七尾の日記『絶えず自壊する泥の人形』
visibility382 edit2023.11.11
朝も夜も、昼さえもとても寒い
けれど、まだコタツも暖房も使わない
いや、コタツくらいは出したいけど、こう寒くては、そんな気力と体力が
寒い。寒くて寝付けない
寝付けないから日中も眠い
そんなどうしようもなく、ぐだぐだしたくなる悪循環な今日このごろ
そこで、寒さも眠さも解消してくれる魔法の飲み物がホットコーヒー
今までも寝起きには飲んでいたけど、最近は事あるごとに飲んでいる
昔は砂糖もミルクも沢山入れた、ものすごく甘いやつしか飲めなかったのに、今では家ではブラックオンリーなのは何故だろう
大人になったということなのか
いや、いちいち揃える手間と費用を惜しんだ結果、ブラックに舌が順応しただけだろう
本格的なドリップコーヒーは、注ぐ人の気分次第で味が変わる
これは昔に実証済みだから本当だと思う
私が淹れるコーヒーは、度々えぐかった
ただ、たまにきちんとおいしかった
それでも、とある人には勝てなかった
毎回とてもおいしいコーヒーを淹れていたその人は、いつも平常心をたもって見えた
コーヒーも、そんな安心安定のおいしさだった
どうしたらそんなに上手く淹れられるのか聞いたことがあるけど、「特に意識してない」と返ってきた
大事なのは、そのくらいの肩の力の抜け具合なのかもしれない
自然体で、そこが愛されていて、少し独特な雰囲気も個性になって、敵がいない、おいしいコーヒーを淹れられる心の持ち主
今思うと、その人に憧れていたんだと思う
もしも当時は憧れていなかったとしても、ふと思い出した今は憧憬を抱いている
ずっと忘れていたけど、今日何杯目かのコーヒーを飲んで、ふとその人を思い出した
おっとりゆっくり動いているように見えるのに、あわあわしながら必死に駆け回っていた私よりも、手早く正確に仕事をこなしていた
私の仕事が楽になるよう、さも「気遣いとかじゃありませんよ」みたいなアシストをしてくれる余裕すらあった
今の私がこれということは、その人からは何も学ばなかったのだろう
でも今からでも、記憶をかき集めて吸収したいと思った
そのためには、あまりにも記憶が足りていないけれど
マッチで夢を見たあの少女みたいに、コーヒーを飲むたびに次々と記憶が蘇らないだろうか
名前も顔も忘れて、コーヒーの味と断片的な言動しか覚えていないその人に近付きたいと、インスタントコーヒーを飲みながらそう思った
今日よかったこと♪
記憶を少し取り戻した
名前や姿かたちがわからないのに、味はきっちり思い出せるって、そのくらいおいしかったんです
読んでくれた人へのメッセージ
コーヒーを飲むから寝付けないのではと思ったそこの貴方。夕方くらいからは飲んでいないのでご安心ください
その代わり震えています
マッチで暖まりたい……
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