ストーキングとは?
定義・種類・規制法・心理的影響・対処法・相談窓口を徹底解説
特定個人への執拗なつきまといや監視・連絡強要を繰り返すストーキング。2025年の最新ストーカー規制法改正(AirTag規制・職権警告)から、加害者の心理類型・PTSDなどの被害・証拠保全・警察相談・回復プロセス・相談窓口まで、必要な情報をすべてここにまとめました。
ストーキングとは——定義と基本的な理解
ストーキング(stalking)は、特定の個人への執拗なつきまとい・監視・待ち伏せ・連絡強要などを繰り返し、相手に恐怖や精神的苦痛を与える行為。日本では2000年のストーカー規制法以降、段階的に規制が強化されてきました。
ストーキングの定義
ストーキング(stalking)とは、特定の個人に対して執拗につきまとい、監視、待ち伏せ、連絡の強要などの行為を繰り返し、相手に恐怖や精神的苦痛を与える行為のことです。日本のストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)では、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で」行われる「つきまとい等」を反復する行為を「ストーカー行為」と定義しています。
ストーキングの本質は、被害者の意思を無視して一方的に接触を試みたり、行動を監視したりすることにあります。加害者は「愛しているから」「心配しているから」と自分の行為を正当化しようとすることが多いですが、相手の意思に反して繰り返し行われるこれらの行為は、愛情の表現ではなく、支配と侵害の行為です。
ストーキングは世界的に深刻な問題として認識されており、多くの国で犯罪として処罰されています。米国では連邦法および全50州でストーキングが犯罪とされており、連邦法違反の場合は最大5年の懲役と25万ドルの罰金が科されます。日本でも2000年にストーカー規制法が制定され、その後複数回の改正を経て、規制対象と罰則が段階的に強化されてきています。
ストーキングの歴史的背景
ストーキングという概念が法的に認識されるようになったのは比較的最近のことです。米国では1990年にカリフォルニア州で初めてストーカー規制法が制定されました。これは、女優のレベッカ・シェイファーが熱狂的なファンに殺害された事件がきっかけとなりました。その後、米国の全州で同様の法律が制定されました。
日本でストーカー規制法が制定されたのは2000年で、1999年に埼玉県で発生した「桶川ストーカー殺人事件」がきっかけとなりました。この事件では、元交際相手によるストーカー行為がエスカレートし、最終的に殺害に至りました。被害者が警察に相談していたにもかかわらず適切な対応がなされなかったことも社会的な問題となり、法整備の必要性が強く認識されました。
その後、ストーカー規制法は2013年、2016年、2021年、2025年に改正され、規制対象の拡大や罰則の強化が行われてきました。特に、インターネットやGPS技術の発展に伴い、ネットストーキングやGPSを使った追跡行為など、新たな形態のストーキングに対応するための改正が重ねられています。
ストーキングとDVの関係
ストーキングは、DV(ドメスティック・バイオレンス)と密接に関連しています。ストーキングの加害者の多くは、被害者の元交際相手や元配偶者です。交際中や婚姻中にもDV的な支配行動が見られた関係が、関係の終了後にストーキングへと発展するケースが多く報告されています。
DVの加害者がストーキングに移行するのは、パートナーが関係を離れようとする、または実際に離れた時に最もリスクが高まります。支配欲の強い加害者にとって、パートナーが自分のコントロールから離れることは「自分の所有物を奪われた」ことを意味し、取り戻そうとする行動がストーキングとして現れるのです。
元パートナーからのストーキングは、単なるつきまとい以上に危険な場合があります。加害者は被害者の生活パターン、友人関係、家族関係、勤務先などの情報を熟知しているため、より巧妙で執拗な追跡が可能です。また、DVからストーキングに発展したケースでは、暴力がエスカレートするリスクが高いことも研究で示されています。
ストーキングの種類と具体例
ストーカー規制法は10類型の「つきまとい等」を規制対象としています。法改正のたびに新しい手口(メール・SNS・GPS・AirTag)が加わってきました。
