結果が市区町村から申請者に通知される。申請から認定まで通常2か月程度。
通常2か月
STEP 8
サービス等利用計画案の作成
指定特定相談支援事業所の相談支援専門員が、本人・家族の意向を踏まえて「サービス等利用計画案」を作成(セルフプランも可能)。
計画作成
STEP 9
支給決定
市区町村がサービス等利用計画案を踏まえて支給量(サービスの種類・時間・頻度)を決定し、「障害福祉サービス受給者証」を交付。
支給決定
STEP 10
サービス事業所との契約・利用開始
利用するサービス事業所と契約を結びサービス利用を開始。相談支援専門員が「サービス等利用計画」を確定させ各事業所と連絡調整を行う。
利用開始
サービス等利用計画

サービス等利用計画(ケアプラン)について

障害福祉サービスを利用する際には、原則としてサービス等利用計画の作成が必要です。これは障害者版のケアプランであり、本人の生活目標・希望するサービス・支援の組み合わせ・モニタリング頻度等を記載した計画書です。指定を受けた特定相談支援事業所の相談支援専門員が本人と話し合いながら作成します。

サービス等利用計画の作成費用は全額公費で賄われるため、利用者の自己負担はかかりません。本人や家族が自分で計画書を作成する「セルフプラン」も認められていますが、専門家による計画作成のほうが適切なサービスの組み合わせや調整が期待できます。

COST

利用者負担と費用のしくみ

障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてかかった費用の1割です(応能負担・所得に応じた上限額あり)。複数の負担軽減制度も用意されています。

基本のしくみ

基本的な利用者負担のしくみ

障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてかかった費用の1割です(応能負担・所得に応じた上限額あり)。かつての応益負担(使った量に応じた負担)から、所得に応じた応能負担が基本とされています。所得に応じた月額上限額が設定されているため、上限額を超えた分は支払う必要はありません。

所得区分月額上限額
生活保護受給世帯・低所得(住民税非課税)0円
一般1(住民税課税世帯・障害者本人年収160万円未満等)9,300円
一般2(上記以外の住民税課税世帯)37,200円

入所施設を利用している場合や、グループホームを利用している場合など、居住実態に応じて異なる計算方法が適用されることがあります。また食費・光熱水費・日用品費などは別途実費負担となる場合があります。

負担軽減制度

負担軽減のための各種制度

  • 補足給付施設入所支援やグループホームを利用する低所得者に対して、食費・光熱水費の実費負担を軽減するための補足的な給付。
  • 高額障害福祉サービス等給付費同一世帯の障害者(複数の場合も含む)の利用者負担が一定額を超えた場合に、超えた額が給付される制度。
  • 障害者と介護保険の利用者負担の合算介護保険と障害福祉サービスを併用する高齢障害者については、両制度の利用者負担を合算した上で上限額以上の部分が高額障害福祉サービス等給付費として支給される仕組み。
  • 医療費との合算自立支援医療の利用者負担と障害福祉サービスの利用者負担は別々に計算されるが、両方を合算した場合の上限額を超えた場合の保護制度も設けられている。
CONSULTATION

相談窓口と専門機関の活用法

障害者総合支援法のサービスを利用したい場合、または利用できるか分からない場合は、まず市区町村の障害福祉窓口・基幹相談支援センター・精神保健福祉センターに相談しましょう。

一次窓口

まず相談すべき窓口

障害者総合支援法のサービスを利用したい場合、または利用できるか分からない場合は、まず以下の窓口に相談しましょう。

🏛
市区町村の障害福祉窓口
障害者総合支援法に基づくすべてのサービスの申請・相談の一次窓口。住民票のある市区町村で申請を行う。「どんなサービスが使えるか分からない」段階からでも相談可能。
🧭
基幹相談支援センター
地域の障害者相談支援の中核機関。総合的・専門的な相談に対応。虐待防止・権利擁護にも取り組む。2024年改正で整備が市町村の努力義務とされ、全国への設置が進む。
📋
指定相談支援事業所
サービス等利用計画の作成・モニタリングを行う相談支援専門員が在籍。地域包括的な相談も受け付ける。
🧠
精神保健福祉センター
各都道府県・政令指定都市に設置。精神障害者・家族・支援者への相談支援、精神保健福祉手帳・自立支援医療の審査、依存症・ひきこもり・発達障害等の相談に対応。無料。
精神保健専門機関

