メンタルヘルス用語辞典 · 学校恐怖症

学校恐怖症とは?
不登校との違い・原因・対応法をわかりやすく解説

学校恐怖症は、学校に対する圧倒的な恐怖や不安から登校できなくなる状態です。不登校との違い・3つのタイプ・心理的/身体的症状・原因・治療法・家庭での対応・保護者自身のケアまで、必要な情報をすべてまとめました。

ABOUT SCHOOL PHOBIA

学校恐怖症とは、どんな状態か

学校恐怖症は、学校に行くことに対して強い恐怖や不安を感じ、登校が困難になる状態です。「怠け」や「甘え」ではなく、不安症の一種として理解する必要があります。適切な支援で多くの子どもが回復し、自分らしい道を見つけています。

定義

学校恐怖症の定義——「行きたくない」と「行けない」の違い

学校恐怖症(School Phobia)は、学校に行くこと自体に対する強い恐怖・不安が原因で登校できなくなる状態です。精神科医のアデレード・ジョンソンが1941年に提唱した概念で、分離不安障害、社交不安障害、限局性恐怖症などの不安症が背景にあることが多いです。重要なのは、学校恐怖症の子どもは「行きたくない」のではなく「行きたいのに行けない」という点です。登校したい気持ちはあるのに、不安や恐怖が圧倒的に強く、身体が動かなくなるのです。

一時的な登校しぶり
多くの子どもが経験する一時的な状態
連休明けや新学期の最初に見られる登校への抵抗。通常は数日で収まり、友人や教師のサポートで乗り越えられる。深刻な身体症状は伴わない。
学校恐怖症
不安症に根ざした登校不能状態
学校に対する圧倒的な恐怖・不安により、登校が長期的に困難に。強い身体症状(腹痛・嘔吐・発熱)を伴い、本人は「行きたいのに行けない」と苦しんでいる。専門的支援が必要。
「怠け」ではなく「SOS」です学校恐怖症の子どもは、怠けているのではありません。むしろ、「行かなければ」という強いプレッシャーと「行けない」現実の間で激しく苦しんでいます。身体症状は心のSOSが身体を通じて表現されたものです。
不登校の実態

日本の不登校の現状

34.6万人
令和5年度の小中学校の不登校児童生徒数(過去最多・11年連続増加)
3.7%
小中学生の不登校率。約27人に1人——1クラスに約1人の計算
約半数
不登校児童生徒のうち、専門的な相談・支援を受けていない割合
不登校は年々増加しており、もはや「特殊なこと」ではありません。文部科学省も「不登校は問題行動ではない」と明示しています。大切なのは、登校するかどうかではなく、子どもの心身の健康と学びの機会を守ることです。
不登校との違い

「学校恐怖症」と「不登校」の違い

「学校恐怖症」と「不登校」は重なる部分がありますが、完全に同じ概念ではありません。

学校恐怖症
不登校(全般)
核心
不安・恐怖が中心
様々な要因
本人の意思
行きたいけど行けない
行きたくない場合も
身体症状
強い(腹痛・嘔吐等)
ある場合とない場合
罪悪感
非常に強い
様々
背景の疾患
不安症が多い
多様
相談の目安

こんなサインがあれば、専門家に相談を

⚠️専門家への相談を考えるべきサイン
  • 🔍
    登校時に強い身体症状(腹痛、頭痛、嘔吐、発熱)が繰り返し出る
  • 🔍
    学校に行こうとすると泣き叫ぶ、パニック状態になる
  • 🔍
    不登校が2週間以上続いている
  • 🔍
    家に閉じこもり、友人や家族ともコミュニケーションを避ける
  • 🚨
    「死にたい」「消えたい」という発言がある
  • 🚨
    自傷行為が見られる
  • 🔍
    昼夜逆転が定着し、生活リズムが崩れている
  • 🔍
    うつっぽい症状(意欲低下、食欲減退、不眠)が見られる
⚠️
「死にたい」「消えたい」という言葉が出たら不登校の子どもは、強い自責感や孤立感から希死念慮を抱くことがあります。こうした発言が出たら、すぐに児童精神科を受診してください。📞 いのちの電話:0120-783-556(24時間・無料)
TYPES & STAGES