つきまとい等の主な6つの類型
これらの行為が「恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情」を動機として繰り返し行われた場合、ストーカー行為に該当します。
類型ごとの罰則一覧
ストーカー(加害者)の心理と類型
拒絶型・憤怒型・親密希求型・無能求愛型・略奪型の5類型と、孤独・愛着・依存といった心理的背景、そして殺人へのエスカレーション要因を整理します。
5つの加害者類型
ストーカー加害者は動機・背景により5つの類型に分けられます。タイプによって対応の優先順位や危険度が異なります。
ストーカーの心理的背景——孤独・愛着・依存
ストーキング行為の背景には、複雑な心理的要因が絡み合っています。研究によると、ストーカーの多くが「不安型愛着」または「回避型愛着」のパターンを持っており、幼少期の不安定な愛着関係が成人後の対人関係に影響しているとされています。
特に「拒絶された」という感覚への耐えられないほどの敏感さが、ストーキングの根底にある場合があります。「捨てられること」への強烈な恐怖から、相手との繋がりを絶やさないために行動がエスカレートするパターンです。ストーカー加害者の一部は、孤立感、自己否定感、うつ病、アルコール依存などを抱えていることが示されています。
ただし、こうした心理的背景があっても、ストーキングは正当化されません。加害者自身の苦しみは理解できるとしても、それが被害者を傷つける権利にはなりません。ストーカー加害者には、専門的な心理的支援(認知行動療法、アンガーマネジメント、依存関係への介入)が必要です。
ストーキングから殺人へのエスカレーション——危険信号
ストーキングが暴力(殺傷事件)にエスカレートするリスクを高める要因として、研究から以下のことが示されています。これらのサインが見られる場合は、緊急に警察に相談し、安全確保の措置を取ることが重要です。
- ✓加害者が元親密パートナー(元恋人・元配偶者)である場合——知人によるストーキングよりも暴力リスクが高い
- ✓過去にDVや暴力歴がある場合
- ✓被害者が新たなパートナーと交際し始めた場合——「自分のものを奪われた」という激情が暴力を誘発しうる
- ✓加害者が武器を持っている、または持とうとしている場合
- ✓加害者が「死ぬなら一緒」「お前を殺して俺も死ぬ」などの発言をする場合
- ✓加害者の行動が急にエスカレートした場合
ストーカー規制法の内容
2000年施行のストーカー規制法は、2013年・2016年・2021年・2025年と段階的に改正されてきました。最新の2025年改正では、AirTag規制と職権警告が導入されています。
ストーカー規制法の概要
「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー規制法)は、2000年11月に施行された法律で、ストーカー行為を規制し、被害者を保護するための法的枠組みを提供しています。この法律は、前述の「桶川ストーカー殺人事件」を契機として制定されました。
ストーカー規制法の主な内容として、「つきまとい等」の10類型の定義と規制、ストーカー行為に対する刑事罰(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)、警察による警告制度、公安委員会による禁止命令制度(命令違反は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)、被害者の保護措置などが含まれています。
2025年法改正の主な内容
2025年(令和7年)のストーカー規制法改正では、いくつかの重要な変更が加えられました。
- 紛失防止タグ(AirTagなど)の規制小型で安価な紛失防止タグがストーキングに悪用されるケース増加に対応し、位置追跡行為が規制対象に追加された。
- 職権警告の導入従来は被害者の申出が必要だったが、改正後は被害者がためらっている場合でも、警察が自らの判断で加害者に警告を出すことが可能に。被害者の安全を迅速に確保できる。
- おそれがある場合の対応つきまとい等が行われるおそれがある場合にも警察が対応できるようになり、実際の発生前に予防的措置が講じられ被害の未然防止が期待される。
警告と禁止命令の制度
