障害者総合支援法とは?
目的・対象・サービス体系・2024年改正・精神障害者への適用を徹底解説
うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害など、精神疾患を抱える方の地域生活を支える障害者総合支援法。法律の目的・歴史・対象者・サービス体系・2024年改正の6ポイント・自立支援医療・申請手続き・利用者負担・相談窓口まで、メンタルヘルスの視点を交えて包括的に解説します。
障害者総合支援法とは何か
障害者総合支援法は、身体・知的・精神(発達障害を含む)・難病など、さまざまな障害を抱える方が地域社会で他の人々と共に生活できるよう、必要なサービスや支援を総合的に提供するための法律です。
法律の正式名称と基本概念
障害者総合支援法の正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」といい、2013年(平成25年)4月1日に施行されました。この法律は、身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)・難病などを抱える障害者および障害児が、地域社会において他の人々と共に生活できるよう、必要なサービスや支援を総合的に提供することを目的としています。
最大の特徴は、それまで別々の法律で規定されていた身体障害・知的障害・精神障害のサービスを一本化し、障害の種別を超えた共通のサービス提供基準を設けた点にあります。これにより、障害の種類や程度によって大きく異なっていた支援の格差が縮小され、より公平・効率的な支援体制が整備されました。
法律の5つの基本理念
障害者総合支援法は、以下の基本理念に基づいて障害者・障害児への支援を行うことを定めています。
- 共生社会の実現障害の有無にかかわらず、すべての国民が相互に人格と個性を尊重しあいながら共生できる社会を目指す。
- 社会参加の機会の確保障害者が地域社会において自立した生活を送り、社会参加の機会が確保されること。
- どこで暮らすかを選べる権利障害者が居住地を選択し、地域社会で生活できるよう支援すること。
- 意思決定の支援障害者が自らの意思で日常生活・社会生活を営めるよう支援すること。
- 社会的障壁の除去障害があることで生じる社会的な壁(バリア)を取り除くこと。
提供される主なサービスの概観
この法律に基づくサービスは大きく2つに分けられます。一つは国が定める基準に従って個人ごとに支給決定がなされる自立支援給付、もう一つは各市町村や都道府県が地域の実情に応じて柔軟に実施する地域生活支援事業です。自立支援給付にはさらに介護給付・訓練等給付・自立支援医療・補装具費支給・相談支援が含まれます。
法律制定の歴史と経緯
障害者総合支援法は、前身の障害者自立支援法における応益負担への批判と、史上最大規模の違憲訴訟、そして基本合意文書の締結を経て成立しました。その歴史的な歩みをタイムラインで振り返ります。
自立支援法から総合支援法、そして2024年改正へ
障害者総合支援法の歴史は、当事者・家族・支援者の声と運動によって動かされてきた歴史でもあります。主要な節目を年表で確認しましょう。
対象となる障害者の範囲
障害者総合支援法は、身体・知的・精神(発達障害を含む)・難病・障害児まで、従来の障害者自立支援法よりも広い範囲を対象としています。精神障害については手帳がなくても診断書で利用できる点が重要です。
障害者総合支援法における「障害者」の定義
障害者総合支援法における「障害者」は、従来の障害者自立支援法よりも広い範囲を対象としています。具体的には以下の方々が含まれます。
精神障害者の範囲(メンタルヘルスとの関係)
障害者総合支援法における精神障害者には、以下のような疾患・状態の方が含まれます。精神障害者保健福祉手帳の有無にかかわらず、医師の診断があれば対象となります。
- 統合失調症幻覚・妄想・思考障害などを伴う精神疾患。
- 気分障害(うつ病・双極性障害等)抑うつ状態や躁うつを繰り返す疾患。
- 不安障害・パニック障害強い不安や恐怖、パニック発作を呈する状態。
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)トラウマ体験後に生じる重篤なストレス反応。
- 発達障害(ASD・ADHD等)自閉スペクトラム症・注意欠如多動症など、発達障害者支援法に規定される者。
- 依存症(アルコール・薬物等)物質依存やプロセス依存により日常生活に著しい支障がある場合。
