メンタルヘルス用語辞典 · 合理的配慮

合理的配慮とは?
2024年義務化・職場と学校の具体例・申請方法を解説

2024年4月、改正障害者差別解消法の施行により、民間事業者にも合理的配慮の提供が法的義務となりました。精神障害・発達障害・ASD・ADHDのある人が職場や学校で受けられる配慮の定義から、具体例、申請・交渉の進め方、断られた場合の対処、紛争解決と支援制度まで、必要な情報をすべてまとめました。

ABOUT

合理的配慮とは何か——定義と基本的な考え方

合理的配慮とは、障害のある人が社会の中で出会う困りごとや障壁(バリア)を取り除くために、行政機関・事業者・学校などが行う「必要かつ合理的な調整・変更」のことです。2024年4月の改正法施行により、民間事業者にも法的義務となりました。

定義

合理的配慮の定義

合理的配慮(ごうりてきはいりょ)とは、障害のある人が社会の中で出会う困りごとや障壁(バリア)を取り除くために、行政機関・事業者・学校などが行う「必要かつ合理的な調整・変更」のことです。

より具体的に言うと、障害のある人から「社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応が必要」との意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応を行うことを指します。合理的配慮は「特別扱い」や「優遇」ではありません。障害のない人が当たり前にできることを、障害のある人も同じようにできるよう「条件を整える」ことです。

眼鏡をかけることを「特別扱い」とは言わない必要な条件が同じでない人に同じ対応をすることが、かえって不公平になります。合理的配慮はその人に必要なサポートを提供する、社会の側の調整です。
3つの要素

合理的配慮を構成する3つの要素

合理的配慮を理解するうえで欠かせない3つの要素を整理します。

🧩
「合理的」とは
障害のある人にとって本当に必要であり、かつ事業者にとって過度な負担にならない範囲で実施できること。
🤝
「配慮」とは
物理的・制度的・情報的なバリアを取り除くための調整・変更・支援。
📣
「意思の表明」が必要
障害のある人(または家族・支援者)が配慮を必要としていることを相手に伝えることが基本的な出発点。
💡
「申し出」があってはじめて動く合理的配慮は、障害のある人が「こういう配慮が必要です」と意思を表明することによって始まります。事業者側が自動的に提供するものではなく、当事者からの申し出と、その後の「建設的対話」を通じて決定されます。ただし、明らかに配慮が必要と思われる場面では事業者側から声をかけることも望ましいとされています。
社会モデル

社会モデルと合理的配慮の思想的背景

合理的配慮の背景には、障害の「社会モデル」という考え方があります。これは「障害は個人の心身機能の問題ではなく、社会環境の側に障壁があることで生まれる」という考え方です。

医学モデル
個人の心身機能の問題
障害は治療すべき疾患であり、個人が治療・訓練・リハビリで対応すべきという考え方。
社会モデル
社会環境の側に障壁
障害は社会環境や制度の側にある障壁から生まれる。社会・環境の側が変わることで障壁を除去する。合理的配慮はこの社会モデルに基づく。

合理的配慮は、社会モデルの思想に基づいており、「障害のある人が変わるのではなく、社会が変わる」という発想です。この考え方は、2006年に国連で採択された「障害者権利条約」にも明記されており、日本は2014年に同条約を批准しています。

差別禁止との違い

不当な差別的取り扱いとの違い

障害者差別解消法では、合理的配慮の提供と並んで、「不当な差別的取り扱いの禁止」も定められています。この二つは混同されやすいので整理します。

不当な差別的取り扱いの禁止
してはいけない
障害を理由として、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、条件を不利に設定したりすること。行政機関・民間事業者ともに「禁止」。
合理的配慮の提供
申し出を受けて行う
障害のある人から申し出があった場合に、必要な調整を行うこと。2024年4月以前は民間事業者は「努力義務」だったが、改正後は「義務」。
LEGAL BASIS

法的根拠——障害者差別解消法と2024年義務化

合理的配慮は障害者差別解消法と障害者雇用促進法という二つの法律で位置づけられています。2024年4月1日、改正障害者差別解消法の施行により、民間事業者も含むすべての事業者に法的義務となりました。

法整備の歴史

2013年制定から2024年義務化までの流れ

障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)は、2013年(平成25年)に制定され、2016年(平成28年)4月1日に施行されました。2021年の改正を経て、2024年4月1日に民間事業者の合理的配慮提供が法的義務となりました。

2013年
障害者差別解消法 制定
障害者権利条約批准に向けた国内法整備として制定。
平成25年
2014年
日本が障害者権利条約を批准
2006年に国連で採択された障害者権利条約に日本が加入。社会モデルの理念が国内法体系に組み込まれる。
平成26年
2016年4月
障害者差別解消法 施行
行政機関は合理的配慮提供が義務、民間事業者は努力義務に。同時に障害者雇用促進法により雇用分野の合理的配慮は事業主に義務化。
平成28年
2021年
改正法 成立
民間事業者の合理的配慮提供を努力義務から法的義務へ格上げする改正法が成立。
令和3年
2024年4月1日
民間事業者も義務化
改正法が施行され、コンビニ・飲食店・病院・学習塾・不動産業者・保険会社などあらゆる民間事業者が合理的配慮提供の法的義務を負う。
令和6年
💡
義務違反への対応義務に違反した事業者には、国の行政機関から報告徴求・助言・指導・勧告が行われる場合があります。勧告に従わない場合は公表されることもあります。
2つの法律の役割