学校恐怖症のタイプと段階

学校恐怖症は、その背景にある心理的メカニズムにより3つのタイプに分類されます(ジョンソンの分類)。タイプを理解することは、適切な治療方針を立てるうえで重要です。

ジョンソンの第1段階(心因性タイプ)主に幼児〜低学年

母親(主な養育者)との分離不安が中心。家を離れること自体に強い恐怖を感じ、学校に限らず親から離れる状況全般を避けようとします。泣いてしがみつく、玄関から動けない、腹痛や頭痛を訴えるなどの症状が特徴的です。分離不安障害と重なることが多く、低年齢での発症が典型的です。

分離不安が中心低年齢親から離れられない身体症状が目立つ
ジョンソンの第2段階(学校起因タイプ)主に学童期〜中学生

学校生活そのものに対する恐怖が中心。いじめ、友人関係のトラブル、教師との関係、学業の困難、部活動の問題など、学校環境の特定の要因に起因します。「学校に行きたいけれど行けない」という矛盾した心理が特徴で、強い罪悪感と自責感を伴います。

学校環境が原因いじめ・対人関係学業困難罪悪感が強い
ジョンソンの第3段階(深層心理タイプ)主に思春期

表面的には学校が原因に見えますが、実際にはより深い心理的問題が背景にあるタイプ。家庭環境の問題(親の不和、虐待、過度な期待)、自己同一性の混乱、精神疾患の発症(うつ病、不安障害、社交不安障害)などが潜んでいます。「なぜ行けないのかわからない」と本人が述べることも多い。

深層的な心理問題家庭環境の影響精神疾患の合併思春期に多い
実際にはこれらのタイプが明確に分かれるとは限らず、複数の要因が重なっていることが多いです。大切なのは「タイプ分け」よりも「この子どもに何が起きているか」を丁寧に理解することです。
SYMPTOMS

学校恐怖症の症状

学校恐怖症では、心理的症状と身体的症状の両方が現れます。特に身体症状は「仮病」と誤解されやすいですが、実際にストレスが身体化した本物の症状です。

😰
登校前の強い不安・恐怖
朝になると学校に行くことへの強い不安が襲います。「何か悪いことが起きる」「自分は学校に居場所がない」という漠然とした恐怖。日曜の夕方から翌週を想像して不安が始まる「サザエさん症候群」も。
😭
激しい抵抗・泣き叫び
登校を促されると、泣き叫ぶ、しがみつく、暴れるなどの激しい抵抗を示します。特に低年齢の子どもに多く見られます。これは「わがまま」ではなく、パニックに近い恐怖反応です。
🏠
回避行動の固定化
最初は「今日だけ休む」だったものが、次第に完全な不登校へと発展します。休むことで一時的に不安が和らぐため、回避行動が強化される学習が成立してしまいます。
💭
自己否定・罪悪感
「学校に行けない自分はダメだ」「みんなに迷惑をかけている」「親を悲しませている」と強い自責の念を抱きます。この罪悪感がさらに不安を増大させ、登校をより困難にする悪循環が生じます。
😔
抑うつ気分・意欲の低下
学校に行けない日々が続くと、次第に気分が落ち込み、以前楽しんでいた活動への興味も失われていきます。引きこもりが長期化すると、うつ病や社交不安障害に発展するリスクがあります。
📱
昼夜逆転・生活リズムの乱れ
学校に行かないことで朝起きる必要がなくなり、次第に昼夜逆転の生活になります。夜中にゲームやSNSに没頭し、日中は眠るパターンが固定化。この生活リズムの乱れが回復をさらに困難にします。
💡
不登校の「段階」を知る不登校には段階があります。①前兆期(登校しぶり)→②進行期(完全不登校)→③混乱期(最も不安定)→④安定期(回避が定着)→⑤回復期。各段階で必要な対応が異なるため、今どの段階にいるかを見極めることが大切です。
CAUSES

