学校内暴力とは?
定義・10.9万件の統計・心理的影響・被害者支援・対応策を徹底解説
令和5年度の暴力行為発生件数は108,987件と過去最多、小学校では10年前の約6.4倍に。被害者はPTSD・うつ病・不安障害など深刻な影響を受けます。種類・統計・心理的影響・対処法・治療・予防まで、必要な情報をすべてここにまとめました。
学校内暴力とは——定義と種類
学校内暴力(校内暴力)は、学校の管理下において児童生徒が行う暴力行為の総称。文科省は「故意に有形力を加える行為」と定義しています。
学校内暴力(校内暴力)とは何か
学校内暴力(校内暴力)とは、学校の管理下において、児童生徒が行う暴力行為の総称です。文部科学省の調査では、暴力行為を「自校の児童生徒が、故意に有形力(目に見える物理的な力)を加える行為」と定義しており、被害者が教師であるか、他の生徒であるか、物であるかによって分類されます。学校の管理下(校舎内、校地内、登下校中、学校行事中など)で発生したものが対象ですが、近年は学校管理下外での暴力行為も問題視されています。
学校内暴力は、いじめと混同されることがありますが、両者は明確に異なります。いじめは「継続的な心理的・物理的攻撃」であり、必ずしも直接的な物理的暴力を伴うとは限りません。一方、学校内暴力は「有形力の行使」、すなわち身体への直接的な暴力行為が中心となります。ただし、いじめが身体的暴力を伴うケースや、いじめから発展した暴力行為も少なくなく、両者は複合的に絡み合っていることも多いです。
文部科学省による4つの分類
文部科学省は、学校内暴力を以下の4種類に分類して調査しています。
- 対教師暴力教師(学校職員を含む)に対する暴力行為(例:教師を殴る・蹴る・物を投げつける・腕をつかむ・首を絞めようとする)
- 生徒間暴力生徒同士の間で起きる暴力行為(人間関係のある児童生徒同士)(例:同級生・先輩後輩への殴打、蹴り、持ち物の破壊、集団による暴行)
- 対人暴力対教師暴力・生徒間暴力の対象者を除いた他者への暴力(地域住民・通行人など)(例:学校外の通行人への暴行、来校した保護者への暴力)
- 器物損壊学校の施設・設備等への破壊行為(例:校内の壁・机・窓・便器の破壊、スプレー等による落書き、扉やロッカーを壊す)
この4分類の中で最も件数が多いのは生徒間暴力です。令和5年度の調査では、生徒間暴力が80,460件と全体の約74%を占めています。次いで器物損壊が16,676件、対教師暴力が10,847件、対人暴力が1,004件の順となっています。
暴力行為の具体的な形態
学校内で実際に起きている暴力行為には、さまざまな形態があります。
- 身体的暴力殴る、蹴る、髪を引っ張る、押す、物を投げつける、首を絞める。遊びやふざけを装って首を絞めたり、急所を狙った暴力なども近年増加している。
- 集団暴力(リンチ)複数人が一人を囲んで暴行する。力の差が極めて大きく、被害者に深刻な身体的・心理的ダメージを与える。
- 武器を用いた暴力ハサミ・カッター・スポーツ用品などを凶器として使用するケース。重大な傷害事件に発展することもある。
- 器物損壊教室の机・椅子・窓を壊す、トイレを破壊する、他の生徒の持ち物を壊す・奪う。学校施設への落書きも含まれる。
- カツアゲ(恐喝)暴力や脅しを伴って金品を巻き上げる行為。恐喝は刑事事件として扱われる。
- 性的暴力身体への性的な接触や強制、性的な言動による脅迫。近年、問題として注目が高まっている。
いじめとの違いと連続性
学校内暴力といじめは、しばしば連続性を持ちながら発生します。
- いじめが身体的暴力に発展するケース:言葉によるいじめや仲間外れが、次第に身体的な暴力へとエスカレートする
- 暴力的ないじめ(フィジカルいじめ):いじめの中に、叩く・蹴る・物を壊すなどの暴力行為が含まれているケース
- 集団によるいじめと集団暴力の複合:複数の生徒が一人を標的にした継続的な攻撃が、いじめと暴力の両方の要素を持つ
- ネットいじめと現実の暴力の連動:SNS上のいじめが現実の学校での暴力行為を引き起こしたり、両者が同時進行するケース
日本の統計データ(文科省調査)
令和5年度の暴力行為発生件数は108,987件と過去最多。特に小学校での急増が顕著で、10年前と比べると約6.4倍に達しています。
令和5年度の調査結果:過去最多を更新
文部科学省が毎年実施する「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の令和5年度(2023年度)版が2024年10月に発表されました。
校種別・暴力種別の内訳
令和5年度の暴力行為108,987件を校種別・暴力種別に見ると、以下のようになっています。
- 小学校全体の約64%を占め、過去最多を更新。前年度から8,554件増加。
- 中学校件数は多いが、10年前と比べると減少傾向にある。
- 高等学校中学校と同様に減少傾向。ただし対教師暴力の割合が相対的に高い。