障害者差別解消法と障害者雇用促進法

職場・雇用については障害者差別解消法とは別に障害者雇用促進法が適用されます。この二つの法律が役割を分担しています。

🏛
行政機関・民間事業者全般
障害者差別解消法——国・地方公共団体等の行政機関、および民間事業者(企業・商店・医療機関・NPO等すべて)が対象。雇用以外のサービス提供場面に適用。義務違反の事業者は、国の行政機関から報告徴求・助言・指導・勧告を受ける場合がある。
💼
雇用分野(職場)
障害者雇用促進法——採用・雇用管理(賃金・配置・昇進・教育訓練等)における障害理由の不当な差別を禁止。雇用する障害者・募集採用での合理的配慮提供は2016年4月から事業主に義務化されている。主管省庁は厚生労働省(ハローワーク・都道府県労働局が相談窓口)。

障害者雇用促進法では、採用・雇用管理(賃金・配置・昇進・教育訓練等)における障害理由の不当な差別を禁止し、雇用する障害者に対する合理的配慮の提供を2016年4月から義務化しています(雇用分野は障害者差別解消法より先に義務化されていた)。募集・採用において、障害者から申し出があった場合の合理的配慮も義務です。

雇用分野は2016年から義務2024年に義務化されたのは「雇用以外の一般的な事業・サービス提供の場面」における民間事業者の義務です。職場での合理的配慮は8年以上にわたって法的義務だということを覚えておきましょう。
WHO IS COVERED

誰が対象か——障害者手帳がなくても受けられる

合理的配慮の対象となる「障害者」は、障害者手帳を持っている人に限りません。精神障害・発達障害を含むあらゆる心身機能の障害が対象となり、診断書なしでも申し出が可能です。

対象範囲

合理的配慮の「障害者」の範囲

法的には「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と定義されています。

🧠
精神障害
うつ病・統合失調症・双極性障害・PTSD・不安障害など。
🌀
発達障害
ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)・LD(学習障害)など。
身体障害
視覚・聴覚・肢体不自由など身体機能の障害。
💭
知的障害
知的発達の遅れを伴う障害。
🌱
難病等
難病による障害、その他の心身の機能障害。
4つのポイント

対象を判断する4つのポイント

  • 対象となる障害の種類身体障害、知的障害、精神障害(うつ病・統合失調症・双極性障害・不安障害等)、発達障害(ASD・ADHD・LD等)、難病による障害、その他の機能障害。
  • 手帳の有無は問わない精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳、療育手帳を持っていなくても、実際に困難を抱えていれば対象になりうる。
  • 診断書がなくても申し出可能申し出自体は診断書なしでも可能。ただし、配慮内容を検討する際に医師の診断書や支援機関の意見書があると交渉がスムーズになることが多い。
  • 「見えない障害」も当然対象精神障害・発達障害は外見からわかりにくいが、目に見えないからこそ自分から伝えること(意思表明)が重要。
見えない障害も対象

精神障害・発達障害の人も当然対象

うつ病、双極性障害、統合失調症、PTSD、不安障害などの精神障害、そしてASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害)などの発達障害を持つ人々も、合理的配慮の対象者です。

精神障害・発達障害は外見からわかりにくく、「見えない障害」と呼ばれることがあります。このため「配慮をお願いしても信じてもらえないのではないか」と不安を抱える当事者は多いですが、目に見えないからこそ、自分から伝えること(意思表明)が重要になります。

⚠️
「頑張ればできる」は拒否理由にならない「努力次第で克服できるはず」「気合が足りない」という認識は合理的配慮の理念に反します。精神障害・発達障害による困難は、本人の努力や意志の問題ではなく、脳や神経系の特性によるものです。適切な環境・支援があれば能力を十分に発揮できることが多く、合理的配慮はその「環境を整えること」に他なりません。
WORKPLACE EXAMPLES