学校恐怖症の原因

学校恐怖症は、学校環境・家庭環境・子ども自身の特性・社会的要因が複合的に絡み合って生じます。原因を一面的に捉えず、多角的に理解することが重要です。

🏫学校環境の要因

学校生活の中で直面する困難が、学校恐怖症の最も直接的な原因となります。いじめ(身体的・言語的・関係性いじめ・サイバーいじめ)は最も深刻な要因であり、教師との関係(厳しすぎる指導、不適切な対応、体罰)、学業不振(授業についていけない、テストへの不安、学習障害の未発見)、部活動の問題(先輩との関係、過度な練習、いじめ)なども含まれます。学校環境の変化(転校、クラス替え、進学)もトリガーになりえます。

  • いじめ(身体的・言語的・サイバー)
  • 教師との関係の問題
  • 学業不振・テスト不安
  • 部活動内の人間関係
  • 転校・クラス替え・進学
「原因がわからない」ことも珍しくありません。子ども自身も「なぜ行けないのかわからない」と言うことがあります。原因の特定に固執するよりも、「今、この子に何が必要か」に焦点を当てることが大切です。
TREATMENT & SUPPORT

学校恐怖症の治療・対応

学校恐怖症の対応は「学校に行かせること」がゴールではなく、「子どもの不安を軽減し、社会とつながる力を育てること」が目標です。

専門的治療

専門家による治療・支援

心理療法(認知行動療法)中心的治療

学校恐怖症に対する認知行動療法(CBT)では、「学校は危険な場所」「自分は学校でやっていけない」という歪んだ認知を修正し、段階的に学校に関連する状況に暴露していきます。不安への対処スキル(リラクゼーション、呼吸法、自己対話)を学び、少しずつ学校関連の活動に参加していきます。子どもの年齢に応じたアプローチが取られ、遊戯療法やアートセラピーも活用されます。

段階的登校プログラム段階的アプローチ

いきなり通常登校を目指すのではなく、段階的に学校への接触を増やしていくアプローチです。Step 1:学校の前を通る → Step 2:校門まで行く → Step 3:保健室に短時間いる → Step 4:好きな授業だけ出る → Step 5:半日登校 → Step 6:通常登校。各段階で十分に安心できてから次に進み、無理な飛び級はしません。学校・家庭・専門家の三者連携が不可欠です。

家族療法家族全体のアプローチ

学校恐怖症は家族システム全体の問題として捉えることが重要です。親の不安が子どもに伝染していないか、過保護が回避を強化していないか、家庭内のコミュニケーションパターンに問題がないかを検討します。親が「学校に行かなくてもいいよ」と安易に回避を許容することも、「何としてでも行け」と強制することも、どちらも問題を悪化させます。バランスの取れた対応を一緒に考えます。

薬物療法補助的手段

不安が非常に強い場合や、うつ病・社交不安障害などの精神疾患を合併している場合に、補助的に薬物療法が用いられます。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が第一選択であり、不安の軽減に有効です。ただし、子どもへの薬物投与は慎重に判断され、心理療法との併用が基本です。起立性調節障害が合併している場合は、ミドドリンなどの昇圧薬が有効なこともあります。

学校の調整

学校環境の調整と代替的学びの場

学校環境の調整環境を子どもに合わせる

子どもの恐怖の原因が学校環境にある場合、環境の調整が不可欠です。いじめの解決、クラス替えや担任の変更、別室登校(保健室登校)の活用、適応指導教室(教育支援センター)の利用、特別支援教育の導入(発達障害がある場合)などが含まれます。フリースクールや通信制学校への転換も選択肢です。「子どもを学校に合わせる」のではなく「子どもに合った環境を用意する」発想が大切です。