- 生徒間暴力80,460件(全体の約74%)。前年比+10,880件(+15.6%)と最大の増加。
- 器物損壊16,676件(全体の約15%)。
- 対教師暴力10,847件(全体の約10%)。
- 対人暴力1,004件(全体の約1%)。
小学校での急増:特に低学年で深刻化
令和5年度調査で最も注目すべき点は、小学校での暴力行為の急増、特に低学年での増加です。
- 小学1年生の加害児童数は、過去9年間で約10.5倍に急増したことが明らかになっている
- かつては中学校が暴力行為の中心だったが、近年は小学校が全体の6割超を占めるまでになった
- 小学生の暴力行為は「遊びやふざけを装った」ものが多く、本人が暴力として認識していないケースも多い
- 低学年での暴力の増加は、感情調節能力の発達問題、衝動性の高さ、コロナ禍による社会的経験の不足なども背景として指摘されている
長期的な推移:1980年代の校内暴力から現在まで
日本の校内暴力の歴史を振り返ると、二度の大きな「波」があります。
この長期的推移は、社会背景・家庭環境・教育環境の変化が子どもたちの行動に影響を与えていることを示しています。
学校内暴力が増加している背景
コロナ禍による社会的経験の不足、家庭環境の変化、SNS・ゲームの影響、発達特性への対応不足などが複合的に作用しています。
コロナ禍の影響
- 学校休校・行動制限により、友人との交流・集団生活の経験が大幅に減少した時期が続いた
- 対人関係のスキル(自分の気持ちを言葉で伝える、相手の気持ちを読み取る、ケンカをしても仲直りするなど)を学ぶ機会が減少した
- 感情をコントロールする力(感情調節能力)の発達が、十分な社会的経験なしに進んでしまった学年がある
- 小学校低学年がコロナ禍に重なった世代が、現在の暴力増加に影響しているとの見方がある
家庭環境の影響
- 親の養育スタイルの変化:過度な過保護・過干渉、または逆に放任・ネグレクト
- 家庭内の不和・ストレス:親の離婚、経済的困難、家庭内の暴力(DV)などが子どものストレスを高める
- 暴力の学習:家庭での暴力を「当たり前のもの」として育った子どもは、暴力を問題解決の手段として学んでしまう可能性がある
- コミュニティの希薄化:近隣のつながりが弱まり、子どもを地域全体で育てる環境が失われている
SNS・ゲームの影響
- 暴力的なゲームコンテンツ:長時間接触が攻撃性を高めるかは研究で見解が分かれるが、暴力を「問題なし」と認識させる脱感作(desensitization)効果は指摘されている
- SNSでの承認欲求と攻撃性:SNSでの「強さ」「支配」の誇示が、現実の暴力行為への動機になるケース
- ネットいじめと現実の暴力の連動:オンラインでの攻撃が現実の暴力行為にエスカレートするケースの増加
- 睡眠不足と衝動性:夜中までゲーム・SNSをすることによる慢性的な睡眠不足が、感情調節能力を低下させ、衝動的な暴力行為につながる可能性
発達特性への対応不足の影響
- ADHDの特性として、衝動性のコントロールが難しく、意図せず暴力行為が発生するケース
- 自閉スペクトラム症(ASD)の特性として、感覚過敏(大きな音・身体接触など)によるパニックが攻撃的な行動として現れるケース
- 障害特性への理解が学校側・周囲の児童生徒にない場合、誤解・摩擦が生じやすい
- 特別支援教育の充実・合理的配慮の提供が遅れている学校では、二次的な問題行動が起きやすい
加害者の心理と背景要因
暴力行為を起こす子どもの多くは「生まれながらの加害者」ではなく、暴力は学習された行動です。背景の理解と支援が、被害者保護と並んで重要です。
暴力は「学習された行動」
暴力行為の多くは「極端なストレスが続いた際に、その緊張状態を解消するための方法として学習された不健全な対処行動」。家庭内DV経験、過去にいじめや暴力の被害者だった子どもが立場が変わって加害者になる被害者・加害者の循環、集団内での「暴力を振るう者が強い」という誤った価値観の共有などが背景。
感情調節能力の問題
フラストレーション耐性が低く、すぐに爆発的な怒りが生じる。アレキシサイミア(感情を言葉にできない)により行動(暴力)で表現してしまう。衝動性の高さで「結果を考える」抑制がうまく働かない。慢性的なストレス状態が些細なことをきっかけにした爆発を生む。
自己肯定感の低さと承認欲求
学習の遅れ、不登校経験、家庭内での否定的な扱いなどにより、自己肯定感が著しく低下。「自分には価値がない」「どうせダメだ」という自己認識が挑発への過剰反応や承認を求めた問題行動につながる。「強さを示す」手段としての暴力、「自分のことを誰もわかってくれない」という孤立感がSOSとしての暴力行為として現れる。
加害者は「支援が必要な存在」
文部科学省の指針でも「基本的に児童生徒本人の存在を肯定的に受け止めるコミュニケーションを図ることが必要」と明記。背景にある家庭の問題、学習の遅れ、発達上の困難、友人関係のトラブルなどへの支援が必要。スクールカウンセラーや専門機関と連携した心理的サポート、アンガーマネジメント技法の学習が有効。ただし被害者の安全確保が最優先。