精神障害者・メンタルヘルスに関する専門相談機関

  • 精神科・心療内科精神疾患の診断・治療の専門機関。自立支援医療(精神通院医療)の指定医療機関としても機能。通院治療だけでなく、精神科デイケア・訪問看護との連携もある。
  • 精神科ソーシャルワーカー(PSW・精神保健福祉士)精神科医療機関や相談支援事業所等に勤務し、精神障害者の社会復帰・地域生活を支援する専門職。障害福祉サービスの利用調整や申請支援も行う。
  • 発達障害者支援センター発達障害(ASD・ADHD等)のある方・家族を対象とした相談支援・就労支援・啓発等を行う専門機関。各都道府県に設置。
  • 依存症専門相談機関(都道府県・政令市設置)アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症を抱える方・家族への相談支援。自助グループ(AA・断酒会等)への橋渡しも行う。
  • ひきこもり地域支援センターひきこもり状態にある方・家族を対象とした相談支援。厚生労働省の指定で全国の都道府県・政令市に設置。
危機相談

24時間対応の危機相談窓口

⚠️
今すぐ助けが必要な場合・緊急の相談窓口
  • いのちの電話:0120-783-556(24時間・フリーダイヤル)
  • よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
  • こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(都道府県設置・各自治体で異なる)
  • 精神科救急情報センター:各都道府県の救急センターに案内
  • 救急・警察:119番・110番(生命の危険がある場合)
ピアサポート

ピアサポートと当事者活動

同じ障害・疾患を経験した仲間(ピア)が支え合うピアサポートは、当事者の回復(リカバリー)において重要な役割を果たします。精神疾患の分野では以下のような活動が広まっています。

  • 精神障害当事者会・家族会当事者・家族が互いに情報共有や精神的サポートを行う集まり。
  • 自助グループアルコール依存(AA・断酒会)・薬物依存(NA)・摂食障害・うつ病など、疾患別の自助グループが全国各地で活動。
  • ピアスタッフ(ピアサポーター)自らの障害経験を活かして、相談支援事業所・就労移行支援事業所・グループホームなどで他の当事者を支援する役割を担うスタッフ。2024年改正でピアサポートの活用促進が盛り込まれた。
FAQ

よくある質問

障害者総合支援法・自立支援医療・申請手続きについて、特によく寄せられる質問にお答えします。

Q&A

うつ病・発達障害・精神科入院・働きながらの利用などの疑問

Q. うつ病ですが、障害者総合支援法のサービスを利用できますか?

A. はい、うつ病も障害者総合支援法の対象となる精神疾患です。精神障害者保健福祉手帳がなくても、主治医の診断書・意見書があれば多くのサービスを利用できます。まず活用しやすいのは自立支援医療(精神通院医療)です。これにより精神科・心療内科への通院費用が原則1割負担になります。また、回復期に向けた就労・生活支援として、就労移行支援・自立訓練(生活訓練)・就労継続支援B型なども利用できます。どのサービスが自分の状況に合っているか、まず市区町村の障害福祉窓口か精神保健福祉センターに相談してみましょう。

Q. 精神障害者保健福祉手帳がないと障害福祉サービスは受けられませんか?

A. 精神障害者保健福祉手帳がなくても、障害者総合支援法に基づくサービスを利用できます。障害者総合支援法上の「精神障害者」の認定は、手帳の有無ではなく、精神疾患による日常生活・社会生活上の困難の程度に基づいて判断されます。サービスの申請に際しては、主治医の診断書や意見書が必要です。ただし、精神障害者保健福祉手帳を取得することで受けられる減免・割引・優遇措置(公共交通機関の割引・税制優遇等)もあるため、条件を満たしている場合は手帳の申請も検討するとよいでしょう。手帳の申請も市区町村の障害福祉窓口で行えます。

Q. 障害支援区分の認定を受けたのに「区分が低くて希望のサービスを使えない」と言われました。どうすればいいですか?

A. 認定結果に不満がある場合は、不服申し立て(審査請求)を行うことができます。審査請求は、認定結果の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、都道府県知事に対して行います。また、認定調査の際に日常生活の困難さを十分に伝えられなかった場合、症状が認定調査時と異なっていた場合などは、主治医に追加意見書の作成を依頼したり、追加資料を提出したりすることで結果が変わる場合があります。精神障害は状態変動が大きいため、認定調査時の状態が「よい日」だったために低く認定されることがあります。相談支援専門員や精神保健福祉士に同席・支援をお願いすることも有効です。