ストーカー規制法には、ストーカー行為に段階的に対応するための制度が設けられています。
「警告」は、つきまとい等を行った者に対して、警察が行為をやめるよう警告する制度です。2025年の改正により、被害者の申出がなくても警察の職権で警告を出すことが可能になりました。警告自体には直接的な罰則はありませんが、警告を受けた後もストーカー行為を継続した場合は、禁止命令やストーカー行為罪での検挙につながります。
「禁止命令」は、都道府県公安委員会が加害者に対して、つきまとい等やストーカー行為を禁止する命令です。禁止命令に違反した場合は、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金が科されます。禁止命令に違反してストーカー行為をした場合は、さらに重い処罰が科される場合もあります。
ストーカー規制法の限界と補完的な対策
第一に、法律の規定する「つきまとい等」には「恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」という動機要件があります。これにより、業務上のトラブルや隣人問題からくる嫌がらせなどはストーカー規制法の適用対象外となる場合があります(ただし、この場合でも脅迫罪、迷惑防止条例など別の法律が適用されることがあります)。
第二に、規制法の保護は主に「行為を繰り返すこと」に対して向けられており、単発の暴力や脅迫については別の刑法規定が適用されます。被害者の安全を守るためには、法的対応だけでなく、物理的な安全対策(転居、セキュリティ強化)、社会的支援(家族・友人・職場への情報共有)、心理的支援(カウンセリング)を組み合わせることが重要です。
諸外国では、ストーカーのリスクアセスメントを体系的に行うための専門的な評価ツール(SAM:Stalking Assessment and Management、Stalking Risk Profileなど)が実用化されており、警察・司法・福祉の連携によるケース管理が進んでいます。日本でも、こうした多機関連携による体系的な対応体制の整備が、今後の重要な課題として研究者・実務家の間で議論されています。
ストーキングの心理的影響
恐怖と不安・PTSD・うつ病・日常生活への影響・二次被害・身体的健康——ストーキング被害は被害者の心身に多面的な影響を及ぼします。
ストーキング被害の6つの心理的影響
研究によると、ストーキング被害者の91.5%に心理的な影響が及ぶとされており、最も普遍的な被害の形態です。以下の6領域に深刻な影響が現れます。
日本の統計データ
- 警察庁の統計では、ストーカー事案の相談件数は年間約2万件
- ストーカー規制法施行(2000年)以降、増加傾向。被害増加だけでなく法律の認知度向上による相談しやすさも反映
- 警告・禁止命令・検挙のいずれも年々増加傾向で、警察対応が積極化している
- 被害者の属性は女性が約9割。加害者は元交際相手が最多、次いで知人・友人、配偶者・元配偶者
- 年齢別では20代〜30代の被害者が最多だが、あらゆる年齢層で被害が発生
世界の統計データ
- 米国NISVS調査:女性の約3人に1人、男性の約6人に1人が生涯でストーキング被害を経験
- ストーキング被害者の多くが、加害者に殺害されるかもしれないという恐怖を感じている
- EU加盟国の女性の約18%が15歳以降にストーキング被害を経験
- 英国では年間約130万件のストーキング被害が発生しているとの推計
ストーキング事案の年次推移と法改正の効果
- 施行当初の数千件から年々増加し、2014年前後に年間2万5千件を超えるピーク。以降は年間2万件前後で推移
- 2013年改正(メール規制)、2016年改正(SNS・うろつき規制)、2021年改正(GPS規制・SNSメッセージ)の各改正後、関連類型の検挙件数が増加傾向
- 2025年改正後はAirTag位置追跡の規制と職権警告の導入により、早期介入事案の増加が期待される
- ストーキング関連の殺人・重傷事件は年間数件〜十数件で推移。多くは元親密パートナーによるもの
- ストーキング相談を受けた際の「危険度評価(リスクアセスメント)」の体制整備が重要な課題
被害から身を守るための5つのステップ
証拠の種類と保存方法
ストーキングの被害に対して法的対応を取るためには、証拠の保全が極めて重要です。以下のような証拠を収集・保存しましょう。