被害者のメンタルヘルスへの影響
暴力被害は身体的な傷だけでは終わりません。PTSD・複雑性PTSD・うつ病・不安障害・身体症状・解離など、深刻な心理的影響が長期にわたって続くことがあります。
身体的な傷だけでは終わらない
学校内暴力の被害は、打撲や骨折などの身体的な傷で終わりません。むしろ目に見えない心の傷(心理的トラウマ)の方が、長期にわたって被害者の生活に影響を及ぼし続けることが多いのです。
特に、繰り返される暴力(反復性トラウマ)や、逃げ場のない状況(学校という閉鎖的なコミュニティ)での暴力は、複雑性PTSDと呼ばれる深刻な心理的影響をもたらすことが知られています。暴力被害が「今だけの辛さ」でなく、その後何年・何十年にもわたって人生に影響を及ぼすことを、保護者も教師も十分に理解する必要があります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
学校内暴力の被害者は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症することがあります。PTSDは、強烈なトラウマ体験の後に、特定の症状が持続する精神疾患です。
PTSDの症状は、暴力を受けた直後だけでなく、数週間後・数ヶ月後・時には数年後に発症することもあります。「時間が経って落ち着いたと思っていたら、突然症状が出てきた」というケースも少なくありません。
複雑性PTSD(C-PTSD)
繰り返される暴力(継続的ないじめを伴う身体的攻撃、長期にわたる集団暴力など)の被害者は、通常のPTSDよりも深刻な複雑性PTSD(C-PTSD)を発症するリスクがあります。通常のPTSD症状(再体験・回避・過覚醒)に加えて、より広範な症状が現れます。
- 自己認識の歪み「自分は無価値だ」「自分は傷ついて当然の存在だ」という根深い信念。
- 感情調節の困難感情が爆発的に出たり(解離のない怒り、パニック)、逆に感情が麻痺したりする。
- 対人関係の困難誰かを信頼することへの深刻な困難。親密な関係を築けない、またはすぐに関係が壊れる。
- 解離症状現実感の喪失(「これは自分のことではない」という感覚)、記憶の空白。
複雑性PTSDは、成人になってからも仕事・恋愛・子育てなど、人生のあらゆる場面に影響を及ぼし続ける可能性があります。早期の適切な治療が、長期的な予後を大きく左右します。
うつ病・うつ状態
学校内暴力の被害者は、うつ病やうつ状態を発症するリスクが高まります。
- 繰り返し否定されたり、無力な状況に置かれ続けたりすることで、「何をやっても無駄だ」という学習性無力感が生じる
- 喜びや楽しさを感じる能力の低下(無快感症)。好きだったことに興味が持てなくなる
- 慢性的な疲労感・意欲の低下・集中力の低下
- 自己批判・自責「どうして自分だけこんな目に」「自分が弱いから暴力を受ける」
- 食欲の変動(過食または食欲不振)、体重の変化
- 学業成績の著しい低下
うつ病は適切な治療を受ければ回復できますが、放置すると長期化・重症化する可能性があります。「気力がない」「やる気が出ない」という状態が2週間以上続く場合は、専門家への相談を検討してください。
不安障害・社交不安
暴力被害後に、さまざまな不安障害を発症するケースがあります。
- 社交不安障害(社会恐怖)人と接することへの過度な恐怖。特に同年代の子ども・グループへの恐怖。「また何かされるかもしれない」という持続的な警戒。
- 全般性不安障害漠然とした不安が常に頭から離れない。「次はいつ暴力を受けるかわからない」という慢性的な恐怖状態。
- パニック障害特定の場所(学校、教室、体育館など)に行くと強い恐怖・動悸・呼吸困難が生じる。
- 広場恐怖学校や人混みを避けることが続き、行動範囲が著しく狭まる。
身体的影響と心身症
心理的なトラウマは、身体にも直接的な影響を及ぼします。
- 睡眠障害寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、悪夢を繰り返す。慢性的な睡眠不足が昼間の集中力・学習能力をさらに低下させる。
- 頭痛・腹痛登校前に腹痛・頭痛が生じる「心因性の身体症状」。嘘ではなく、実際に脳・身体が反応している。
- 食欲不振・過食ストレスによる食欲の変動。拒食・過食が習慣化すると摂食障害へのリスクがある。
- 免疫機能の低下慢性ストレスによるコルチゾール(ストレスホルモン)の持続的な上昇が、免疫系を抑制する。風邪をひきやすい、治りにくいなどの症状が現れることがある。
- 解離性症状強い恐怖や苦痛に対する防衛として、「自分の体の感覚がない」「ぼんやりして現実感がない」という解離症状が現れることがある。
長期的な影響:成人後にも続く傷
学校内暴力の心理的影響は、子ども時代だけでなく、成人後の人生にも長期的な影響を及ぼすことが研究で明らかになっています。