- てんかん自立支援医療(精神通院医療)の対象となる疾患の一つ。
- 認知症若年性認知症等、精神保健福祉法上の精神障害に含まれる場合がある。
難病患者等の対象拡大について
2014年(平成26年)4月から、難病患者等も障害者総合支援法の対象に加わりました。当初は130疾病が対象でしたが、その後段階的に拡大され、2021年(令和3年)11月からは366疾病が対象となっています。指定難病以外にも、「治療方法が確立していない疾病等」として政令で定められた疾病も含まれます。
難病患者の方は身体障害者手帳がなくても、診断書等によって障害福祉サービスを利用できる可能性があります。関節リウマチ・多発性硬化症・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・パーキンソン病関連疾患など、さまざまな疾患の方が対象に含まれています。
サービス体系の全体像
障害者総合支援法のサービスは「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つの柱からなり、その下に介護給付・訓練等給付・相談支援・自立支援医療・補装具・地域生活支援事業の6カテゴリが配置されます。
6カテゴリで見るサービス全体像
障害者総合支援法に基づくサービスは、大きく2つの柱から成り立っています。一つは国の制度として共通ルールのもとに提供される自立支援給付、もう一つは各市町村・都道府県が地域の実情に応じて実施する地域生活支援事業です。
- 自立支援給付(介護給付)居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・短期入所・療養介護・生活介護・施設入所支援・重度障害者等包括支援障害支援区分に基づく個別給付。全国共通ルール
- 自立支援給付(訓練等給付)自立訓練(機能訓練・生活訓練)・就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)・就労定着支援・共同生活援助・自立生活援助障害支援区分不要のサービスが多い。就労・自立に向けた支援
- 自立支援給付(相談支援)計画相談支援・地域移行支援・地域定着支援・障害児相談支援サービス利用計画の作成・地域移行を支援
- 自立支援給付(自立支援医療)更生医療・育成医療・精神通院医療医療費の自己負担を軽減(原則1割)
- 自立支援給付(補装具)義肢・装具・車いす・補聴器等障害を補うための補助器具費用の給付
- 地域生活支援事業相談支援事業・意思疎通支援・日常生活用具給付・移動支援・地域活動支援センター等市町村・都道府県が地域の実情に応じて実施
自立支援給付と地域生活支援事業の違い
介護給付サービスの詳細
介護給付は、日常生活における介護・介助が必要な障害者を対象としたサービスです。利用するためには原則として障害支援区分の認定が必要です(サービスにより必要な区分が異なります)。
居宅系サービス(5種類)
日中活動系・施設系サービス(4種類)
訓練等給付サービスの詳細
訓練等給付は、自立した生活や社会参加・就労を支援するためのサービスです。介護給付と異なり、多くのサービスで障害支援区分の認定が不要であり、精神障害者・発達障害者にとって活用しやすいサービス群です。
自立訓練(2種類)
就労支援サービス(5種類)
居住支援・地域生活支援サービス(2種類)
地域生活支援事業の内容
地域生活支援事業は、市区町村・都道府県が主体となって地域の実情に応じて柔軟に実施するサービスです。国が大枠を示し、各地域が独自にサービス内容・実施方法・利用条件を設定します。そのため、同じサービス名でも市区町村によって提供内容や利用条件が異なることがあります。
市区町村が実施する必須事業(5種類)
市区町村は必須事業のほか、地域の実情に応じて任意事業を実施できます。任意事業の例としては、訪問入浴サービス・日中一時支援・社会参加促進事業・点字・声の広報等発行事業などがあります。
また都道府県は、市区町村に対する専門的な支援、広域支援、人材育成・確保を担います。都道府県の必須事業として、専門性の高い相談支援事業(高次脳機能障害・発達障害・難病患者等)、広域的な支援事業、研修事業などがあります。
2024年改正の6つのポイント
2022年12月に成立した改正障害者総合支援法は、主要部分が2024年4月1日から施行されました。「障害者が希望する生活を実現するために地域生活と就労に向けた支援を強化する」ことが柱です。