職場での合理的配慮——精神障害・発達障害の具体例

精神障害(うつ・不安等)・ASD・ADHDといった代表的な状態ごとに、職場で実際に行われている合理的配慮の具体例を紹介します。タブを切り替えてご覧ください。

特性別の具体例

精神障害・ASD・ADHDへの配慮例

うつ病・双極性障害・不安障害などの精神障害のある従業員への合理的配慮として、職場でよく行われている具体例を紹介します。

勤務時間・シフトの調整
通院日に合わせた時短勤務、フレックスタイムの適用、体調不良時の休暇取得のしやすい環境整備。
休憩・休息時間の確保
気分の落ち込みや不安が強い時に、短時間の休憩(クールダウンスペースの利用等)を認める。
📊
業務内容・量の調整
復職直後や体調が不安定な時期に、業務量を段階的に増やす(リハビリ出勤・職場復帰支援プログラム)。
📝
業務指示の明確化
口頭だけでなく書面やメールでの指示を追加し、あいまいさによる不安を軽減する。
👥
会議・対人接触の調整
大人数の会議が苦手な場合の参加方法変更、電話対応を他の業務に変更するなど。
💬
定期的な面談の実施
上司または産業保健スタッフとの定期的な1on1面談で、体調確認と業務調整を継続的に行う。
🏠
テレワーク・在宅勤務の活用
通勤負担の軽減や、慣れた環境での業務遂行のためのリモートワーク許可。
「特性」と「個別の困りごと」は別同じASDでも困りごとは人によって全く異なります。一覧はあくまで参考であり、自分の状況に応じてどの配慮が必要かを整理することが出発点です。
HOW TO APPLY

会社への申請方法と交渉の進め方

合理的配慮の提供は、一方的に要求するものではなく、障害のある人と事業者が「建設的対話」を通じて共に解決策を検討するプロセスです。申請前の準備から合意形成までの流れを解説します。

申請前の準備

自分の困りごとを整理する

合理的配慮を会社に申し出る前に、まず自分自身の困りごとを整理しておくことが重要です。以下の3点を紙に書き出してみましょう。

  • ① 仕事上の困難さどのような場面で、どのような困りごとが生じているか(具体的に)。例:「朝の電話対応で声が震え、業務に集中できなくなる」「複数のタスクを抱えると何から手をつければよいか混乱する」。
  • ② 自己対処法(セルフケア)現在自分でどのような工夫をしているか。例:「メモを取ることで指示を忘れにくくしている」「あらかじめルーティンを決めて不安を軽減している」。
  • ③ 依頼したい配慮事項会社に何をしてほしいか、具体的に。例:「朝一番の電話対応を他の業務に変更してほしい」「業務指示をメールでも送付してほしい」。

この3点を「障害特性説明書」のような形で文書化しておくと、申し出の際に自分の状況を正確に伝えやすくなります。

誰に申し出るか

誰に・どのように申し出るか

合理的配慮の申し出先は、会社の規模や状況によって異なりますが、一般的には以下の順序で検討します。

  • 直属の上司日常的な業務調整については、まず直属の上司への相談が最も直接的。ただし、上司が障害について理解がない場合は次の選択肢も検討。
  • 人事部・人事担当者雇用条件の変更や正式な制度の適用については人事部門が対応窓口。会社によっては「障害者雇用担当」がいる場合も。
  • 産業医・産業保健スタッフ健康管理・職場復帰支援の観点から、産業医を通じた配慮の調整が有効な場合がある。
  • 障害者職業生活相談員一定規模以上の事業所では選任が義務づけられている場合がある。
  • 就労移行支援事業所のスタッフ就労支援機関を利用している場合、支援者が職場との調整を仲介することも可能。
建設的対話の5ステップ

建設的対話——合意形成のプロセス

合理的配慮は一方的に要求するものではなく、当事者と事業者が共に解決策を探る「建設的対話」のプロセスです。

STEP 1
意思の表明
配慮が必要である旨を伝える。口頭でも書面でもよいが、後で「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにメール等で書面でも記録しておくと良い。
出発点
STEP 2
情報の共有
自分の障害特性と、それによって生じている具体的な困難を説明する。必要に応じて医師の診断書や意見書を提示する。
特性説明
STEP 3
配慮内容の協議
「こういう配慮をしてほしい」という希望を伝えつつ、会社側の状況や制約も聞く。双方が納得できる落としどころを一緒に探す。
建設的対話
STEP 4
合意と記録
決まった配慮内容を書面で記録しておく。「個別配慮事項確認書」「業務調整合意書」などの名称で合意書を作成するとトラブルを防ぎやすい。
文書化
STEP 5
定期的な見直し
一度決めた配慮内容も、状況が変われば変更が必要になることがある。3〜6ヶ月ごとなど定期的に見直しの機会を設ける。
継続調整
心構えと注意点

申し出の際の心構えと注意点

  • 「迷惑をかけている」という罪悪感を持ちすぎない——合理的配慮の申し出は法律で認められた権利。遠慮しすぎて必要な配慮を受けられない状態が続くと、職場定着が困難になる。
  • すべてを一度に要求しない——最優先の配慮から始め、状況を見ながら段階的に調整していくほうが、会社側も受け入れやすい場合が多い。
  • 代替案を一緒に考える姿勢を見せる——「この配慮が無理なら、別の方法として〇〇はどうでしょうか」という姿勢が、建設的な対話を促しやすい。
  • 必要に応じて支援者の同席を依頼する——一人で交渉することに不安がある場合、就労移行支援事業所のスタッフやハローワークの就職支援ナビゲーターに同席・仲介を依頼することも可能。
  • 記録を取り続ける——申し出の日時・内容、会社からの回答・対応などを記録しておく。後の紛争解決手続きで重要な証拠になる。
合理的配慮の申し出を理由とした解雇・降格などの不利益な取り扱いは法律違反です。遠慮しすぎず、ただし建設的に。これが基本姿勢です。
OVERLOAD & REFUSAL