- 成人後の対人関係の困難(友人・恋人・職場での人間関係で繰り返されるパターン)
- 慢性的な低自己肯定感・自信のなさ
- 成人後のうつ病・不安障害・PTSD の発症リスクの上昇
- アルコール・薬物などへの依存リスクの上昇(「自己治療」としての物質使用)
- 子育てにおける困難(自分の子どもへの接し方への影響)
- 職場での生産性低下、キャリア形成への影響
これらの長期的影響を防ぐためには、被害を受けた直後から適切な支援・ケアを受けることが極めて重要です。「子どもだから」「時間が経てば忘れる」という判断は危険です。
学校内暴力と自殺リスク
暴力被害は自殺念慮・自傷行為・自殺企図のリスクを高めます。SOSサインを見逃さず、緊急の場合は迷わず相談窓口・119番・110番へ。
暴力被害と自殺念慮の関係
学校内での暴力被害は、被害者の自殺念慮・自傷行為・自殺企図のリスクを高めることが、複数の研究で示されています。特に以下の条件が重なると、リスクがより高まります。
- 暴力が長期間にわたって継続している(慢性化)
- 複数の加害者(集団暴力)による被害
- 身体的暴力に加えて言語的暴力・社会的排除(無視・仲間外れ)も受けている
- 学校内に信頼できる大人(相談できる教師)がいない
- 家庭でも安全を感じられない環境にある
- 以前からメンタルヘルスの問題(うつ、不安など)を抱えていた
- 友人関係が乏しく、社会的サポートがない
周囲が気づくべきSOSサイン
学校内暴力の被害者が、自殺念慮を抱えている可能性を示すサインとして、以下のようなものがあります。周囲の大人が気づくことが、命を救う第一歩になります。
- !「死にたい」「消えたい」「いなくなりたい」という言葉を口にする(冗談っぽく言う場合も含む)
- !急に大切にしていたものを友達にあげる
- !これまで関心があったことへの興味を突然失う
- !急激な引きこもりや孤立(誰とも話さなくなる)
- !腕や足に傷(自傷行為の痕跡)がある
- !「どうせ自分なんか」「みんなに迷惑をかけている」という発言が増える
- !逆に急に穏やかになる・落ち着く(覚悟を決めたサインの可能性)
これらのサインに気づいた場合は、「死にたいと思っているの?」と直接聞くことを恐れないでください。自殺について質問すること自体がリスクを高めるということはなく、むしろ「あなたのことを心配している」「逃げ場がある」と伝えることになります。すぐに専門の相談窓口や医療機関につなげてください。
危機の際の緊急対応
「死にたい」という言葉が出たとき、周囲の人がすぐにできることがあります。
- 一人にしない。できる限りそばにいる
- 「なぜそう思うの?」と責めるのではなく、「あなたのことが心配」と伝える
- 批判・説教・解決策の押しつけは避け、まず話を聞く
- 緊急の危険がある場合は、迷わず119番や110番に連絡する
- 翌日、かかりつけ医や精神科・心療内科への受診につなげる
被害者の心理的回復プロセス
トラウマからの回復は直線的ではありません。安全確保→安定化→トラウマ処理→認知再構成→社会再参加→統合と成長という6つの段階を、行きつ戻りつしながら進みます。
回復は直線的ではない
学校内暴力の被害から心理的に回復するプロセスは、決して一直線ではありません。良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ前進していきます。「昨日は大丈夫だったのに、今日は突然思い出して辛くなった」ということは、回復の過程で当然起こりうることです。回復の過程を大まかに示すと、以下のような段階が考えられます。ただしこれはあくまで一般的なモデルであり、すべての人が同じ順序・速度で回復するわけではありません。
回復を支える社会的サポートの重要性
研究は、トラウマからの回復において社会的サポート(支えてくれる人間関係)が最も重要な保護因子の一つであることを示しています。
- 「あなたのことを心配している」「あなたは悪くない」と伝え続けてくれる家族・友人の存在
- 「逃げ場がある」という安心感:学校以外の場所(習い事、地域のクラブ、オンラインコミュニティなど)でのつながり
- 学校の担任・養護教諭・スクールカウンセラーによる継続的なフォローアップ
- 専門的な心理的支援(カウンセリング・心理療法)へのアクセス
逆に、社会的サポートが乏しい状況(孤立、周囲からの「大げさだ」という反応、家庭でも安全を感じられないなど)は、回復を著しく困難にします。
セルフケアの実践
専門的な治療と並行して、日常生活の中でできるセルフケアも回復を支えます。
- 身体を動かすウォーキング、水泳、ヨガなどの適度な運動は、ストレスホルモンを低下させ、脳のセロトニン分泌を促進する。激しい運動でなく、楽しめるものを選ぶ。
- 安全な創造的活動絵を描く、音楽を聴く・演奏する、日記を書くなど、感情を表現できる活動。感情を安全に外に出す「表現療法」としての効果がある。