精神障害者支援・就労支援を中心とした6本柱
今回の改正は、精神障害者支援の強化や就労支援の充実など、メンタルヘルス分野にとって重要な変更を多く含んでいます。
精神障害者への適用とメンタルヘルスとの関連
精神疾患(うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害等)を抱える方も、障害者総合支援法に基づく幅広いサービスを活用できます。手帳がなくても、医師の診断書・意見書があれば多くのサービスが利用可能です。
精神障害者が利用できるサービスの全体像
精神障害の方が特に活用しやすいサービスとして、以下のものが挙げられます。精神障害者保健福祉手帳がなくても、医師の診断書・意見書等があれば多くのサービスを利用できます。
- 自立支援医療(精神通院医療)精神科・心療内科への通院医療費が原則1割負担に。薬代・診察料・デイケア費用等に適用。
- 自立訓練(生活訓練)日常生活スキル(食事・掃除・金銭管理等)の習得を支援。回復期に活用されることが多い。
- 就労移行支援就職を目指すための職業訓練・就活支援。精神障害者の利用者が増加中。
- 就労継続支援B型体調の波がある場合でも、無理なく就労体験ができる。
- 共同生活援助(グループホーム)地域での共同生活による日常生活支援。
- 自立生活援助一人暮らし移行後の定期訪問・相談支援。
- 相談支援(計画相談)サービス利用計画の作成・ケアマネジメント。
- 地域移行支援精神科病院からの退院・地域移行を支援。
- 地域定着支援地域移行後の継続的な相談・支援体制の維持。
メンタルヘルス問題と障害福祉サービスの接点
精神疾患は日本の障害者の中でも最も多い障害区分であり、年々増加傾向にあります。厚生労働省の患者調査によると、精神疾患を持つ患者数は約600万人以上とされており(うつ病・不安障害・統合失調症・認知症等を含む)、入院治療から地域生活への移行が国の重要課題となっています。
障害者総合支援法のサービスを活用することで、メンタルヘルスの問題を抱える方が地域で生活を続けながら回復を目指すための基盤が整います。医療(精神科通院・自立支援医療)・福祉(障害福祉サービス)・就労支援・生活支援が連携した「包括的な支援」が、精神疾患からの回復(リカバリー)に不可欠です。
精神科病院からの地域移行支援
日本では長期にわたる精神科入院の問題(社会的入院)が長年指摘されてきました。障害者総合支援法では地域移行支援(精神科病院や障害者支援施設から地域生活に移行するための支援)と地域定着支援(移行後の継続的な相談・緊急時支援)が位置づけられています。
地域移行支援では、相談支援専門員(社会福祉士・精神保健福祉士等の有資格者)が入院中の患者と面談し、住居の確保・福祉サービスの体験利用・外出支援・退院後の生活設計などをサポートします。精神科病院に1年以上入院していた方が地域移行した場合、支援を担った相談支援専門員には加算が支給される仕組みも設けられています。
精神保健福祉センターとの連携
各都道府県・政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターは、精神障害者と家族・支援者への相談支援を行う専門機関です。2024年改正により、精神障害者だけでなく「精神保健に課題を抱えるすべての人」への相談対応機能が強化されました。
精神保健福祉センターでは、障害者総合支援法に基づくサービスの利用に関する相談、精神保健福祉手帳の申請・審査、自立支援医療の審査、依存症・ひきこもり・発達障害等の相談支援など、幅広いサービスを無料で提供しています。
自立支援医療制度(精神通院医療)
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患(てんかんを含む)のために通院による治療を継続する必要がある方に対して、その医療費の自己負担を軽減する制度です。
自立支援医療(精神通院医療)とは
自立支援医療(精神通院医療)は、障害者総合支援法に基づく医療費助成制度の一つで、精神疾患(てんかんを含む)のために通院による治療を継続する必要がある方に対して、その医療費の自己負担を軽減する制度です。
もともとは精神保健福祉法に基づく「精神通院医療費公費負担制度(32条)」として存在していましたが、2006年の障害者自立支援法施行に伴い現在の制度に移行しました。
対象となる方・疾患・医療の範囲