「学校に戻る」ことだけが回復ではありません。フリースクール、適応指導教室、通信制高校、ホームスクーリング——子どもに合った学びの形は多様です。大切なのは「どこで学ぶか」ではなく「心身が健康であること」「学びの機会があること」「社会とのつながりがあること」です。
HOME SUPPORT

家庭でできる対応と支援

不登校・学校恐怖症の子どもにとって、家庭は最も重要な「安全基地」です。日常の中でできる支援をまとめました。

🏠
家庭を「安全基地」にする
学校に行けなくても、家は安心できる場所であることを保証しましょう。「学校に行けないなら家でもくつろぐな」という罰的な対応は逆効果です。安全基地があるからこそ、子どもは外の世界にチャレンジする勇気を持てます。
🌅
生活リズムを維持する
昼夜逆転は回復を大幅に遅らせます。登校できなくても、朝起きる・食事をする・日中に活動する・夜眠るという基本的なリズムを保つことが重要です。ただし、強制的ではなく、一緒に取り組む姿勢で。
💬
「学校に行け」と言わない日を作る
毎日「明日は行けるよね?」と聞かれることは、子どもにとって大きなプレッシャーです。学校の話題を一切出さない日を意識的に作り、「ありのままのあなたを受け入れている」というメッセージを伝えましょう。
🎯
学校以外の居場所を確保する
適応指導教室、フリースクール、オンラインコミュニティ、習い事など、学校以外の社会的つながりを持つことが重要です。同年代との交流は社会性の発達に不可欠であり、学校が唯一の選択肢ではありません。
📝
小さな目標を一緒に設定する
「週5日通常登校」ではなく、「今週は1回散歩に出る」「友達にLINEを返す」「家族で外食に行く」など、本人が達成可能な小さな目標を一緒に設定しましょう。達成感が自信を育て、次のステップへの動機になります。
👨‍👩‍👧
親子で楽しい時間を持つ
不登校は親子関係を緊張させがちですが、一緒に料理をする、ゲームをする、散歩に行くなど、学校とは無関係の楽しい時間を持つことが回復を促進します。「一緒にいて楽しい」という経験が、安全な愛着の基盤を強化します。
📚
学びの機会を途切れさせない
学校に行けなくても、学びは続けられます。オンライン学習、家庭教師、通信教育、公立の適応指導教室など、子どもの状態に合った学習方法を探しましょう。ただし、学習の強制は新たなストレスになるため注意が必要です。
⚕️
専門家とつながっておく
スクールカウンセラー、教育相談センター、児童精神科医、心理士など、複数の専門家とつながっておくことが重要です。一人で解決しようとせず、チームでサポートする体制を作りましょう。
不登校の子どもを支えることは、保護者にとっても大きなストレスです。「自分の育て方が悪かったのか」と自分を責めないでください。そして、保護者自身のケア(カウンセリング、親の会への参加)も忘れないでください。
関連する用語
分離不安障害社交不安障害限局性恐怖症適応障害起立性調節障害選択性緘黙
FOR PARENTS

保護者の方へ

お子さんが学校に行けなくなった時、保護者の方も不安で苦しいはずです。正しい知識を持ち、お子さんと一緒に歩んでいくためのガイドです。

対応のポイント

してほしいこと・避けてほしいこと

✅ してほしいこと
「学校に行けなくても、あなたの価値は変わらない」と伝え続ける
身体症状(腹痛・頭痛・発熱)を「仮病」と決めつけず、まず身体の辛さを認める
「なぜ行けないの?」の答えは子ども自身にもわからないことを理解する
学校以外の選択肢(フリースクール・適応指導教室・通信制)を一緒に探す
専門家(スクールカウンセラー・児童精神科・心理士)に早めにつながる
保護者自身の不安やストレスも、カウンセリングや親の会で対処する
回復には時間がかかることを受け入れ、長い目で見守る姿勢を持つ
❌ 避けてほしいこと
無理やり登校させる(引きずって学校に連れて行く、車から降ろすなど)
「不登校は甘え」「気合が足りない」「他の子は行っているのに」と責める
学校に行かないことを「罰」として、ゲーム禁止・外出禁止にする
他のきょうだいと比較する(「お兄ちゃんは行っているのに」)
「このままだと将来どうなるの」と脅して不安を煽る
子どもの前で夫婦間で責任の擦り付け合いをする
保護者のケア