- 自然の中で過ごす公園、森、海岸などの自然環境は注意回復効果があり、緊張をほぐす効果が研究で示されている。
- 呼吸法・マインドフルネスゆっくりとした腹式呼吸、「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネス練習は、過覚醒状態(常に緊張している状態)を緩和する。
- 規則正しい生活リズム毎日同じ時間に起き、食事をし、就寝する。生活リズムの安定が、自律神経系の回復を助ける。
まず知ってほしいこと:あなたは悪くない
子ども自身ができる4つのステップ
暴力を受けていることを、信頼できる大人に伝えることが最初の、そして最も重要なステップです。
保護者ができること
子どもからのSOSサインに気づき、話を聴き、学校との連携・警察への相談まで、保護者として取るべき対応をまとめました。
子どもからのSOSに気づくサイン
子どもが学校内暴力の被害を受けていても、自分から話してくれないことは珍しくありません。「心配をかけたくない」「親に怒られるかもしれない」「言ってもどうせ変わらない」と思っていることもあります。保護者は、以下のサインに注意してください。
- !登校を嫌がる、朝になると腹痛・頭痛を訴える(特定の曜日・時間帯に多い)
- !帰宅時にひどく疲れている、元気がない、暗い表情が続く
- !衣服が汚れている、破れているなどの異変
- !怪我(あざ、傷)があるが、理由を説明しない・「転んだ」と言うだけ
- !持ち物がなくなる、壊れて帰ってくる(金品の被害)
- !友人関係の話をしなくなる、友達が来なくなる
- !食欲がない、睡眠の乱れ(悪夢を見る、眠れないと訴える)
- !スマートフォンを急に隠すようになる(ネットいじめとの連動の可能性)
- !「死にたい」「消えたい」という言葉が出る
子どもの話を聴くとき
子どもが話してくれたとき、または話してくれそうなとき、保護者の対応が非常に重要です。
- まず、じっくり聞く解決策を急いで提示したり、「でも」「そんなことで」と話をさえぎらない。子どもが話したいことを全部出せるように、静かに聞く。
- 子どもの気持ちを受け止める「それは怖かったね」「辛かったんだね」と、まず共感を示す。
- 絶対に言ってはいけないこと「大げさだ」「気にしすぎ」「あなたにも悪いところがあるんじゃない?」「そのくらい自分で解決しなさい」。これらは子どもを深く傷つけ、次に話してくれる機会を失わせる。
- 「あなたを守る」と伝える「必ず守る」「一緒に考える」「あなたは悪くない」という言葉が、子どもに安心感を与える。
学校への報告と連携
子どもから暴力被害を聞いた場合、学校への報告と連携が必要です。
- 担任への連絡まず電話または連絡帳で担任に状況を報告する。事実を客観的に伝え、「どのような対応をしてもらえるか」を確認する。
- 証拠を持参怪我の写真、被害の記録(日時・場所・内容)を用意して、面談に臨む。
- 校長・教頭への相談担任の対応に不満がある場合、管理職に直接相談する権利がある。
- スクールカウンセラーの活用子どもの心理的サポートのために、スクールカウンセラーへの相談を学校に依頼する。
- 教育委員会への相談学校が適切に対応しない場合は、各市区町村の教育委員会に相談する。
深刻な場合は警察への相談も
暴力の程度が重大(骨折などの傷害、恐喝、継続的な集団暴行など)な場合は、警察への相談も選択肢の一つです。
- 骨折・意識喪失・刃物による傷害などは、傷害罪・暴行罪として刑事事件になりえます
- 金品を脅し取られた場合(カツアゲ)は、恐喝罪に該当します
- 警察に相談する際は、怪我の診断書、被害の記録、写真などの証拠を持参する
- 「学校内の問題だから」と躊躇する必要はありません。重大な暴力は犯罪です
- 最寄りの警察署の「少年相談窓口」または「生活安全課」に相談する
学校・教職員の対応と取り組み
被害報告の初動対応、スクールカウンセラーの役割、学校全体での暴力防止、出席停止制度まで、学校に求められる対応を解説します。
被害を報告された際の初動対応
文部科学省の指針では、学校が暴力行為の報告を受けた際の初動対応について、以下の点を強調しています。
- まず被害者の安全確保暴力が報告されたら、まず被害を受けた児童生徒の身体的・心理的安全を確保する。加害者から切り離し、安全な環境に置く。
- 事実の正確な把握被害者・目撃者から丁寧に話を聞き、何が起きたかを正確に把握する。この段階で加害者・被害者の立場の判断をしない。
- 組織として対応担任一人で抱え込まず、校長・教頭・生徒指導担当教員・養護教諭・スクールカウンセラーが情報を共有し、組織として対応する。
- 保護者への連絡被害者側・加害者側の双方の保護者に速やかに連絡し、状況を説明する。
- 問題を隠さない学校のイメージ保護のために暴力行為を隠蔽・矮小化することは、被害者への二次被害となり、学校の信頼を根本から損なう。
スクールカウンセラーの役割