過重な負担と合理的配慮の断られる場合

合理的配慮の提供義務には「実施に伴う負担が過重でないとき」という条件があります。ただし「過重な負担」の判断は慎重に行われる必要があり、「面倒だから」「前例がないから」では正当な拒否理由になりません。

4つの判断要素

「過重な負担」とは何か

事業者にとって過重な負担(不均衡な負担)となる場合は、合理的配慮の提供を行わないことが認められる場合があります。ただし、単に「面倒だ」「コストがかかる」という理由だけでは認められません。過重な負担かどうかは、以下の要素を総合的に考慮して判断されます。

🏢
規模に応じた判断
事業者の規模——大企業と中小企業では、同じ配慮でもコスト負担の重さが異なる。大企業のほうが、より多くの配慮を求められやすい。
💴
コストと資源
財政状況・資源——配慮のために必要なコスト(金銭的・人的・時間的)が、事業者の財政状況・資源に照らして過大でないか。
事業の本質
事業活動への影響——配慮の提供が事業の本質的な部分に著しく影響するかどうか。
🔧
技術的・物理的実施
配慮の困難性——技術的・物理的に実施が著しく困難かどうか。
あたる/あたらない例

過重な負担にあたる・あたらない例

具体的な状況別に、過重な負担にあたる可能性が高いものと低いものを比較します。

費用面
✗ 過重な負担にあたる
小規模事業者に対し、大規模な設備改修を求める場合
✓ あたらない
メールでの業務指示追加、チェックリストの作成
業務遂行
✗ 過重な負担にあたる
その職種の本質的な業務すべての免除(例:接客業で一切の顧客対応を免除)
✓ あたらない
電話対応をメール対応に変更する、シフト調整
人員配置
✗ 過重な負担にあたる
24時間専任サポートスタッフを一人につく形で配置
✓ あたらない
業務の優先順位を週1回確認する面談を設ける
断られた場合の対処法

断られた場合の対処法

合理的配慮の申し出を会社に断られた場合、すぐにあきらめる必要はありません。以下のステップで対処を検討してください。

1
断られた理由を確認する
「なぜ断るのか」の理由を文書で示してもらうよう求める。「過重な負担」を主張する場合、事業者はその根拠を説明する責任がある。
2
代替案を提案する
要求した配慮が困難なら、同じ目的を達成できる別の方法を一緒に検討する。「テレワークが難しければ、始業時間を30分遅らせることはできますか」など。
3
行政機関への相談
雇用分野はハローワーク・都道府県労働局、一般的なサービス分野は各省庁の相談窓口や都道府県の障害者権利擁護センターに相談できる。
4
紛争解決手続きの活用
話し合いで解決しない場合、紛争解決機関(第三者機関のあっせん等)を利用できる。
⚠️
断られても諦めないで合理的配慮の申し出を断ることが許されるのは「過重な負担」がある場合のみです。「前例がないから」「他の人に不公平だから」「手間がかかるから」というだけでは、正当な拒否理由になりません。不当な拒否と感じた場合は、支援機関や相談窓口に相談しましょう。
SCHOOL & JOB HUNTING

学校・大学・就職活動での合理的配慮

2024年4月から、私立を含むすべての学校・大学において合理的配慮の提供が義務化されました。また就職活動の段階でも合理的配慮を求めることができ、障害者雇用枠との関係も理解しておくことが大切です。

小・中・高校

学校(小・中・高校)での合理的配慮

学校教育の場においても、2016年の障害者差別解消法施行以降、公立学校は合理的配慮の提供が義務となっています(私立学校は2024年4月から義務)。文部科学省のガイドラインでは、インクルーシブ教育システムの構築の一環として合理的配慮の充実が求められています。

📖
授業中の配慮
板書を写すのが困難な場合の教材配付・ICT機器の使用許可、長時間の着席が困難な場合の立ち歩き許可やクールダウンスペースの利用。
📝
テスト・評価の配慮
読み書きに困難がある場合の試験時間の延長、解答方法の変更(口述回答等)、ルビの付与。
🗣
コミュニケーション支援
言語の使用に困難がある場合の情報保障(文字・絵カード等の使用)。
🌿
環境面の配慮
感覚過敏への対応(照明の調整、騒音の軽減)、一人で過ごせるスペースの確保。
🎒
給食・行事の配慮
集団行動が困難な場合の個別対応、特定の感覚刺激(音・においなど)が強い行事での配慮。