Q. 精神科に長期入院しています。退院して地域で生活するにはどうすればいいですか?

A. 精神科長期入院からの地域移行を支援するために、障害者総合支援法に基づく地域移行支援というサービスがあります。病院に入院中から、相談支援専門員(精神保健福祉士等)が定期的に面談し、①退院後の住居確保(グループホーム・アパート等)、②障害福祉サービスの体験利用、③外出・外泊支援、④退院後の生活設計の相談、などをサポートします。退院後は地域定着支援を活用することで、地域生活の中で緊急時にも相談できる体制が整います。病院のソーシャルワーカー(精神保健福祉士)に「地域移行について相談したい」と申し出ることが最初のステップです。

Q. 発達障害(ASD・ADHD)でも障害者総合支援法のサービスを使えますか?

A. はい、発達障害(自閉スペクトラム症・注意欠如多動症など)は障害者総合支援法の対象です。発達障害者支援法に規定される発達障害者は「精神障害者」として障害者総合支援法の対象に含まれます。発達障害のある方が特に活用しやすいサービスとして、①就労移行支援(就職のための職業訓練・就活支援)、②就労継続支援(一般就労が難しい場合の就労体験)、③自立訓練(生活訓練)(日常生活スキルの習得)、④自立支援医療(精神通院医療)(精神科通院費の軽減)などがあります。また、各都道府県の発達障害者支援センターでも専門的な相談を受け付けています。精神障害者保健福祉手帳の取得も検討に値します。

Q. 障害福祉サービスを使いながら働くことはできますか?

A. もちろんです。障害者総合支援法のサービスは、就労と両立して利用できるものが多くあります。たとえば、就労定着支援は就職後に職場定着をサポートするサービスですし、自立支援医療(精神通院医療)は働きながら精神科に通院している方も利用できます。居宅介護などの在宅サービスも、就労者が朝の外出準備や帰宅後のケアに利用することが可能です。また、就労継続支援A型は雇用契約を結んで働きながら支援を受けるサービスであり、就労そのものが支援の一部です。働き方の変化(就職・昇給・転職等)があった場合は、利用者負担額や支給量に影響する場合があるため、担当の相談支援専門員に報告・相談することをお勧めします。

Q. 自立支援医療(精神通院医療)の申請に必要な「医師の診断書」はどこで書いてもらえますか?

A. 自立支援医療(精神通院医療)の申請に必要な診断書は、現在かかっている精神科・心療内科の医師に作成を依頼します。診断書の様式は市区町村の障害福祉窓口または都道府県のウェブサイトからダウンロードできます。医師に「自立支援医療(精神通院医療)の申請をしたいので診断書を書いてほしい」と伝えてください。診断書の作成には費用がかかります(自費・医療機関によって異なる。一般的には数千円〜1万円程度)。医師が診断書を書いてくれた後、必要書類(保険証コピー・所得証明書等)とともに市区町村の障害福祉窓口に申請します。審査・認定後に受給者証が交付され、指定医療機関での受診から1割負担が適用されます。

障害者総合支援法について、
一人で悩まないでください

精神疾患や障害を抱えながら生活することは、時に孤独で困難を感じることがあります。サービスの申請方法、自分に使える制度、将来の生活への不安——一人で抱え込まずに、まずは誰かに話してみませんか。専門家やピアサポーターが、あなたの状況に合った支援を一緒に考えます。

今すぐ話したい方へ——相談窓口
ココトモ相談するチャット相談・無料
いのちの電話0120-783-55624時間・フリーダイヤル・無料
よりそいホットライン0120-279-33824時間・無料(生活困窮・DV・外国語対応あり)
精神保健福祉センター各都道府県・政令指定都市に設置。精神障害・メンタルヘルスに関する相談を無料で受け付けています。お住まいの地域の精神保健福祉センターにご連絡ください。
市区町村の障害福祉窓口障害者総合支援法のサービス申請・相談の一次窓口。住民票のある市区町村役所・役場にお問い合わせください。
自立支援医療制度(精神通院医療)精神科・心療内科への通院費が原則1割負担になる制度です。うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害・てんかんなど多くの精神疾患が対象。市区町村の障害福祉窓口で申請できます。

ご紹介している相談窓口・電話番号は、記事執筆時点(2026年4月)の情報です。変更される場合がありますので、最新情報は各機関のウェブサイトまたはお住まいの市区町村にご確認ください。このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。

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