スクールカウンセラー(SC)は、臨床心理士・公認心理師などの資格を持つ心の専門家で、学校に週1回程度配置されています。
- 被害者へのカウンセリング暴力被害を受けた児童生徒に対して、継続的なカウンセリングを提供する。
- 保護者相談子どもの暴力被害について不安を抱える保護者に対して、専門的な相談に応じる。
- 教職員へのコンサルテーション暴力行為への対応について、教職員に心理的な見地からアドバイスをする。
- 加害者への支援暴力行為の背景にある心理的問題(発達特性、家庭環境など)についてアセスメントし、適切な支援につなげる。
- 外部機関への連携必要に応じて、精神科医・児童相談所・警察などの外部機関との連携を取り持つ。
学校全体での暴力防止の取り組み
文部科学省の報告書「暴力行為のない学校づくりについて」では、学校全体での系統的な取り組みの重要性が強調されています。
- 規範意識の醸成「暴力は絶対に許さない」という明確なメッセージを全教職員が一致して発信する。「ちょっとした暴力」を見逃さない。
- 落ち着いた学習環境の維持授業規律の維持(チャイム着席、私語のない授業)が、暴力行為の予防に直結する。授業環境の乱れと暴力行為には相関がある。
- SOSを出しやすい環境相談しやすい教師との関係構築、アンケートによる実態把握、目安箱的な匿名相談の仕組みなど。
- 地域・外部機関との連携警察・少年センター・児童相談所・精神保健機関などとの連携体制の構築。
- アンガーマネジメント教育怒りの感情を適切に扱う方法を学ぶプログラムを学校全体で実施する。
出席停止制度の活用
学校教育法には、他の児童生徒への暴力行為が著しい場合に、加害者となった児童生徒に対して出席停止を命じることができる規定があります(学校教育法第35条・第49条)。
- 出席停止は「懲罰」ではなく、「他の児童生徒の教育を受ける権利を守るため」の措置
- 出席停止中も、加害者側への教育的指導・心理的支援は継続する必要がある
- 出席停止の決定は市区町村の教育委員会が行う
- 重大な暴力事案では、出席停止と警察への届出を組み合わせることが被害者保護の観点から重要
専門的な治療とサポート
心療内科・精神科への受診、EMDR・TF-CBT・CBTなど効果的な心理療法、薬物療法、精神保健福祉センターと自立支援医療制度の活用について解説します。
心療内科・精神科への受診
学校内暴力による心理的トラウマが深刻な場合、心療内科・精神科への受診が重要です。「病院に行くほどでもない」「大げさだ」と思う必要はありません。以下のような症状が続く場合は、受診を検討してください。
- ✓フラッシュバック・悪夢が2週間以上続いている
- ✓学校(暴力があった場所)への強い恐怖感が続き、登校できない
- ✓強い落ち込み・意欲の低下・喜べない状態が2週間以上続いている
- ✓「死にたい」「消えたい」という気持ちがある
- ✓自傷行為をしてしまった、またはしようとしている
- ✓日常生活(食事・睡眠・勉強)に著しい支障が出ている
効果的な心理療法
学校内暴力によるトラウマの治療に、科学的根拠(エビデンス)のある心理療法として以下が挙げられます。
- EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)眼球運動などの二側性刺激を用いながら、トラウマ記憶を処理する療法。PTSDの治療として世界保健機関(WHO)も推奨している。
- トラウマフォーカスドCBT(TF-CBT)子ども・青年のトラウマ治療に特化した認知行動療法。トラウマ体験の語り(ナラティブ)と認知の再構成を組み合わせる。保護者も治療に参加する。
- 認知行動療法(CBT)「暴力を受けたのは自分のせいだ」などの歪んだ思考パターンを修正し、行動を変えていく療法。不安障害・うつ病・PTSDに有効。
- マインドフルネスベース介入「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスの練習を通じて、過覚醒・反芻思考を軽減する。
- 表現療法(アート・音楽・遊戯療法)特に子どもに対して、言葉以外の方法でトラウマを処理する。言語化が難しい小さな子どもに効果的。
薬物療法の選択肢
心理療法と並行して、必要に応じて薬物療法が行われることがあります。
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)PTSDのフラッシュバック・回避・過覚醒症状、うつ病・不安障害に対して効果が認められている。子どもへの処方は慎重に行われる。
- 睡眠薬・睡眠改善薬睡眠障害(不眠・悪夢)が強い場合に短期的に使用されることがある。
- 抗不安薬強い不安・パニック発作に対して短期的に使用されることがある。
薬物療法は心理療法と組み合わせて行われることが多く、単独での治療よりも効果が高まります。子どもへの薬の使用については、精神科医とよく相談しながら決定することが重要です。
精神保健福祉センターの活用