精神疾患(てんかんを含む)により通院による治療を継続する必要がある方が対象です。入院治療は対象となりません。主な対象疾患は以下の通りです。
自立支援医療(精神通院医療)が適用される医療の範囲は以下の通りです。
自己負担のしくみ
自立支援医療(精神通院医療)を利用すると、対象となる医療費の自己負担が原則1割になります(通常の医療保険では3割)。さらに、世帯の所得状況に応じて月額の上限額が設定されているため、高額になりすぎることはありません。
| 所得区分 | 月額自己負担上限額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得1(住民税非課税・本人収入80万円以下) | 2,500円 |
| 低所得2(住民税非課税・それ以外) | 5,000円 |
| 中間所得1(住民税課税・所得割3万3千円未満) | 5,000円(重度かつ継続の場合) |
| 中間所得2(住民税課税・所得割3万3千円以上〜23万5千円未満) | 10,000円(重度かつ継続の場合) |
| 一定所得以上(所得割23万5千円以上) | 20,000円(重度かつ継続の場合・令和9年3月まで経過措置) |
自立支援医療の申請方法
自立支援医療(精神通院医療)の申請は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で行います。
- ✓必要書類:申請書・医師の診断書(指定様式)・健康保険証(コピー)・世帯の所得を確認できる書類(課税証明書等)・マイナンバーが確認できる書類
- ✓更新:有効期間は1年間。毎年更新申請が必要(診断書は2年に1回)
- ✓指定医療機関:自立支援医療(精神通院医療)の対象となる医療機関は都道府県が指定する「指定医療機関」に限られる。受診前に医療機関が指定を受けているか確認
- ✓受給者証:審査後に「自立支援医療受給者証」が交付される。受診の際に保険証と受給者証を提示することで助成を受けられる
障害支援区分と申請手続きの流れ
障害福祉サービスを利用するためには、原則として障害支援区分の認定とサービス等利用計画の作成が必要です。申請から利用開始まで通常2か月程度かかります。
障害支援区分とは
障害支援区分は、障害者総合支援法に基づく介護給付サービスを利用するために必要な認定区分です。障害者の介護の必要度(心身の状態・行動の困難さ・医療的ケアの必要性等)を総合的に評価したもので、区分1(最も軽い)〜区分6(最も重い)の6段階に分かれています。
精神障害者については、身体的な介護量だけでなく行動面・コミュニケーション面・精神面の支援の必要性が重視されます。精神症状の重さや日常生活能力の低下の程度が評価に反映されますが、精神障害は状態の変動が大きいため、一時的に症状が落ち着いていると区分が低く認定されることもあります。
サービス利用の申請から利用開始までの流れ
障害福祉サービスを利用するまでの基本的な流れは以下の通りです。
サービス等利用計画(ケアプラン)について
障害福祉サービスを利用する際には、原則としてサービス等利用計画の作成が必要です。これは障害者版のケアプランであり、本人の生活目標・希望するサービス・支援の組み合わせ・モニタリング頻度等を記載した計画書です。指定を受けた特定相談支援事業所の相談支援専門員が本人と話し合いながら作成します。
サービス等利用計画の作成費用は全額公費で賄われるため、利用者の自己負担はかかりません。本人や家族が自分で計画書を作成する「セルフプラン」も認められていますが、専門家による計画作成のほうが適切なサービスの組み合わせや調整が期待できます。
基本的な利用者負担のしくみ
障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてかかった費用の1割です(応能負担・所得に応じた上限額あり)。かつての応益負担(使った量に応じた負担)から、所得に応じた応能負担が基本とされています。所得に応じた月額上限額が設定されているため、上限額を超えた分は支払う必要はありません。
| 所得区分 | 月額上限額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯・低所得(住民税非課税) | 0円 |
| 一般1(住民税課税世帯・障害者本人年収160万円未満等) | 9,300円 |
| 一般2(上記以外の住民税課税世帯) | 37,200円 |