学校での合理的配慮は、保護者(または本人)が学校に申し出ることで始まります。特別支援教育コーディネーターや担任教師との連携が重要です。

大学・専門学校

大学・短大・専門学校での合理的配慮

2024年4月から私立を含むすべての大学・短大・専門学校においても、合理的配慮の提供が義務化されました。近年、大学における障害のある学生への支援は急速に整備されつつあります。

📚
修学支援
授業のノートテイク支援(ノートテイカーの配置)、録音許可、文字情報での授業資料提供、補足説明の実施。
📄
試験の配慮
試験時間の延長(通常の1.3〜1.5倍が多い)、別室受験、パソコンでの解答許可、ルビ付き試験問題。
🗓
授業出席・単位取得
通院等による欠席の特別配慮、レポート提出期限の延長。
🏛
物理的環境
静かに過ごせる休憩場所の提供、学習支援室・バリアフリー設備の利用。
💻
情報・コミュニケーション
オンライン授業の活用、掲示物の音声化・テキスト化。
💡
大学入試での合理的配慮大学入試センター試験(共通テスト)でも、障害のある受験生に対して試験時間の延長(通常の1.3倍または1.5倍)、別室受験、問題の拡大等の配慮が提供されています。令和4年度入試では、試験時間の延長を認めている大学等は711校(60.6%)、別室設定は970校(82.6%)となっています。出願前に各大学の入試担当窓口(または学生支援窓口)に相談することが重要です。
学校での申請手順

学校での申請手順

STEP 1
相談窓口に連絡
大学の場合は「学生支援センター」「障がい学生支援室」「学生相談室」など。高校以下の場合は担任や特別支援教育コーディネーター。
窓口確認
STEP 2
必要書類の準備
医師の診断書または意見書、支援機関からの報告書など(学校によって求める書類が異なる)。
書類準備
STEP 3
相談・面談
困りごとと必要な配慮内容を説明する面談。支援者(保護者や支援機関スタッフ)の同席も可能。
面談
STEP 4
配慮内容の決定
学校と本人が合意した配慮内容を確認書等で文書化する。
文書化
STEP 5
定期的な見直し
学期ごと、進級・進学のタイミングなどに配慮内容を見直す。
継続調整
就職活動

採用プロセスでの合理的配慮

合理的配慮は、すでに働いている職場だけでなく、採用・就職活動のプロセスにおいても求めることができます。障害者雇用促進法では、募集・採用時の合理的配慮の提供も事業主の義務として定めています。

  • 応募書類の配慮手書き指定の応募書類についてワープロ・パソコン打ちでの提出許可、拡大文字や別形式での提出を認める。
  • 面接の配慮筆談での面接、面接場所のバリアフリー確認、面接時間の調整(体調に合わせた時間帯)、複数回の面接を一回にまとめる等。
  • 試験の配慮適性検査・筆記試験での時間延長、別室受験、拡大文字での試験問題提供。
  • 情報提供の配慮求人票・説明会資料の音声化・テキスト化、手話通訳者の配置。

採用前の配慮申請は、応募書類(履歴書・エントリーシート)の段階で伝えることが一般的です。「面接の際に〇〇の配慮をお願いしたい」という形で記載し、企業に事前に確認してもらうのが望ましいです。

開示のタイミング

就活での障害開示のタイミング

就職活動において、障害をいつ・どのように開示するかは、多くの当事者が悩む問題です。開示する場合(オープン就労)と開示しない場合(クローズ就労)の両方に、メリットとデメリットがあります。

  • 応募時に開示初めから配慮を受けながら就活できる、ミスマッチが少ない。一方で書類選考段階での選考に影響する可能性もある。
  • 面接時に開示書類選考を通過した上で配慮を求めることができる。企業担当者と直接話しながら配慮の可否を確認できる。
  • 内定後・入社前に開示採用の意思決定に影響を与えにくいが、入社後の配慮体制の準備時間が短くなる。
  • 入社後に開示当初は配慮なしで働き、困難が生じてから申し出る。体調悪化が進んだ後になりやすいリスクがある。
オープン/クローズ就労

障害者雇用枠(オープン就労)と一般枠(クローズ就労)

一定規模以上の企業には、障害者法定雇用率を達成するために一定数の障害者を雇用する義務があります(2024年4月時点で民間企業は2.5%、2026年7月からは2.7%)。障害者雇用枠(障害者枠)での採用は、障害者手帳を持つ人を対象とした求人に応募することで実現します。

比較項目
障害者雇用枠(オープン)
一般雇用枠(クローズ)
障害の開示
開示が前提
開示しない
合理的配慮
受けやすい(入社前から調整可能)
配慮を求めにくい・受けにくい場合が多い
給与水準
一般枠より低い傾向がある
一般水準と同等
業務内容
障害特性を考慮した配置が多い
一般業務と同じ
職場定着率
比較的高い(支援体制があるため)
低くなりやすい(無理が続きやすいため)
キャリアアップ
一部企業では限られる場合がある
一般社員と同じ昇進機会がある