各都道府県・政令指定都市に設置されている精神保健福祉センターでは、精神科医・精神保健福祉士・臨床心理士による無料の相談を実施しています。
- 匿名での相談が可能
- 子どもだけでなく、保護者からの相談も受け付けている
- 精神科・心療内科の受診につながるための「入口」としても利用できる
- 自立支援医療制度の申請サポートも行っている
自立支援医療制度(精神通院医療)の活用
学校内暴力を原因とするPTSD・うつ病・不安障害などで継続的な通院が必要な場合、自立支援医療制度(精神通院医療)を申請することで、医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。
- 申請窓口は市区町村の福祉担当窓口(障害福祉担当)
- 精神科・心療内科の主治医の診断書が必要
- 所得に応じてさらに負担上限額が設けられている
- 申請方法や必要書類は、最寄りの精神保健福祉センターでも相談できる
学校内暴力の予防策
アンガーマネジメント教育、ソーシャルスキルトレーニング(SST)、保護者への啓発、早期発見・早期介入の仕組みなど、システムとしての予防が重要です。
アンガーマネジメント教育
アンガーマネジメント(怒りの管理)は、怒りという感情を適切にコントロールする方法を学ぶ心理教育プログラムです。学校での暴力防止に効果的であることが示されており、日本でも各地の教育委員会が導入を進めています。
- 怒りは自然な感情であり「悪いもの」ではないこと、しかし暴力という形で表現することは許されないことを学ぶ
- 怒りを感じたとき、すぐに行動しないで「6秒待つ」(怒りのピークは6秒で過ぎる)という技法
- 怒りを感じたときに「その怒りは1〜10でどのくらいか」を自分で評価する(スケーリング)
- 怒りを言葉で表現する練習(「〇〇されて悲しかった」「〇〇してほしかった」)
- 小学校から継続的に行うことで、感情調節能力全般の発達を支援できる
ソーシャルスキルトレーニング(SST)
ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、対人関係のスキルを練習を通じて学ぶプログラムです。
- 感情の適切な表現方法(「私は〇〇と感じている」)を学ぶ
- 相手の気持ちを読み取る共感スキルの練習
- ケンカや意見の相違を暴力なく解決する「対話」の練習
- 断る・助けを求めるなど、場面に応じた適切なコミュニケーションの練習
- 特に発達障害のある児童生徒に対して、SSTは暴力行為の予防に大きく寄与できる
保護者への啓発と家庭環境の支援
学校内暴力の予防は、学校だけで完結するものではありません。家庭への支援・啓発も欠かせません。
- 保護者向け啓発家庭での暴力(親から子・子から親・夫婦間)が子どもの暴力行為に与える影響についての啓発。
- 養育スキルの支援子どもの感情をどう受け止め、どう対話するかについての保護者向けプログラム(ペアレントトレーニングなど)。
- 家庭環境の困難を抱える家族への支援貧困・DVなど困難な環境にある家庭は、スクールソーシャルワーカー(SSW)や福祉機関と連携した包括的な支援が必要。
早期発見・早期介入の仕組み
暴力行為が深刻化する前に早期に発見し、介入することが被害の最小化につながります。
- 定期的なアンケート調査「今、困っていることはありますか」「誰かにいやなことをされていますか」という問いかけを定期的に行う。直接言い出せない子どもが発見できる。
- 日常的な観察教師が子どもたちの関係性の変化、特定の子どもの表情・行動の変化を日常的に観察し、早期に異変に気づく。
- 保護者との情報共有学校と家庭が定期的に情報を交換し、両方の場での変化を把握する。
- 児童相談所・スクールソーシャルワーカーとの連携家庭環境の問題が背景にある場合、福祉的なアプローチを早期に組み合わせる。
対教師暴力への対応
令和5年度の対教師暴力は10,847件。被害を受けた教師はPTSD・うつ病・バーンアウトのリスクが高まります。教師自身も支援を求める権利があります。
対教師暴力の実態
令和5年度の文部科学省調査では、対教師暴力が10,847件と報告されています。生徒が教師を殴る・蹴る・物を投げるなどの行為です。対教師暴力は、被害を受けた教師のメンタルヘルスにも深刻な影響を及ぼします。
- 対教師暴力を受けた教員は、PTSD・うつ病・バーンアウト(燃え尽き症候群)のリスクが高まる
- 「教師が生徒に暴力を受けた」ことを認めることへの心理的抵抗から、被害を報告しない教師も少なくない
- 対教師暴力は、同じ教室の他の生徒にも目撃させることで、学校全体の安全感・規範意識を損なう
教師への対応:自分を守ることも重要
対教師暴力に遭遇した教師へのアドバイスです。
- 一人で抱え込まない管理職・同僚に状況を報告し、組織として対応する。「自分の指導力の問題」として個人的に抱え込まない。
- 被害届の検討骨折などの重大な傷害がある場合、警察への被害届も選択肢の一つ。「教師だから」と我慢する必要はない。