保護者自身のケアの重要性

子どもの不登校は、保護者にとっても非常に大きなストレスです。不安、罪悪感、怒り、孤立感——さまざまな感情が渦巻くのは自然なことです。しかし、保護者が心身ともに健やかでいることが、子どもの回復を支える最大の力になります。

👥
「親の会」に参加する
同じ経験をしている保護者同士のつながりは、最も心強い支えになります。各地の不登校親の会、オンラインコミュニティなど、仲間とつながれる場を探しましょう。「自分だけではない」と感じるだけで、大きく救われます。
🛁
自分の時間を確保する
子どもの不登校に24時間向き合い続けると、保護者自身が燃え尽きます。趣味、運動、友人との交流など、自分自身の生活も大切にしてください。リフレッシュすることは「子どもを放置する」ことではありません。
⚕️
保護者もカウンセリングを受ける
不登校の子どもへの対応で疲弊している場合、保護者自身がカウンセリングを受けることをお勧めします。自分の感情を整理し、対応のヒントを得ることができます。子どもの治療と並行して進めるのが理想的です。
💑
パートナーと方針を統一する
両親の対応がバラバラだと、子どもは混乱します。一方が「行かなくてもいいよ」と言い、他方が「行きなさい」と言う状況は避け、方針を統一しましょう。意見が異なる場合は専門家を交えて話し合いましょう。
あなたのせいではありませんお子さんの不登校は、あなたの育て方の「失敗」ではありません。不登校の原因は複合的であり、一人の責任に帰すことはできません。自分を責めるエネルギーを、お子さんと一緒に前を向くエネルギーに変えていきましょう。
RECOVERY PROCESS

回復の過程と各段階でのサポート

学校恐怖症・不登校からの回復は、一直線ではなく波を繰り返しながら進みます。各段階の特徴を理解し、その時期に合ったサポートをすることが回復を早めます。

回復の4段階

不登校・学校恐怖症からの回復プロセス

不登校・学校恐怖症からの回復には、おおむね4つの段階があります。各段階は個人差が大きく、行き来することもあります。「今どの段階にいるか」を把握することで、適切な対応が見えてきます。

第1期:混乱期発症直後〜数週間

学校に行けなくなったことへの強い罪悪感・自己否定、保護者のショック・怒り・混乱が重なり、家庭全体が最も苦しい時期です。この時期は無理に登校を促すと状況が悪化します。まず「休んでいい」と伝え、安心感を与えることが最優先です。身体症状(腹痛・頭痛・発熱)が最も激しく出やすい時期でもあります。

この時期にできること:登校を強制しない。身体症状を「本物」として扱う。「休んでいい」と伝える。
第2期:安定期(引きこもり)数週間〜数ヶ月

表面上は落ち着いて見えますが、昼夜逆転・ゲーム・SNS漬けになることが多い時期です。外の世界と切り離され、自分の世界に閉じこもります。これは回復に向けたエネルギーを蓄えている段階でもあります。保護者は焦らず、家庭を安全な場所に保つことが重要です。

この時期にできること:昼夜逆転を緩やかに修正。会話を絶やさない。学校以外の外出機会を少しずつ作る。
第3期:模索期数ヶ月〜1年以上

「このままではいけない」という気持ちが芽生え始め、フリースクールや適応指導教室、オンライン学習などを試み始める時期です。一歩進んで二歩下がるような不安定さが特徴。焦らず小さな一歩を応援することが大切です。この時期に専門家との連携が特に重要になります。