入所施設を利用している場合や、グループホームを利用している場合など、居住実態に応じて異なる計算方法が適用されることがあります。また食費・光熱水費・日用品費などは別途実費負担となる場合があります。
負担軽減のための各種制度
- 補足給付施設入所支援やグループホームを利用する低所得者に対して、食費・光熱水費の実費負担を軽減するための補足的な給付。
- 高額障害福祉サービス等給付費同一世帯の障害者(複数の場合も含む)の利用者負担が一定額を超えた場合に、超えた額が給付される制度。
- 障害者と介護保険の利用者負担の合算介護保険と障害福祉サービスを併用する高齢障害者については、両制度の利用者負担を合算した上で上限額以上の部分が高額障害福祉サービス等給付費として支給される仕組み。
- 医療費との合算自立支援医療の利用者負担と障害福祉サービスの利用者負担は別々に計算されるが、両方を合算した場合の上限額を超えた場合の保護制度も設けられている。
相談窓口と専門機関の活用法
障害者総合支援法のサービスを利用したい場合、または利用できるか分からない場合は、まず市区町村の障害福祉窓口・基幹相談支援センター・精神保健福祉センターに相談しましょう。
まず相談すべき窓口
障害者総合支援法のサービスを利用したい場合、または利用できるか分からない場合は、まず以下の窓口に相談しましょう。
精神障害者・メンタルヘルスに関する専門相談機関
- 精神科・心療内科精神疾患の診断・治療の専門機関。自立支援医療(精神通院医療)の指定医療機関としても機能。通院治療だけでなく、精神科デイケア・訪問看護との連携もある。
- 精神科ソーシャルワーカー(PSW・精神保健福祉士)精神科医療機関や相談支援事業所等に勤務し、精神障害者の社会復帰・地域生活を支援する専門職。障害福祉サービスの利用調整や申請支援も行う。
- 発達障害者支援センター発達障害(ASD・ADHD等)のある方・家族を対象とした相談支援・就労支援・啓発等を行う専門機関。各都道府県に設置。
- 依存症専門相談機関(都道府県・政令市設置)アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症を抱える方・家族への相談支援。自助グループ(AA・断酒会等)への橋渡しも行う。
- ひきこもり地域支援センターひきこもり状態にある方・家族を対象とした相談支援。厚生労働省の指定で全国の都道府県・政令市に設置。
24時間対応の危機相談窓口
- いのちの電話:0120-783-556(24時間・フリーダイヤル)
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(都道府県設置・各自治体で異なる)
- 精神科救急情報センター:各都道府県の救急センターに案内
- 救急・警察:119番・110番(生命の危険がある場合)
ピアサポートと当事者活動
同じ障害・疾患を経験した仲間(ピア)が支え合うピアサポートは、当事者の回復(リカバリー)において重要な役割を果たします。精神疾患の分野では以下のような活動が広まっています。
- 精神障害当事者会・家族会当事者・家族が互いに情報共有や精神的サポートを行う集まり。
- 自助グループアルコール依存(AA・断酒会)・薬物依存(NA)・摂食障害・うつ病など、疾患別の自助グループが全国各地で活動。
- ピアスタッフ(ピアサポーター)自らの障害経験を活かして、相談支援事業所・就労移行支援事業所・グループホームなどで他の当事者を支援する役割を担うスタッフ。2024年改正でピアサポートの活用促進が盛り込まれた。
よくある質問
障害者総合支援法・自立支援医療・申請手続きについて、特によく寄せられる質問にお答えします。
うつ病・発達障害・精神科入院・働きながらの利用などの疑問
A. はい、うつ病も障害者総合支援法の対象となる精神疾患です。精神障害者保健福祉手帳がなくても、主治医の診断書・意見書があれば多くのサービスを利用できます。まず活用しやすいのは自立支援医療(精神通院医療)です。これにより精神科・心療内科への通院費用が原則1割負担になります。また、回復期に向けた就労・生活支援として、就労移行支援・自立訓練(生活訓練)・就労継続支援B型なども利用できます。どのサービスが自分の状況に合っているか、まず市区町村の障害福祉窓口か精神保健福祉センターに相談してみましょう。