合理的配慮は、障害者雇用枠・一般雇用枠のどちらで働いていても受けることができます。この二つは別の概念です。

  • 合理的配慮障害のある人が申し出ることで、職場・学校・あらゆる場で障壁を取り除くための調整を受ける権利。法的義務。
  • 障害者雇用制度企業の障害者法定雇用率を達成するための採用・雇用の仕組み。障害者手帳が必要。

一般雇用枠(クローズ就労)で働いていても、合理的配慮を申し出ることは法律上の権利です。ただし、障害を非開示にしている場合は、具体的な困りごとを説明しながら「こういう調整をしてほしい」と伝えるアプローチが現実的です。

就労支援機関

就労支援機関の活用

精神障害・発達障害のある人の就労と職場定着を支援する機関が多数あります。これらを活用することで、合理的配慮の申し出・職場との調整をサポートしてもらえます。

🏃
就労移行支援事業所
一般就労を目指す障害者に対し、職業訓練・就職活動支援・職場定着支援を提供。就職後も一定期間の職場定着支援を受けられる。
🤲
就労定着支援
就職後6ヶ月を経過した段階から利用できる、職場定着に向けた支援サービス(障害者総合支援法のサービス)。
🏘
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
就業と生活の両面から、地域の障害者の自立と社会参加を支援する機関。
🏢
ハローワーク(専門援助部門)
障害者向けの就職相談・求人紹介・職場定着支援。
🎯
地域障害者職業センター(JEED)
職業評価・職業準備支援・ジョブコーチ支援・職場復帰支援(リワーク)。
DISPUTE & SUPPORT

紛争解決の仕組み・事業者の義務・支援制度

話し合いで解決しない場合に利用できる紛争解決機関、事業者に求められる義務と好事例、精神障害のある人が活用できる医療・支援制度を一覧で整理します。

雇用分野の紛争解決

雇用分野の紛争解決制度

職場での合理的配慮をめぐる紛争が生じた場合、以下の機関・制度を利用することができます。

  • 都道府県労働局・ハローワーク雇用分野における障害者差別禁止・合理的配慮に関する相談を受け付ける。当事者双方から意見を聴取し、助言・指導・勧告を行うことができる。
  • 障害者雇用調停会議都道府県労働局に設置される第三者機関。紛争を調停によって解決する手続き。当事者の申請により開始され、強制力はないが中立的な解決策の提示を受けられる。
  • 個別労働紛争解決制度労働局の総合労働相談コーナーへの相談、紛争調整委員会のあっせんなどを利用できる。
雇用以外の紛争解決

雇用以外の場面(一般的なサービス等)での紛争解決

職場以外の場面(店舗・医療機関・学校・公共交通等)での合理的配慮をめぐる問題については、以下の仕組みがあります。

  • 各府省の相談窓口不当な差別的取り扱いや合理的配慮の不提供に関する相談・通報を受け付ける。事案に応じて報告徴求・助言・指導・勧告を行うことができる。
  • 都道府県の相談窓口各都道府県・市区町村の障害者相談支援センター、障害者権利擁護センターなど。
  • 地方公共団体の条例に基づく機関東京都など一部の自治体では独自の条例を設け、調整委員会によるあっせん・勧告・公表の仕組みを持つ。
  • 法務局・みんなの人権110番0570-003-110。人権侵犯事件の調査・処理機能を持つ。
📞
主要な相談窓口一覧・ハローワーク/都道府県労働局——雇用・採用に関する問題
・精神保健福祉センター——精神障害・メンタルヘルス全般(各都道府県・政令指定都市に設置/無料)
・障害者就業・生活支援センター——就労・生活全般(各地域のセンター/JEED検索可)
・内閣府(障害者差別解消法)——差別解消全般の情報提供
・みんなの人権110番——人権侵犯全般/0570-003-110
事業者の義務

事業者・企業に求められること

2024年4月の義務化を受け、事業者(企業・商店・医療機関・学校法人等すべての民間事業者)に求められる主な取り組みを整理します。

合理的配慮の提供(義務)
障害のある人から申し出があった場合、負担が過重でない範囲で必要な対応を行う。
🚫
不当な差別的取り扱いの禁止(義務)
障害を理由として、正当な理由なくサービス提供を拒否したり、不利な条件を課したりしない。
🏗
環境の整備(努力義務)
個別の申し出がなくても、不特定多数の障害者が利用しやすいよう、あらかじめ環境を整えること(事前的改善措置)。
📚
情報提供・啓発(努力義務)
従業員への研修実施、障害への理解促進。
📞
相談体制の整備(努力義務)
障害のある人からの相談・申し出を受け付ける窓口の設置。

義務に違反した事業者(正当な理由なく合理的配慮を提供しない、または不当な差別的取り扱いを行う)は、主務大臣から報告を求められたり、助言・指導・勧告を受けたりする場合があります。勧告に従わない場合は公表されることもあります。