この時期にできること:小さな一歩を大げさに褒める。フリースクールや適応指導教室を検討。専門家(スクールカウンセラー・児童精神科)と連携。
第4期:回復期1年以上〜

徐々に外の世界に出られるようになり、学校への段階的な復帰や新たな環境(通信制高校・専門学校・アルバイト)への挑戦が始まります。完全に元通りになるわけではなく、新しい自分として前に進む時期です。再燃することもありますが、以前より早く立て直せるようになります。

この時期にできること:自分のペースを尊重する。「学校復帰」だけにこだわらない。新しい目標・夢を一緒に探す。
「回復」の定義を広げよう回復とは「元の学校に戻ること」だけではありません。子どもが心身の健康を取り戻し、自分らしい形で社会とつながれるようになることが真の回復です。フリースクール、通信制高校、アルバイト、趣味を通じたコミュニティ——道は一つではありません。
支援機関の活用

使える支援機関・相談窓口一覧

学校恐怖症・不登校への対応は、家庭だけで抱え込まず、様々な専門機関と連携することが回復を早めます。以下の機関を積極的に活用しましょう。

🏫
スクールカウンセラー
学校に配置されている心理士。学校との橋渡し役として最初の相談先に最適。子どもだけでなく保護者も相談できます。無料。
🏢
教育相談センター
各都道府県・市区町村の教育委員会が設置。不登校・発達・学習の相談を無料で受けています。電話・来所・オンラインで対応。
🏥
精神保健福祉センター
都道府県・政令市に設置された公的相談窓口。こころの健康相談、依存症、思春期の問題など幅広く対応。無料で相談できます。
👨‍⚕️
児童精神科・心療内科
医療的なアプローチが必要な場合の専門医。診断・薬物療法・心理療法の紹介など。自立支援医療制度で自己負担を軽減できます。
📚
適応指導教室(教育支援センター)
教育委員会が設置する学校外の学び場。少人数の安心できる環境で、社会性の回復と学習支援を行います。無料。
🌳
フリースクール
民間の学校外の学び場。子どものペースに合わせた個別支援が特徴。費用は施設による(月1〜5万円程度)。出席扱いになる場合も。
💻
通信制高校・オンライン学習
中学卒業後の選択肢として、自分のペースで学べる通信制高校やN高・S高などのオンライン高校が急増。大学進学率も上昇中。
👥
不登校の親の会
全国各地にある、不登校の保護者同士が集まるコミュニティ。「自分だけではない」と感じ、具体的な情報も得られる貴重な場。
💡
自立支援医療制度を知っていますか?精神科・心療内科への通院が続く場合、「自立支援医療制度(精神通院医療)」を利用すると医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。申請は市区町村窓口で行い、主治医の診断書が必要です。長期的な治療が見込まれる場合は早めに申請を検討しましょう。精神保健福祉センターでも申請の案内をしてもらえます。
学校との連携

学校・教師との上手な連携方法

学校恐怖症の回復には、家庭・専門家・学校の三者連携が不可欠です。学校側との関係をうまく構築するためのポイントを解説します。

学校に伝えるべき5つのポイント
01
現在の子どもの状態を率直に伝える
「医師から不登校の診断を受けています」「専門家の指示のもとで休んでいます」など、医療・専門家が関与していることを伝えると、学校側も対応しやすくなります。
02
「いつ来られるか」ではなく「今何が必要か」を中心に話す
登校再開の時期への執着は双方の焦りを生みます。「今は保健室への短時間訪問から始めたい」「別室での学習機会を作ってほしい」など、具体的な要望を伝えましょう。
03
担任だけでなくスクールカウンセラーも含めた体制を作る
担任一人への負担を避け、スクールカウンセラー・養護教諭・管理職も含めたチームで対応してもらうよう依頼しましょう。窓口が一本化されると保護者も楽になります。
04
子どもの意向を尊重する
子どもが「先生に状況を知られたくない」と言う場合は、その気持ちを尊重しながら最低限の情報共有に留めましょう。子どものプライバシーと学校との連携のバランスを大切に。
05
定期的な情報共有の場を設ける
月1回程度の電話連絡や面談の機会を設け、子どもの状態の変化を共有し合いましょう。学校側も「見捨てられていない」と感じると、復帰後のサポート体制を維持しやすくなります。
学校との連携がうまくいかない場合は、教育委員会の教育相談センターや精神保健福祉センターを通じた第三者的な橋渡しを活用することも選択肢です。保護者一人で交渉を抱え込まないようにしましょう。
FAQ