- 通信記録電話の着信履歴(日時・回数)、メール・LINE・SNSメッセージ(スクリーンショット)、手紙や贈り物(実物保管)、ボイスメッセージ(録音保存)。
- 行動記録つきまとい行為の日時・場所・内容を記録した日記やメモ、防犯カメラ映像、加害者の写真や動画、目撃者の連絡先と証言内容。
- その他医療機関の受診記録(精神的影響の証明)、カウンセリング記録、相談機関への相談記録、警察への相談記録。
証拠は複数の場所にバックアップしておきましょう(クラウドストレージ、信頼できる人のもとなど)。また、証拠を時系列で整理しておくと、警察や弁護士への相談時に役立ちます。
「ストーキング被害記録ノート」の作り方
警察や弁護士への相談時に最も説得力のある証拠のひとつが、継続的につけた「被害記録ノート」です。日時・場所・内容を具体的に記録することで、ストーキングの「繰り返し性」を客観的に示すことができます。記録に含めるべき基本情報は次の通りです。
- ✓日時(年月日・時刻)
- ✓場所(住所または具体的な場所名)
- ✓行為の内容(何が起きたか、加害者の言動を正確に)
- ✓目撃者の有無(氏名・連絡先)
- ✓自分の対応と感情(怖かった、逃げた、無視したなど)
- ✓付随する証拠(スクリーンショット、写真、録音など)
記録は手書きのノートとデジタル記録(メモアプリ、クラウドドキュメント)の両方で行い、定期的にバックアップを取りましょう。記録は客観的な事実の記述を心がけ、感情的な表現は最小限にとどめてください(法的な場での信頼性を高めるため)。
デジタル証拠の保全——削除・改ざんを防ぐための対策
現代のストーキング被害では、デジタル証拠(メール、SNSメッセージ、通話記録など)が重要な証拠となります。しかし、デジタルデータは加害者によって削除・改ざんされる可能性もあり、適切な保全が必要です。
- スクリーンショットを撮る際は、送受信日時・相手の情報(アカウント名、電話番号)が明確に確認できるよう撮影。URLや送信者情報を含む画面全体をキャプチャ
- LINEやSNSのトークルームは、アカウントのブロックや退会で履歴が失われる場合があるため早期に保存
- 通話録音も有効な証拠(日本では一方の当事者の録音は原則合法)。録音した音声を無断で第三者に公開しないこと
- GPSタグが仕込まれていると疑われる場合は、地元のカーディーラーや電機店で専門的な検査を依頼することも検討
警察への相談方法
ストーキングの被害を受けている場合、迷わず警察に相談してください。最寄りの警察署の「生活安全課」が窓口となります。また、警察相談専用ダイヤル(#9110)でも相談を受け付けています。緊急の場合は110番に通報してください。
警察に相談する際は、保存した証拠を持参しましょう。いつから、どのような行為が、どの程度の頻度で行われているかを具体的に説明してください。加害者の情報(氏名、住所、写真など)がわかっている場合は、それも提供しましょう。
警察の対応の流れ
警察のストーカー事案への対応は、段階に応じて行われます。
- 相談の受理と安全対策のアドバイス
- 警告(加害者に対して行為をやめるよう警察が警告。2025年改正で職権警告が可能に)
- 禁止命令(都道府県公安委員会が加害者に行為を禁止する命令。違反は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)
- 逮捕・検挙(禁止命令違反やストーカー行為罪で)
2025年の法改正により、被害者の申出がなくても警察が職権で警告を出すことが可能になりました。これにより、被害者が「警告を出すと加害者が逆上するのではないか」と不安を感じて申出をためらっている場合でも、警察の判断で適切な措置が取られるようになっています。警察に相談しても対応が不十分だと感じた場合は、都道府県の公安委員会に苦情を申し立てることができます。また、弁護士を通じて対応を求めることも有効です。
警察相談を成功させるための準備と心がまえ
相談前に整理しておくべき情報として、以下を整理してから訪問しましょう。
- ✓ストーキングが始まった時期と経緯(加害者との関係など)
- ✓具体的なつきまとい行為の内容(日時・場所・行為を時系列で)
- ✓加害者の情報(氏名・住所・職業・写真など、判明している範囲で)