好事例

企業の合理的配慮の好事例

実際に企業が行っている合理的配慮の好事例を紹介します。これらは「過重な負担」にならず、かつ障害のある従業員の職場定着に大きく貢献している事例です。

📒
業務日報・引き継ぎノートの活用(ASD・ADHD)
毎日の業務内容を記録するノートを導入。口頭だけの引き継ぎによる「聞き漏れ・忘れ」を防ぐことで、ミスが大幅に減少した。
🏠
フレックスと在宅勤務の組み合わせ(うつ病・不安障害)
通院日を考慮したフレックス勤務と、週2日の在宅勤務を組み合わせることで、体調管理をしながら安定就労を実現。
🍽
昼休みの個別対応(ASD)
集団での昼食が精神的に苦痛という申し出を受け、空き会議室を昼休みに開放。本人のストレスが大幅に軽減した。
🗂
タスク管理ツールの導入(ADHD)
会社全体でプロジェクト管理ツールを導入。優先順位と締め切りが可視化され、ADHD当事者だけでなく他の従業員にも業務効率の向上につながった。
💡
感覚過敏対策(ASD)
強い照明が苦手という申し出を受け、該当社員の席のみ照明を暗くするか、デスクライトに切り替えることを許可。ほぼコストゼロで実施できた。
🩺
産業保健スタッフとの面談(うつ病)
月1回、産業看護師との面談を実施。早期に体調の変化を把握し、休職前に業務調整が可能になった。
精神科医療との連携

合理的配慮と精神科医療の関係

合理的配慮は職場・学校での環境調整ですが、精神障害・発達障害のある人は、医療機関でのサポートと並行して活用することで、より安定した生活・就労が実現します。

  • 主治医の意見書の活用合理的配慮の申し出の際、主治医に「どのような職場環境が望ましいか」「どのような配慮が必要か」について意見書を書いてもらうことで、会社側の理解を得やすくなる。
  • 産業医との連携会社の産業医が、主治医の意見をもとに職場への配慮提案を行う場合がある。「主治医意見書」を産業医に渡し、職場との調整を依頼することも有効。
  • リワーク(職場復帰支援)プログラムうつ病等で休職した人が職場復帰を目指すためのプログラム。医療機関・地域障害者職業センター・EAP(従業員支援プログラム)等で提供されている。
自立支援医療制度

自立支援医療制度(精神通院医療)の活用

精神障害のある人が精神科・心療内科に継続して通院する場合、自立支援医療制度(精神通院医療)を利用することで、医療費の自己負担が大幅に軽減されます。

🏥
自立支援医療制度(精神通院医療)の概要通常の医療保険では3割の自己負担が発生しますが、自立支援医療(精神通院医療)を申請・認定されると、精神科・心療内科への通院に関する自己負担が原則1割に軽減されます。さらに、世帯の所得に応じて月ごとの上限額(月額上限)が設定されるため、通院が多い月でも一定額以上はかかりません。申請窓口はお住まいの市区町村の福祉担当窓口または精神保健福祉センターです。精神障害者保健福祉手帳を持っていない方でも利用できます。
  • 対象うつ病、統合失調症、双極性障害、PTSD、不安障害、ASD・ADHD等の精神疾患で継続的な通院が必要な人。
  • 対象となる医療費精神科・心療内科の診察費、処方薬の薬剤費(指定を受けた薬局での調剤)、デイケア、訪問看護。
  • 申請に必要なもの申請書(市区町村窓口で取得)、主治医の診断書(指定様式)、健康保険証・マイナンバーカード・世帯の所得証明書類など。
  • 有効期間1年間(毎年更新が必要)。
精神保健福祉センター

精神保健福祉センターの活用

精神保健福祉センターは、各都道府県・政令指定都市に設置されている、精神保健(メンタルヘルス)に関する総合的な相談・支援機関です。精神科医、精神保健福祉士、臨床心理士などの専門家が在籍し、無料で相談を受け付けています。

  • 精神科医療機関への受診をどうすればよいかわからない方の相談
  • 職場・家庭でのメンタルヘルス問題に関する相談
  • 自立支援医療制度の申請に関するサポート
  • 精神障害者保健福祉手帳の申請窓口(市区町村経由の場合もある)
  • 地域の支援機関・医療機関の紹介

精神保健福祉センターは匿名での相談も可能です。「まず相談してみたい」という段階から利用できます。電話相談・来所相談・メール相談など、センターによって提供している相談方法が異なります。

FAQ

よくある質問

合理的配慮について当事者・家族・支援者からよく寄せられる質問にまとめてお答えします。

FAQ

合理的配慮に関するよくある質問

Q. 障害者手帳を持っていないのですが、合理的配慮を求めることはできますか?

A. はい、できます。合理的配慮の対象となる「障害者」は、障害者手帳を持っている人に限りません。身体障害・知的障害・精神障害(うつ病・不安障害・発達障害等を含む)など、心身の機能に障害があり、日常生活や社会生活に継続的な制限を受けている方であれば対象になります。ただし、合理的配慮の内容を具体的に検討する際には、主治医の診断書や意見書があると、事業者側の理解を得やすく、交渉がスムーズになります。まずは主治医に相談してみましょう。