A. 精神障害者保健福祉手帳がなくても、障害者総合支援法に基づくサービスを利用できます。障害者総合支援法上の「精神障害者」の認定は、手帳の有無ではなく、精神疾患による日常生活・社会生活上の困難の程度に基づいて判断されます。サービスの申請に際しては、主治医の診断書や意見書が必要です。ただし、精神障害者保健福祉手帳を取得することで受けられる減免・割引・優遇措置(公共交通機関の割引・税制優遇等)もあるため、条件を満たしている場合は手帳の申請も検討するとよいでしょう。手帳の申請も市区町村の障害福祉窓口で行えます。
A. 認定結果に不満がある場合は、不服申し立て(審査請求)を行うことができます。審査請求は、認定結果の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、都道府県知事に対して行います。また、認定調査の際に日常生活の困難さを十分に伝えられなかった場合、症状が認定調査時と異なっていた場合などは、主治医に追加意見書の作成を依頼したり、追加資料を提出したりすることで結果が変わる場合があります。精神障害は状態変動が大きいため、認定調査時の状態が「よい日」だったために低く認定されることがあります。相談支援専門員や精神保健福祉士に同席・支援をお願いすることも有効です。
A. 精神科長期入院からの地域移行を支援するために、障害者総合支援法に基づく地域移行支援というサービスがあります。病院に入院中から、相談支援専門員(精神保健福祉士等)が定期的に面談し、①退院後の住居確保(グループホーム・アパート等)、②障害福祉サービスの体験利用、③外出・外泊支援、④退院後の生活設計の相談、などをサポートします。退院後は地域定着支援を活用することで、地域生活の中で緊急時にも相談できる体制が整います。病院のソーシャルワーカー(精神保健福祉士)に「地域移行について相談したい」と申し出ることが最初のステップです。
A. はい、発達障害(自閉スペクトラム症・注意欠如多動症など)は障害者総合支援法の対象です。発達障害者支援法に規定される発達障害者は「精神障害者」として障害者総合支援法の対象に含まれます。発達障害のある方が特に活用しやすいサービスとして、①就労移行支援(就職のための職業訓練・就活支援)、②就労継続支援(一般就労が難しい場合の就労体験)、③自立訓練(生活訓練)(日常生活スキルの習得)、④自立支援医療(精神通院医療)(精神科通院費の軽減)などがあります。また、各都道府県の発達障害者支援センターでも専門的な相談を受け付けています。精神障害者保健福祉手帳の取得も検討に値します。
A. もちろんです。障害者総合支援法のサービスは、就労と両立して利用できるものが多くあります。たとえば、就労定着支援は就職後に職場定着をサポートするサービスですし、自立支援医療(精神通院医療)は働きながら精神科に通院している方も利用できます。居宅介護などの在宅サービスも、就労者が朝の外出準備や帰宅後のケアに利用することが可能です。また、就労継続支援A型は雇用契約を結んで働きながら支援を受けるサービスであり、就労そのものが支援の一部です。働き方の変化(就職・昇給・転職等)があった場合は、利用者負担額や支給量に影響する場合があるため、担当の相談支援専門員に報告・相談することをお勧めします。
A. 自立支援医療(精神通院医療)の申請に必要な診断書は、現在かかっている精神科・心療内科の医師に作成を依頼します。診断書の様式は市区町村の障害福祉窓口または都道府県のウェブサイトからダウンロードできます。医師に「自立支援医療(精神通院医療)の申請をしたいので診断書を書いてほしい」と伝えてください。診断書の作成には費用がかかります(自費・医療機関によって異なる。一般的には数千円〜1万円程度)。医師が診断書を書いてくれた後、必要書類(保険証コピー・所得証明書等)とともに市区町村の障害福祉窓口に申請します。審査・認定後に受給者証が交付され、指定医療機関での受診から1割負担が適用されます。
障害者総合支援法について、
一人で悩まないでください
精神疾患や障害を抱えながら生活することは、時に孤独で困難を感じることがあります。サービスの申請方法、自分に使える制度、将来の生活への不安——一人で抱え込まずに、まずは誰かに話してみませんか。専門家やピアサポーターが、あなたの状況に合った支援を一緒に考えます。
ご紹介している相談窓口・電話番号は、記事執筆時点(2026年4月)の情報です。変更される場合がありますので、最新情報は各機関のウェブサイトまたはお住まいの市区町村にご確認ください。このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。