- ✓保有している証拠(メッセージのスクリーンショット、着信履歴など)
警察への相談時には、自分が感じた恐怖や不安を正直に伝えることが重要です。「大げさに思われるかもしれないけど」と事前に謝らなくてよいです。あなたが感じた恐怖は正当なものです。「どのような対応をしてもらえるか」「次のステップは何か」を具体的に確認し、相談の記録(担当者名、対応の内容、日時)を残しておきましょう。もし初回の対応が不十分に感じられた場合は、諦めずに継続して相談することが大切です。被害者支援団体(犯罪被害者支援センターなど)のサポートを受けながら警察との連携を進めることも有効です。
4つの法的対応
- 刑事告訴ストーカー行為は犯罪。1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。禁止命令違反は2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金。住居侵入罪・脅迫罪・器物損壊罪・名誉毀損罪・不正アクセス禁止法違反などの併用も可能。
- 民事上の対応加害者への損害賠償請求(慰謝料請求)が可能。精神的苦痛、転居費用、セキュリティ対策費用、カウンセリング費用、収入減少などを請求できる。裁判所への接近禁止の仮処分申立ても検討可能で、より迅速な対応が可能な場合がある。
- 弁護士への相談犯罪被害者支援に詳しい弁護士やDV・ストーカー問題に精通した弁護士を選ぶ。経済的に負担が難しい場合は法テラス(0570-078374)で無料法律相談。犯罪被害者のための弁護士制度を利用できる場合もある。
- 接近禁止命令と保護命令民事保全(仮処分)による接近禁止命令は、ストーカー規制法の禁止命令とは別の手続きで、より細かい条件(自宅から何メートル以内・子の学校周辺など)を裁判所が命じることができる。DV防止法に基づく「保護命令」は配偶者・生活の本拠を共にする交際相手からのDV・ストーキングに適用され、接近禁止命令・電話等禁止命令・子への接近禁止命令・退去命令を含む。
回復の5つのフェーズ
ストーキング被害からの回復は一直線には進みません。安全確保から始まり、長期的なトリガー反応への対処まで、自分のペースで段階的に進んでいきましょう。
主な相談窓口10選
- 警察相談専用ダイヤル(#9110)各都道府県警察の相談窓口につながる。緊急は110番。最寄り警察署の「生活安全課」でも相談可。警察庁ポータルサイト「Cafe Mizen」も活用できる。
- DV相談+(プラス):0120-279-88924時間対応のDV相談窓口。ストーカー被害の相談も可能。電話・メール・チャットで相談できる。
- DV相談ナビ:#8008最寄りの配偶者暴力相談支援センターに転送される。各都道府県の女性相談支援センターでも対応。
- 犯罪被害者ホットライン:0570-079714犯罪被害者のための総合的な相談窓口。法的支援・カウンセリング・各種制度の案内など。
- 犯罪被害者支援センター各都道府県に設置。付き添い支援、カウンセリング、法律相談の紹介など。
- 法テラス:0570-078374日本司法支援センター。経済的に余裕のない方を対象に無料法律相談を提供。
- よりそいホットライン:0120-279-33824時間対応の総合相談窓口。ストーカー被害を含む様々な悩みの相談に対応。
- いのちの電話:0120-783-55624時間対応。精神的に追い詰められている場合や自殺念慮がある場合に。
- 精神保健福祉センター各都道府県・政令指定都市に設置。精神的悩み・心の健康に関する相談を無料で受付。精神科・心療内科・カウンセリング機関の紹介。
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556精神保健に関する電話相談。経済的に医療機関の受診が難しい場合は自立支援医療制度の活用も検討。
ストーキング研究の4分野
米国NISVS:成人女性の約4人に1人、成人男性の約13人に1人が生涯に少なくとも1度はストーキング被害を経験。日本では警察相談が年間2万件前後だが潜在的被害者がはるかに多いと推定。女性が約87〜91%。元交際相手・元配偶者が最多。平均被害期間は約2年。早期相談で継続期間が短くなる傾向。ストーキング被害者の約10〜15%が身体的暴力も受けている。