よくある質問

学校恐怖症・不登校について、保護者や本人からよく寄せられる質問にお答えします。

Q&A

学校恐怖症についてよくある質問10選

まだ不安なことがあればFAQで解決しない疑問や、個別のご状況については、ぜひ専門家やスクールカウンセラーにご相談ください。精神保健福祉センターでも無料で電話相談を受け付けています。ひとりで悩まないことが、回復への第一歩です。
関連キーワード

学校恐怖症に関連する用語・疾患

学校恐怖症は、以下の状態・疾患と重なりあうことが多くあります。それぞれの特徴を知ることが、より深い理解と適切な支援につながります。

分離不安障害
親(主な養育者)から離れることへの強い不安。特に低年齢の学校恐怖症に多く合併します。「お母さんと離れたくない」という形で学校恐怖が現れます。
社交不安障害
人前での恥や批判を恐れる不安症。思春期の学校恐怖症に多く、「みんなの前で発表できない」「先生に指されるのが怖い」という形で現れます。
限局性恐怖症
特定のものや状況に対する非合理的な恐怖。学校の特定の場所(給食・体育・トイレ)に対する恐怖が学校恐怖症の入り口になることがあります。
選択性緘黙
特定の場面(学校など)でのみ話せなくなる状態。家では話せるのに学校では一言も話せない。社交不安障害と重なることが多く、早期支援が重要。
起立性調節障害(OD)
朝に起き上がれないほどの倦怠感・頭痛・立ちくらみが生じる自律神経の機能不全。不登校の子どもの30〜40%に合併するとも言われ、身体的治療が必要です。
ADHD・ASD(発達障害)
学校環境への適応困難から学校恐怖症を発症するリスクが高いグループ。感覚過敏、社会的コミュニケーションの困難、集中力の問題が学校での苦しさを生みます。
うつ病
不登校が長期化すると合併するリスクが高まります。意欲低下・睡眠障害・食欲不振・希死念慮など。学校恐怖症の「原因」にも「結果」にもなりえます。
パニック障害
突然の強い恐怖と身体症状(動悸・息切れ・めまい)が繰り返すパニック発作。登校時に発作が起きると学校恐怖症へと発展することがあります。
💡
これらの疾患が背景にある場合、学校恐怖症への対応と並行して、各疾患に応じた専門的治療(薬物療法・行動療法など)が必要になります。「なぜ行けないのかわからない」という場合こそ、精神科的評価を受けることが回復への近道です。

一人で抱え込まないで。
相談してみませんか。

学校に行けない悩みを抱えていませんか。保護者の方のお悩みも含め、どうかあなたの大切な悩みをココトモに聞かせていただきたいです。

今すぐ話したい方へ——相談窓口
ココトモ相談するチャット相談・無料
いのちの電話0120-783-55624時間・無料
よりそいホットライン0120-279-33824時間・無料
精神保健福祉センター各都道府県無料・予約制(地域により異なる)

このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。お子さんの不登校が気になる場合は、スクールカウンセラーや児童精神科への相談をご検討ください。精神科・心療内科への通院には「自立支援医療制度(精神通院医療)」を利用することで医療費の自己負担を軽減できます。まずは主治医や精神保健福祉センターにご相談ください。

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