- 自分のメンタルヘルスのケア暴力を受けた後は、PTSD症状(フラッシュバック、不安、回避)が出ることがある。スクールカウンセラー・産業カウンセラーへの相談や、心療内科受診を躊躇しない。
- 文部科学省のサポート体制教職員の精神的健康に関する相談窓口や支援制度を積極的に活用する。
対教師暴力の背景を理解した上での対応
対教師暴力を起こした生徒への対応においても、懲罰だけでなく、背景の理解が必要です。
- 発達障害(特にADHD・自閉スペクトラム症)の特性により、感情コントロールが難しく、パニック状態での暴力が起きているケース
- 家庭内での虐待・暴力の影響で、大人全般に対する不信感・反発が強いケース
- 学習面での困難や「わからない」「できない」というフラストレーションが爆発するケース
- こうした背景がある場合、発達専門家・心理士・福祉機関と連携した多面的な支援が必要
学校内暴力に関するよくある質問
A. まず子どもの話をじっくり聞いてください。「どんなことがあったの?」「怖かったね」と共感しながら、いつ・どこで・誰に・どんな暴力を受けたかを、責めずに聞き取ります。怪我がある場合は医療機関を受診し、診断書を取得します。次に、学校の担任または養護教諭に連絡し、事実を伝えて学校としての対応を求めます。スクールカウンセラーへの相談を学校に依頼することも大切です。「大げさだ」「子ども同士のことだから」と思わず、保護者として毅然とした態度で学校と連携してください。
A. まず担任よりも上の管理職(教頭・校長)に直接相談してみてください。それでも対応がなければ、市区町村の教育委員会に相談することができます。教育委員会に対して、学校の対応の記録(いつ誰に何を伝えたか、学校はどう返答したか)を持参して相談すると効果的です。さらに対応が得られない場合は、都道府県の教育委員会や、文部科学省の「子どもの学びに関する相談窓口」への相談も可能です。また、NPOや弁護士(子どもの権利専門)への相談も選択肢の一つです。
A. まず、その場では冷静に毅然とした態度で「暴力はいけない」と伝えます。感情的に怒鳴ったり、体罰で対応することは逆効果になることが多いです。その後、なぜ暴力という行動に出たのか——背景にある感情や問題(フラストレーション、家庭のストレス、発達特性、友人関係の問題など)を理解しようとすることが重要です。担任やスクールカウンセラーに相談し、学校と連携しながら対応することが基本です。アンガーマネジメント(怒りのコントロール)の専門的なプログラムや、発達支援の専門家への相談も検討してください。「加害者の子どもも支援が必要な存在である」という視点を忘れないでください。
A. 無理に登校させることは、心理的なトラウマをさらに悪化させる可能性があります。「学校に行きたくない」という訴えは、身体が安全を守ろうとしている自然な反応です。まず子どもの安全を最優先に考えてください。学校と連携して、安全が確保されるまでの一時的な別室登校・保健室登校・オンライン学習などの代替手段を検討します。また、心療内科やスクールカウンセラーへの相談を通じて、子どもの心理状態を専門的にアセスメントしてもらうことも重要です。不登校が長引く場合でも、教育機会確保法に基づき、フリースクールや教育支援センターなどの選択肢があります。
A. 精神科・心療内科への通院は、通常3割の自己負担(健康保険適用)です。しかし、PTSD・うつ病・不安障害などで継続的な通院が必要な場合、「自立支援医療制度(精神通院医療)」を申請することで、自己負担が原則1割に軽減されます。所得によってはさらに負担上限額が設けられています。申請は市区町村の福祉担当窓口で行い、精神科医の診断書が必要です。手続きに不安がある場合は、精神保健福祉センターに相談することをお勧めします。
A. 子どもが「大丈夫」と言うのは、親を心配させたくない、または「言っても変わらない」と諦めているからである場合も多く、言葉通りに受け取ることには注意が必要です。食欲・睡眠・表情・友人関係などの行動の変化に注意を払いながら、日常的に「最近どう?」と声をかけ続けることが大切です。スクールカウンセラーへの定期面談を学校に依頼することも有効です。「大丈夫か心配」と感じる保護者の直感は多くの場合正しいものです。子どものサインを早期に発見するためにも、保護者自身が精神保健福祉センターや教育相談機関に相談することを躊躇わないでください。
一人で抱え込まないで。
相談してみませんか。
学校内暴力の被害で辛い思いをしていませんか。どうかあなたやお子さんの大切な悩みをココトモに聞かせていただきたいです。
このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。自立支援医療制度(精神通院医療)を利用することで、精神科・心療内科の医療費自己負担を原則1割に軽減できます。詳しくは最寄りの精神保健福祉センターにお問い合わせください。