PTSD発症率は30〜40%(戦争体験者や性暴力被害者と同程度)。Pathé & Mullen(1997):被害者の75%が生活水準低下、55%が就労支障、39%が社会的ネットワーク縮小を経験。回復促進要因:社会的サポート、早期の専門的介入(トラウマ焦点化CBT・EMDR)、安全な環境確保。問題回避的コーピングや二次被害は回復を妨げる。
有効な介入要素:①認知再構成(「相手はまだ自分を愛している」の修正)、②感情調整スキル(拒絶への耐性)、③社会的スキルトレーニング、④依存・執着パターンへの介入(愛着スタイル修正)。精神疾患(妄想性障害、境界性パーソナリティ障害など)背景には精神医学的治療。日本では体系的プログラムはまだ十分でないが、一部の警察・司法機関で更生プログラムへの取り組みが始まる。
現代のストーキング被害の半数以上に何らかのデジタル技術が関与。特徴:①地理的距離を超えた追跡(GPSアプリ、位置情報共有機能の悪用)、②匿名性を利用した複数アカウントからの嫌がらせ、③情報拡散の速さとスケール、④証拠の改ざん・削除の容易さ。AirTag位置追跡は2020年代前半から世界的問題となり、日本でも2025年改正で規制対象に。法律と対策の継続的な更新が必要。
よくある質問
A. ストーキングとは、特定の個人に対して、つきまとい、待ち伏せ、監視、執拗な連絡、押しかけなどの行為を繰り返すことです。日本のストーカー規制法では、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で」行われるつきまとい等を反復する行為を「ストーカー行為」と定義しています。ストーカー行為は犯罪であり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。
A. まず、証拠を保存してください。メッセージや手紙の保管、着信履歴のスクリーンショット、つきまとい行為の日時・場所・内容の記録が重要です。次に、警察に相談してください。最寄りの警察署の生活安全課や、警察相談専用ダイヤル(#9110)に連絡できます。2025年の法改正により、被害者の申出がなくても警察が職権で警告を出せるようになりました。一人で悩まず、早めの相談が被害の深刻化を防ぎます。
A. 相手が拒否の意思を示しているにもかかわらず、繰り返し連絡を取ろうとする行為は、ストーカー規制法の「つきまとい等」に該当する可能性があります。面会・交際の要求、拒否されているのに繰り返しメールやSNSのメッセージを送る行為は、ストーカー行為として規制の対象です。一度はっきりと「連絡しないでほしい」と伝え、それでも連絡が続く場合は警察に相談してください。
A. ストーカー規制法では、つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつき、行動の監視を告げる行為、面会・交際の要求、乱暴な言動、無言電話・連続電話・連続メール・連続SNSメッセージ、汚物などの送付、名誉を傷つける行為、性的羞恥心を侵害する行為、GPS機器等の無断取り付け・位置情報の取得が規制対象です。2025年の改正では紛失防止タグ(AirTagなど)を使った位置追跡も規制対象に加わりました。
A. ストーカー被害の証拠として、メール・LINE・SNSメッセージのスクリーンショット(送信日時が分かるように)、着信履歴の記録、手紙・贈り物の保管、監視カメラの映像(設置している場合)、つきまとい行為の日時・場所・内容を記録した日記やメモ、目撃者の証言(日時・場所・内容)が有効です。可能であれば、つきまとい場面の動画や写真も証拠になります。証拠は複数の場所にバックアップしておきましょう。
A. 精神的な苦痛を感じている場合は、心療内科や精神科の受診を検討してください。PTSD、不安障害、うつ病などの症状が出ている可能性があります。また、各自治体の女性相談支援センター、配偶者暴力相談支援センター、犯罪被害者支援センターでもカウンセリング支援を受けられる場合があります。よりそいホットライン(0120-279-338)は24時間対応で、精神的な辛さを相談できます。
A. 警察のストーカー被害への対応には、段階に応じて複数の措置があります。①相談の受理と助言(安全対策のアドバイス)、②警告(加害者に対して行為をやめるよう警告)、③禁止命令(行為の禁止を命じる行政処分)、④逮捕・検挙(禁止命令違反やストーカー行為の刑事処罰)。2025年の法改正により、被害者の申出がなくても警察が職権で警告できるようになり、より迅速な対応が可能になりました。