Q. 会社に合理的配慮を申し出たら、解雇や不利益な異動をされないか心配です。

A. 合理的配慮の申し出を理由として、解雇・降格・給与引き下げなどの不利益な取り扱いをすることは、障害者雇用促進法および障害者差別解消法に違反します。合理的配慮の申し出は法律で認められた権利であり、それを理由とした報復的措置は不当な差別的取り扱いとして禁止されています。ただし、申し出の前に「申し出たらどうなるか」と不安に感じることは自然なことです。就労支援機関(就労移行支援事業所・就労定着支援・ハローワーク等)のスタッフに事前に相談し、場合によっては同席してもらうことをお勧めします。

Q. 合理的配慮は「特別扱い」ではないのですか?他の従業員に不公平ではないですか?

A. 合理的配慮は「特別扱い」や「優遇」ではありません。障害のある人が、障害のない人と同じ水準で業務や学業に参加するための「条件の調整」です。例えば、眼鏡が必要な人が眼鏡をかけることを「特別扱い」とは言わないように、合理的配慮はその人に必要なサポートを提供することです。「他の人も頑張っているのに」という感覚は理解できますが、必要な条件が同じでない人に同じ対応をすることが、かえって不公平だという考え方が合理的配慮の基本にあります。また、配慮の内容を職場全体で共有することで、職場環境の改善につながる場合も多くあります。

Q. 「過重な負担」を理由に断られました。どうすれば良いですか?

A. 断られた場合も、まずは「なぜ過重な負担になるのか」の具体的な理由を文書で求めましょう。事業者側が「過重な負担」を主張する場合、その根拠を説明する責任があります。その上で、同じ目的を達成できる別の方法(代替案)を提案してみましょう。例えば「テレワークは難しいと言われたが、始業時間を30分遅らせることはできますか」というように。それでも解決しない場合は、ハローワーク・都道府県労働局(雇用分野の場合)、または都道府県の障害者権利擁護センター・精神保健福祉センター(一般的なサービス分野の場合)に相談してください。就労移行支援事業所のスタッフに交渉の仲介を依頼することも有効です。

Q. ASDやADHDの診断を受けていますが、どのような配慮を求めるのが適切ですか?

A. ASD・ADHDへの合理的配慮は、個人の特性・困りごとによって大きく異なります。「ASDだからこの配慮」というような画一的なものではなく、あなた自身が「どの場面で何に困っているか」を具体的に整理することが出発点です。例えば「口頭指示が覚えられない→メールでも確認を送ってほしい」「騒音で集中できない→耳栓使用を許可してほしい」「急な変更で混乱する→変更がある場合は前日までに知らせてほしい」などです。就労移行支援事業所や地域障害者職業センターでは、「自分の特性と必要な配慮の整理」を支援してもらえます。主治医や支援機関のスタッフと一緒に考えることをお勧めします。

Q. 合理的配慮を大学に申請したいのですが、手続きはどうすればよいですか?

A. まず、在籍する大学の「学生支援センター」「障がい学生支援室」「学生相談室」などの窓口に連絡し、面談の予約を取りましょう。窓口名は大学によって異なりますが、大学のウェブサイトで「合理的配慮」「障がい学生支援」などのキーワードで検索すると見つかります。面談では、自分の障害特性と困りごと、希望する配慮内容を説明します。医師の診断書(または意見書)が必要な場合が多いので、主治医に事前に相談・依頼しておくと良いでしょう。申請から配慮が開始されるまでに数週間かかる場合がありますので、学期が始まる前に早めに動くことをお勧めします。

Q. 2024年の義務化で何が変わりましたか?以前との違いを教えてください。

A. 2024年4月1日以前は、民間事業者(企業・商店・医療機関・学習塾等)による合理的配慮の提供は「努力義務」でした。つまり、「できる範囲でやればよい」というものだったため、対応しなくても法的な問題はありませんでした。2024年4月からは、民間事業者も合理的配慮の提供が「法的義務」になりました。これにより、正当な理由(過重な負担)がないにもかかわらず配慮を拒否した場合、国の行政機関から報告徴求・助言・指導・勧告を受ける可能性があります。なお、雇用(職場)における合理的配慮は障害者雇用促進法により2016年から義務でした。今回の変更は「それ以外の一般的なサービスや場面」における義務化です。

一人で悩まないで。
あなたの困りごとを聞かせてください。

合理的配慮のこと、職場や学校でのつらさ、精神障害・発達障害に関する悩みなど、どうかあなたの声をココトモに聞かせてください。

今すぐ話したい方へ——相談窓口
ココトモ相談するチャット相談・無料
いのちの電話0120-783-55624時間・無料
よりそいホットライン0120-279-33824時間・無料

このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。

keyboard_arrow_up