A. はい、インターネットを通じたストーキング行為もストーカー規制法の規制対象です。拒否しているにもかかわらず繰り返しメールやSNSメッセージを送る行為、SNSでの執拗な監視・コメント、GPS等を使った位置追跡などは、つきまとい等に該当します。また、2021年の改正では、相手が実際に閲覧する可能性のある方法でSNSにメッセージを送る行為も規制対象に加えられました。ネットストーキングの被害を受けている場合も、警察に相談してください。
A. 「自分の被害はストーキングと呼べるほどのものか」と疑問に感じることは珍しくありません。判断の目安として、①特定の人から繰り返し連絡・接触がある、②その人の行動に対して恐怖・不安・不快感を感じている、③相手に「やめてほしい」と伝えた(または伝えたい)にもかかわらず行為が続いている、という3つが揃う場合、ストーカー規制法が定める「ストーキング」に近い状況にある可能性があります。「大げさかもしれない」「気のせいかもしれない」と感じていても、警察相談専用ダイヤル(#9110)やよりそいホットライン(0120-279-338)に相談することは何も恥ずかしいことではありません。プロに判断を仰ぐことが最善の一歩です。
A. はい、ストーキング被害が終わった後もしばらく恐怖や過度な警戒感が続くことは、非常によくある反応です。これはトラウマ後のストレス反応(PTSD症状)であり、「弱さ」の証拠ではありません。脳が「また危険が来るかもしれない」と学習してしまった結果として、過度な警戒状態が続くのです。症状として、ちょっとした物音に驚く(過驚愕反応)、被害に関連する場所や人を避ける(回避)、加害者に似た人を見るとパニックになる(フラッシュバック)などが含まれます。これらが日常生活に支障をきたすほど続いている場合は、トラウマ専門の心療内科・精神科や臨床心理士のカウンセリングを受けることをお勧めします。EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)やトラウマ焦点化認知行動療法が有効です。
A. 友人や知人からのストーキングは、「友達なのに大げさかも」「相手を傷つけたくない」「周囲の人に信じてもらえるか心配」といった理由で相談をためらいがちです。しかし、加害者との関係の近さは、被害の深刻さを減じるものではありません。むしろ、友人・知人によるストーキングは、加害者があなたの生活パターン・友人関係・職場などを知っているため、見知らぬ人によるストーキングより対応が難しい面もあります。「相談するほどのことでもないかも」と感じていても、警察(#9110)や被害者支援機関に相談することは正当な権利です。相談の際に「友人からで相談しにくい」と伝えれば、状況に合わせたアドバイスを受けられます。
A. 自分の行動がストーキングに当たるかもしれないと気づいたこと自体は、重要な一歩です。相手が「やめてほしい」と伝えている、または明らかに嫌がっているのに連絡や接触を続けているなら、それはストーカー規制法に違反している可能性があります。まず、すぐに相手への連絡・接触を完全にやめてください。「最後に一言だけ」「説明させてほしい」という衝動に駆られても、それ自体が相手をさらに苦しめます。次に、自分の行動の背景にある感情(拒絶への恐怖、強い執着、怒りなど)を理解するために、心療内科・精神科や臨床心理士への相談を検討してください。法テラス(0570-078374)に相談すれば、加害者の立場から法律的なアドバイスを受けることもできます。自分の行動を変えることは、相手のためだけでなく、あなた自身の人生を守るためにも重要です。
一人で抱え込まないで。
相談してみませんか。
「誰かに見張られている気がする」「怖くて外に出られない」「誰に相談すればいいかわからない」——あなたが感じている恐怖は本物です。ストーキングは犯罪です。あなたは一人じゃありません。どうかあなたの悩みをきかせてください。
このページの情報は、医師による診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、心療内科・精神科への受診をご検討ください。
